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#小説
私の人生、猫が足りないと気づいた夜だった。
昨日わたしには何が足りなかったのか。
心地いい風が窓からは吹いていて。
あの夏特有の街に漂う潮の香りも
しなくて、お隣りのお庭に咲いている
金木犀の香りが部屋のなかに漂っていた。
あんなに暑かった夏を生き抜いたじゃ
ないかって思いながらも。
達成感のようなものにあぶれている
気がしていて。
久しぶりにイライラしていた。
わたしはリアルでも怒らない方のように
お見受けしますって
【nekogatary.】企画・物語まとめ
こちらの記事はmonogatary.comで行われているコンテスト「モノコン2021・チーム戦」に応募している作品のまとめページとなっています。
物語を順に記載し、読みやすくなっていますのでよろしければご活用ください。
【企画書】
【紹介動画】
【ネコモノガタリ(1)】
【猫はバズる:蜂賀 三月】
【ネコモノガタリ(2)】
【未来のために:いまい まり】
【ネコモノガタリ(3)
【小説】踏み出したら「おはよう。」が聴こえる
「待って! 行かないで!」
あの日、そう言っていたら、あなたは今も私の隣にいてくれたのかな?
この桜の花びらが舞う駅までの道を、今も一緒に歩いていられたのかな?
毎朝、同じ時間で目が覚める。
無意識に手を伸ばしたテレビのリモコンは、なんのためらいもなく同じボタンを押した。聴こえてくるテーマソングも、聞こえてくる元気な声も、何も変わらない毎日の始まりを知らせてくれる。
涙で目覚める毎
小説|ふたばのクローバー
二本のクローバーに、子どもが生まれました。お母さんクローバーも、お父さんクローバーも、この子を必ず幸せにすると誓います。子どものクローバーには、他のクローバーとは違って、葉が二枚しかありませんでした。
子どものクローバーは、何度も他のクローバーからいじめられました。二枚しか葉っぱがないからです。子どものクローバーは傷つき、悲しみました。「お母さんとお父さんは三つ葉なのに、どうして私だけ双葉な
夢見る猫は、しっぽで笑う。(承)
この作品は、
イシノアサミさん(絵)
闇夜のカラスさん(小説)
拝啓あんこぼーろ(小説)
3人で創り出しているお話です。
第1話 起 はこちら↓
第2話 承
「ねぇねぇ、ねぇ、どこまで歩くの?」
「ったくもう、アンタねぇ、なんでもかんでも人任せじゃなくて自分で考えるってことができないわけ?」
「え、でもだってドリちゃん導き手だってさっき言ったじゃん。」
「だからって、ここのこと全部知っ
夢見る猫は、しっぽで笑う。(結・前篇)
ドラゴンは、ばさりばさりと羽を鳴らし、城の前に降り立った。城の石の扉は、冷たくて重そうで、電柱ぐらい高い。私とドリちゃんは、ドラゴンの背の上から、扉を見上げる。
ドラゴンは、背中の私達をちらりと見てから、顎を地面につけて、私達が降りやすいように階段みたいにしてくれた。私達が降りると、ぶりゅるると鼻息を吐く。ドリちゃんが、よおしよしよしよしよしよしって、喉のところを掻いてあげると、くしゃみをしそう
夢見る猫は、しっぽで笑う。(結・後篇)
この作品は、
絵 イシノアサミ
文 闇夜のカラス
文 あんこぼーろ
3人で作る作品の、完結篇です。
前のお話はこちらから。
「そんなことよりさぁ、菜花との同期率かなり下がってるみたいだけど大丈夫?ドリちゃん。」
私も、ドリちゃんも息をのんだ。
黒髪のその女の子は、私の顔で、私の声だったから。
「え…あの子って…私??」
私がドリちゃんに訊くと、ドリちゃんは頷いて話しだした。
「なるほど。さ