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「本当の人生を生きるための論語」を視聴したあとに、中島岳志『秋葉原事件 加藤智大の軌跡』を読んで思ったこと
先日、マガジンを共同で運営している長崎大学の技術員の野口大介さんからYoutube番組の一月万冊から発売されている有料動画「本当の人生を生きるための論語」を勧められ、購入代金を振り込んでもらったので、視聴した(以下、論語動画と省略する)。
内容は、東大教授で経済学者の安冨歩氏が番組ホストの清水有高氏と対談する内容で、全部で10時間ほどである。
主題は、タイトルの通り、中国の古典の論語である
索引集:安冨歩先生著作への言及や書評
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ところで、いま公開している本マガジンのnote記事では、吉成さんと私が安冨先生関連の本を読んだ書評を紹介するかたちで構成されておりますが、ネット上にはほかにもたくさんの方々の書評があります。ただ、現状では、それらを参照するには一つ
資料:安冨歩先生の書籍をまとめました
(3/16 追記) 安冨歩先生の以下のブログ
のトップページからリンクはされていませんので見つけるのが困難ですが、ライブラリ(https://anmintei.net/library)からリンクされたこちらの記事(https://anmintei.net/book)に、安冨歩先生の書籍がまとめられています。著書が22冊、共著・共編著が7冊、翻訳、その他 関連書籍が5冊となっています。
(参考)
第12章 『老子の教え』の書評へコメント
安冨歩『老子の教え あるがままに生きる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
ご感想を興味深く拝見し、ここ数日、「道」について、考えていました。「道」は言葉にして表すのが難しい概念です。「道」は「存在(Being)」であるという視点が、安冨先生の『老子』解釈の上で一貫した考え方であるということになります。宇宙が誕生する前は「無」でしたから、「存在」と
第12章 『老子の教え』
『老子の教え』の書評文
私は該当書籍と『超訳論語』のエッセンシャル版を読み、安富さんが東大で『論語』と『老子』をもとに講義を行った動画を視聴しました。
安富さんが『老子』と『孔子』の間で連続していると考えている概念は「道」(Tao)と述べています。
実は、「道」と云う概念は『論語』と『老子』に限らず、中国の思想の根幹を支える概念でもあります。
安富さんは、『論語』と『老子』に注目さ
第11章 『「れいわ一揆 製作ノート」の書評』へのコメント
原一男+風狂映画舎(編著)『れいわ一揆 制作ノート』(恒星社)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
三原じゅん子さんについて語られた「ファイヤーラジオ」を視聴しました。確かに、三原さんに関し、知らないことばかりであったとわかりました。以前の一月万冊で、NTT接待問題と自民党総裁選の時期に(三原さんと同じ自民党議員の)高市早苗さんが取りあげられ、そのウルトラ右翼ぶりが強く印象に残っていた
第11章 『れいわ一揆 製作ノート』
『れいわ一揆 制作ノート』(皓星社、2020)の書評文
該当書籍は、単に安冨歩さんやれいわ新選組の本とは云えない内容となっています。映画「れいわ一揆」もそうなのですが、非常に入り組んだ構造となっています。本書の前半の頁は、山本太郎さんを除く2019年の参院選に立候補した人たちの生インタビューが掲載されています。読んでいて気づくのは、一人ひとり背負っている背景がまったく異なると云うことです。当然
第10章『「経済学の船出」の書評』へのコメント
安冨歩『経済学の船出——創発の海へ』(一月万冊)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
『専門分野を持たないで研究する方法』という、2006年公刊の安冨先生の論文があります。
この中に、
とあります。斬新かつ興味深いです。なるほど、一月万冊による『複雑さを生きる』や、『経済学の船出』の復刊は、そういう考えに基づく「プロジェクト」であったか、と思い至りました。
本書『経済学の船出
第10章 『経済学の船出』
『経済学の船出』(一月万冊、2021)の書評文
該当書籍は私が今まで読んだ安冨さんの著作の中で一番、内容が入り組んでいました。他の著作も十分濃く、一章だけで一冊の本が書けるのは相変わらずなのですが、該当書籍はそれが一段と強いと云えます。分量が他の著作と比べて圧倒的に多いので無理もないのですが。一月万冊が特典動画をつけた理由がわかります。該当書籍の実践版が『生きる技法』と『あなたが生きづらいのは
第9章『生きるための日本史』の書評へのコメント
安冨歩『生きるための日本史:あなたを苦しめる〈立場〉主義の正体』(青灯社)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
安冨先生の『生きるための日本史』から、荘子や本居宣長、あるいは映画等のいろいろな話題につながるとは、私の想像を超えられておいでのものです。安冨先生の本がそうした性格を帯びているからでしょうか・・・。
本書の特徴の一つは、著者本人である安冨先生と、何人かの対話相手の方との
第9章 『生きるための日本史』
『生きるための日本史』(青灯社、2021)の書評文
同書は、安冨さんの集大成であり、同時に思想のエッセンスを詰め込んだ内容となっています。ただ、であるからこそ、中身が詰まっているとも云えます。
同書を理解する上で、参考になるのは「否定神学」だと思います。
「否定神学」とは、古代キリスト教の神学の一つであり、もっとも古いタイプの神学的思考とも云えます。
どう云う論理の構造をしているかと云い
第8章『「言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』書評へのコメント
楊逸・劉燕子『「言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』(ビジネス社)に対する吉成学人さんの書評へのコメントです。
中国と日本とは、実はそっくり
『「言葉が殺される国」で起きている残酷な真実』には、中国本土で文革時に生まれ育った2人の著者である楊逸さん、劉燕子さんによる生の経験に基づいて、文学という観点から、中国共産党による大陸支配の残酷さが対談で記述されております。安冨先生は、その書評を、