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【読書感想#31】誰もが知る名作中の名作。読書家の必読書。

1.概要

作品名:日の名残り
著者名:カズオ・イシグロ
刊行年:1989年
発行所:早川書房
頁数:365頁
ジャンル:恋愛、歴史

2.あらすじ

品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。

3.評価

5.0/5

4.感想

さすが、ブッカー賞

読み終わった後、真っ先にそう思いました。
物語としての完成度の高さはもちろん、感動できるポイントがあり、登場人物にもそれぞれの魅力がある。
上から目線のようで申し訳ないですが、文句のつけようがない作品でした。

カズオ・イシグロさんの作品は一般的に海外小説のジャンルに含まれますが、日本出身ということもあって他の海外小説と比べて読みやすいなと感じました。
読みやすい理由を上手く言語化することはできませんが、直感的にそう思いました。
その点でも、本作はとてもおすすめです。

本作は、イギリスの古き良き執事であるスティーブンスが休みをとって旅に立ち、様々な土地や人々と出会いながら過去を回想するという体で物語が進んでいきます。
物語の7割くらいが過去の回想ですが、それがうまく現実とリンクしているので、飽きたり疲れたりせずに読めるので、その点でも筆者の技量を感じました。

物語の終盤は本当に感動しました。
海外小説を読んで泣きそうになったことはほとんどありませんが、本作だけは例外です。
題名にもある通り、まさに日の名残りのような儚くも美しい物語でした。

ぜひみなさんも読んでみてはいかがでしょうか。

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