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なぜ悲劇は繰り返されるのか?

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#創作大賞2022

なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑦

私自身、小学生の頃から人間関係や上下関係に関してはかなり厳しい環境で育ったこともあり、外では厳格に守ったが、校内ではそういう事はあまりしなかった。

 その理由としていくつかあるが、第1に“上下関係を作っても大丈夫だと思える子がいなかった”ということだ。

 そもそも、小学校というのは6歳から12歳という幅広い年齢の子供たちが同じ校舎で学んでいること、縦割り班など集団で行動を共にすることが多いため

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑥

その背景にあるのが、“本人が生まれ育った環境”に加え“身近にある問題の深刻度”が挙げられる。

これらの共通項として“社会的に認められていない事を社会に認めさせるには他者に責任を転嫁し、そのネガティブなイメージを持って、自分たちの正当性を主張する”という自分たちの主張を通すために社会的他責思考を用いて、相手を攻撃し、自分の意見を押し通すためには手段を選ばないという見方が正しいと思う。

これは、こ

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ⑤

この状況を変えるためにも何が必要かを考えていく必要がある。

 まず1つが“個々の考え方を個別見解として分析し、個別見解の不足点を周囲からの意見と総合させ、総合見解とする教育”だ。

 この教育を導入したいと思った理由が“社会における多様性と相互理解促進のために必要な知識を蓄え、双方の責任の所在を探るのではなく、自分ができることを伸ばしていくことの大切さを学ぶ”というこれまでの教育とは異なった視点

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ③-1

このように環境の変化が子供の心理を変えてしまうことや今まで経験したことがない事が起きることで子供によっては“○○さんなら反抗したり、言い負けたりしないな”という心理が芽生えることでいじめのきっかけに繋がっている場合もある。

 そして、現代においては子供たちの置かれている環境や交友関係などで将来の子供たちの価値観が決まってしまう事もある。

 特に、特定の事柄に対する価値観は幼少期から教えていかな

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ③

 その結果、先生はカリキュラムに基づいて授業を進めているだけなのだが、親御さんから見ると“先生が子供をいじめているのではないか?”という子供を守りたいという親心から感じた視点も十分に考えられる。

 今は多様性を重視しているため、どのような状況になっても本人を尊重する事が増えているが、人によっては“そういう人がいるから私たちのイメージが変わってしまう”や“あなたのせいでクラス成績のイメージが悪くな

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ②

 ではなぜ、このように社会的価値観が大きく変化し始めているのか?

 その理由として、第1に親世代(20代から40代前後)の受けてきた教育や親から子に教えられた教養に基づいて、自分の子供たちに教えている事が考えられる。

 例えば、“学校でいじめを受けたときには必ず先生に言うこと”や“嫌な事をされたときは嫌といいなさい”など自分がされている事に対して自分が嫌だと思ったときは迷わずに先生などに相談す

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なぜ悲劇は繰り返されるのか?~他責思考が創る未来~ 第12章:教育環境の変化 ①

現在の日本において最も難しいとされているのが“教育現場における有事対応の際の指導法”だ。

現在は教師など教える立場の人と、児童・生徒の立場が逆転していることもあり、仮に教師などの教える人の立場が上であったとしても、実情把握をする際には児童・生徒や保護者のほうの意見を重視される事も多いため、事実無根の可能性やえん罪などが増えていく可能性もある。

 これらの代表例として“学校”や“園”などの教育機

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ⑧

 そして、現在は以前のように“この年齢でこういうことが起こる可能性がある”という想定されている判断基準が外れることも多くなっているため、臨機応変な対応と柔軟な考え方が求められる事になるのだが、個人差を考慮しながらの指導になるため、なかなか子供たちが見ている部分と大人が見ている部分のズレが深刻化していってしまう可能性も想定しながら子供たちとコミュニケーションを取っていかないといけない。

 しかしな

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ⑦

なぜ、人は自分で責任を負うのではなく、人に責任を押しつけるのだろうか?

 考えられる要因として第1に“連鎖的個別基準習得”が挙げられる。

 これは大人から子供が言葉や行動を教えてもらい、それを真似することで使えるようになるという“行動心理学”と同じ原理だが、違うのは親の価値観を最初に覚えることで知っていることと親以外の大人から新たに知る事がお互いに合わさって徐々に価値観を形成し、1つの答えを導

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ⑥

 私はこの現状を打破するためには“個別労働の尊重”と“最低限度の多角的な相互支援”など周囲からその人達にアプローチしていかないといけないと思う。

 例えば、ベーシックインカムの導入を検討するという話をしているが、それだけでは貧富の格差が更に広がっていくように感じる。私はこういう事態を招くことで“自分の税金をそういう人たちに使うな!”と反発の声が上がるだけではなく、“そういう人は実力でお金を稼ぐべ

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ⑤

 現在は学校などでもICT教育のスタートに伴い、タブレット端末などを利用しているが、こういう端末でも気を付けなくてはいけないと思う。

 なぜなら、少し前に東京で起きたいじめ事件もそうだが、子供たちが簡単にやりとり出来てしまう上にいじめの温床になる可能性もあるため、知らない間にいじめがエスカレートしている事もあり得るのだ。

 そして、現在はタブレットだけではなく、スマホを持っている子供も増えてき

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ③-1

後者はどちらかというと“周囲のイメージ”など自分の個人評価を気にする傾向や“誰に対しても分け隔てなく接することが出来る”という自分の長所として認めてもらいたいと思う事も影響しているだろう。

 特に受験になると受験生本人の人間性がその学校の目指す生徒像に当てはまるかも重視される項目になるため、周囲のイメージが悪くなってしまうと受験に不利に働くこともある。そして、今はSNSなど個人で発信できるツール

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ③

 なぜなら、以前にも書いたが、近年は文部科学省管轄外の教育における家庭教育観や通園している園の基本方針や目指す人物像、各園における園児指導の基本カリキュラムなど学習面における学習レベルの違いおよび多様化が顕著になり、自由教育が認められ始めている傾向がある。そのため、ある園ではアスリート養成を含めた運動に特化した教育、英語に特化した教育、協調性を育む教育など複数のカリキュラムを用意し、段階を踏んで指

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なぜ悲劇は繰り返されるのか? 第11章:他責習慣化が生む悲劇 ②

 しかも、日本の場合はこども園などの未就学教育の段階で指導方針の一本化を進めていないため、小学校に入学したときにそれぞれの出身カラーが色濃くなってしまい、全体の意思疎通がある程度出来るようになるまで時間が掛かってしまうのだ。

 もちろん、こども園などは文部科学省の管轄ではなく厚生労働省の管轄のため、教育内容に対して拘束はない。しかし、小学校以降は文部科学省の管轄となるため、ある程度のカリキュラム

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