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ポエム

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ポエム。
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[ポエム] 交際

[ポエム] 交際

感謝というものを。

それを分かち持っていた頃。

僕は幸せだった。

だってあんなにも。

好いていたのだから。

気持ちが高揚して。

ついでに。

自分をも好きだったのだから。

[ありがとう]と。

お互いに言い合えたのは。

好いていたから。

自分のことを忘れるくらいに。

好いていたから。

[胡散臭さい]だなんて。

不届きなことはよしてください。

違うのです、落ち着いてください

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[ポエム] 娯楽

[ポエム] 娯楽

僕にとって時間とは。

僕の状態のことである。

自分の存在自体。

それ自体を具現化しているだけ。

でもそれは決して。

その状態に性質を付与できない。

だから僕は。

楽しめないでいる。

人間は実のところ。

笑うから笑うのだ。

笑う準備。

それができているから笑えるのだ。

故に人間は。

笑わなくてはいけない。

娯楽とは本当のところ。

楽しむものである。

まあつまりは。

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[ポエム] この世

[ポエム] この世

この世は構成されている。

まさしく認識によって。

生命が物体が。

彼らが万物を認識するから。

それが原因で。

世界は成立している。

そして、万象とはまさしく。

経験的認識の所産である。

人間の悟性が。

それがおおよそ認識しうるものは。

もちろん皆存在している。

それは確かなことである。

がしかし。

経験的悟性が。

それが認識しうるものとは。

実のところ。

悟性の限界

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[ポエム] 因果律

[ポエム] 因果律

不意にやってきたようなもの。

どこからともなく。

そうしてそうかと思えば。

すぐに懐に。

強引に入られ。

権勢をもって。

取り押さえられる。

気づかぬ内に我々は。

屈服する傾向にある。

現世ではこんなことが。

このような数奇なことが。

度重なっているようだ。

なるほど人間は。

運命への従者なのだ。

人間は度々。

どうしようもない勢力に。

襲われ苦慮する生き物だ。

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[ポエム] 人間一般

[ポエム] 人間一般

本意を探れば人は。

ひがむ。

気にすれば人は。

悲嘆する。

不信に思えば人は。

因縁をつける。

誇大妄想の末に人は。

その妄想に気付けない。

そうしていつしか。

知らぬ間に途端に。

見失ってしまう。

困惑して困惑して。

最後には。

何も分からなくなる。

いや正確には。

分かった気を装って。

そうしてそれから。

妄想と普遍性の間を。

往来する。

そしてやはり結局

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[ポエム] 暇乞い

[ポエム] 暇乞い

消え行くものは消えうるのか。

実体として。

存在そのものとして。

儚く朽ちたり。

すなわち、段階というものが。

かようなそれがあるような。

そのような動的存在なのだろうか。

そのような可変的存在なのだろうか。

観念性と実存性について。

それを己に問うたとき。

主観視は実体を。

客観視は実存を創造する。

かように僕は答える。

手法が違う故に異なってしまう。

人間は認識でき

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[ポエム] 気違い

[ポエム] 気違い

発狂して。

暴れて。

極端に暴虐で。

言葉も拙い。

なりふり構わず。

下劣で浅慮で。

自己に思うところが多くある。

取り付く島は自己の内に内在している。

そして最終的には。

問うたことは皆。

彼の中へ浸透していく。

かかる者のことを。

このようなナルシストのことを。

僕は気違いだと考えている。

無遠慮ということ。

それはまさしく。

人間存在としては異端である。

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[ポエム] 男女

[ポエム] 男女

男は女に問うた。

女も男に問うた。

そうしてお互い高じた。

それはとっさのことだった。

そして実際。

男も女も。

主観的であった。

双方の事情。

それにひどく。

観念が牽曳(けんえい)されたのだ。

相手が何を問うたか。

それがたちまち。

主観的事実へ変遷してしまう。

相手を看破した気に。

そういった気になる。

そうして煎じ詰めて。

歯がゆくなる。

鬱積して困ずる。

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[抒情詩] 季節

[抒情詩] 季節

一年の内で人間は。

見慣れた異なる景色を。

四度見ることができる。

それを四度見れるのだ。

移り行くものは必ず。

変わらなぬ何かを包含している。

それは四季から明らかである。

おおよそ感じ取れるものは。

それとは実のところ。

変わらぬものである。

いやそれだけではないが。

がしかし人間は。

変わらぬものを。

それを感じ取れるから。

それだから認識できるのだ。

流動物を

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[ポエム] 姦淫(かんいん)

[ポエム] 姦淫(かんいん)

高校生の彼は彼女を裏切った。

残酷にも。

顧みることなく切り捨てた。

淫猥(いんわい)に彼女を。

乱暴に彼女を犯しておいて。

放擲(ほうてき)して去ってしまった。

そうして現在は他ともつれている。

うわさでは。

彼と彼女はもう一生。

会うことがなかったらしい。

そしてその後は二人とも。

実に幸せであったらしい。

男の幸福は。

客観におけるそれであった。

女の幸福は。

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[ポエム] 麗しい人。

[ポエム] 麗しい人。

ある女の淫らな。

淫らなそれを見た時僕はたちまち。

亡者となってしまった。

たちまち放心してしまった。

夢中になった。

放漫になった。

満たされた。

動きたくなった。

でも。

考えることはできなかった。

麗しいということ。

それは実のところ。

「感心」に過ぎない。

まあ、僕はそう思っている。

大好きな彼女の麗しさが。

もしもそれが。

その対象が胸だったとしたら。

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[ポエム] 可愛い人。

[ポエム] 可愛い人。

愛してしまった。

彼女を。

どうしようもなく。

荒唐無稽(こうとうむけい)に。

脇目も振らず。

無闇に好きになってしまった。

好きなのだ。

仕様がない。

どうしても。

愛撫(あいぶ)してやりたい。

しかし。

彼女を殴ってやりたくなった。

それはどうにも。

抑えられない欲望のようであった。

いや違う。

それは嫉妬や八つ当たりではない。

否、そうでないはずだ。

僕は知

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「ポエム」 愚者

「ポエム」 愚者

問題は問題であり続けることができる。

疑問のまま保管され続ける。

知りたいと思い続けたまま放置される。

ややもするとその場合がある。

徐々に徐々に影を潜める。

そうしていつしか。

泡沫(うたかた)に消えてしまう。

[分からないことが正解である]と。

そう堪忍したからである。

それは解こうとしないからではない。

いやむしろ解きたい。

解けないからでもない。

無理だからではない

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「ポエム」 探求

「ポエム」 探求

時々疑問に思うのだが。

どうして僕は幸福になれないのか。

何時まで経っても。

どうして掴めぬものは掴めないのか。

それは、掴めないから掴めぬままなのか。

掴めていないものは本当に掴めていないのか。

思うに、求めていないわけではない。

掴もうとしていないわけではない。

いや、そのはずだ。

幸福への関心。

そもそものそれが僕の中に。

僕の恒久的探求の中に。

それは果たして本当に

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