記事一覧
【作家名鑑#1】たった三作で、ごく普通の専業主婦からカリスマ的作家に。
1.はじめに今回紹介するのは、「グレイス・ペイリー」。
言わずと知れた、戦後のアメリカのカリスマ的女流作家だ。
また、二児の母であり、教師でもあり、政治活動家でもある。
まさに4足の草鞋を履く作家だ。
そんな彼女の人生遍歴と作品に関して、今回は紹介していく。
2.主な著作上記の三作は全て短編小説集であるが、彼女はこの三作しか世に出していない。
長編小説は一作も書いておらず、非常に寡作な稀有な
【読書感想#32】ハードボイルド・ワンダーランドってなに……?
1.概要作品名:世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
著者:村上春樹
刊行年:1985年
発行所:新潮文庫
頁数:(上)480頁、(下)416頁
ジャンル:フィクション、冒険
2.あらすじ3.評価4.0/5
4.感想「題名なげぇ……」
これが本作に対する私の第一印象です。
「ハードボイルド•ワンダーランドってなに……」
これが本作に対する私の第二印象です。
読み始めるまでほんとに
【読書感想#31】誰もが知る名作中の名作。読書家の必読書。
1.概要作品名:日の名残り
著者名:カズオ・イシグロ
刊行年:1989年
発行所:早川書房
頁数:365頁
ジャンル:恋愛、歴史
2.あらすじ3.評価5.0/5
4.感想さすが、ブッカー賞
読み終わった後、真っ先にそう思いました。
物語としての完成度の高さはもちろん、感動できるポイントがあり、登場人物にもそれぞれの魅力がある。
上から目線のようで申し訳ないですが、文句のつけようがない作品でし
【読書感想#29】フーガはユーガ/伊坂幸太郎(2018)【ネタバレなし】
【概要】作品名:ふーがはゆーが
著者:いさかこうたろう
発行所:実業之日本社
発行年:2018年(文庫本:2021年)
頁数:284頁(文庫本:352頁)
ジャンル:家族、感動、ミステリ、フィクション
【あらすじ】常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。
双子の弟・風我のこと、幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの、誕生日にだけ起きる不思議な現象、「アレ」のこと――。
【読書感想#28】スプートニクの恋人/村上春樹(2001)【ネタバレなし】
【概要】作品名:すぷーとにくのこいびと
著者:むらかみはるき
発行所:講談社
発行年:2001年
頁数:328頁
ジャンル:恋愛
【あらすじ】22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。―そんなとても奇妙な、この世のものとは
【読書感想#27】52ヘルツのクジラたち/町田そのこ(2020)【ネタバレなし】
【概要】作品名:52へるつのくじらたち
著者:まちだそのこ
発行所:中央公論新社
発行年:2020年4月
頁数:260頁
ジャンル:感動、家族
【あらすじ】52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐
【読書感想#26】王とサーカス/米澤穂信(2015)【ネタバレなし】
【概要】作品名:おうとさーかす
著者:よねざわほのぶ
発行所:東京創元社
発行年:2015年(文庫本:2018年)
頁数:472頁
ジャンル:ミステリ、サスペンス、社会派、長編
【あらすじ】海外旅行特集の仕事を受け、太刀洗万智はネパールに向かった。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王殺害事件が勃発する。太刀洗は早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑
【読書感想#25】夜明けの縁をさ迷う人々/小川洋子(2007)【ネタバレなし】
【概要】作品名:よあけのふちをさまようひとびと
著者:おがわようこ
発行所:KADOKAWA
発行年:2007年
頁数:201頁
ジャンル:短編集
【あらすじ】世界の片隅でひっそりと生きる、どこか風変わりな人々。河川敷で逆立ちの練習をする曲芸師、教授宅の留守を預かる賄い婦、エレベーターで生まれたE.B.、放浪の涙売り、能弁で官能的な足裏をもつ老嬢…。彼らの哀しくも愛おしい人生の一コマを手のひらで
【読書感想#24】同志少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬(2021)【ネタバレなし】
【概要】作品名:どうししょうじょよ、てきをうて
著者:あいさかとうま
発行所:早川書房
発行年:2021年
頁数:496頁(単行本)
ジャンル:戦争、冒険、時代
【あらすじ】独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イ