【詩】考えすぎると
頭の中で虫が蠢くように思考が動き回る。
今を原点として、過去を回顧したり、未来を想像したり、あるいはそこにある共通点を探し、確かな道を見つけようとする。
正面から見てもどうしようもないときは横から見たり、上から見たり、あるいは斜めから見たりする。
それでも出口が見つからないとき、僕は頭を振り、白紙に戻そうとする。
しかし、それは止まらない。
ドミノが倒れていくように、「考える」という動作は動くことをやめない。
そして、それはやがて渦となり、下へ下へと深化していく。
為す術もない僕は、流れに身を任せ、どんどん吸い込まれていく。
目を覚ますと、そこは真っ暗だった。
見渡す限りの闇。上も下も右も左も闇。
立っているのか、浮かんでいるのかすら分からない。
一歩踏み出そうとしても、足が言うことを聞かない。
僕は黒い牢獄に囚われてしまった。
ここからは出られそうにもない。
僕はとうとう諦めて、目を閉じた。
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