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おすすめの本一覧

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「誰かにおすすめしたい!」と思った本をまとめています。ジャンル不問。
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#読書感想文

著…mipig 監修…田向健一『#大好きマイクロブタさん』

著…mipig 監修…田向健一『#大好きマイクロブタさん』

 ちっちゃなちっちゃなブタさんたちの魅力を詰め込んだ本。

 ピンク色でぷにぷにしているお鼻。

 笑っているように見えるお顔。

 モチモチしたお腹。

 どの写真もとってもキュートで、写真を眺めているだけでも凄く癒されます。

 また、この本には、

 ●マイクロブタの歴史
 ●平均寿命
 ●飼育を避けるべき住環境の例
 ●家族になるための心構え
 ●日々のお世話の仕方
 ●病気の例

 とい

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著…草刈民代『バレエ漬け』

著…草刈民代『バレエ漬け』

 バレエが全てで当たり前という生活を送ってきた。

 だから、「なぜバレエを始めたのか」と質問されても答えられなかった。

 踊りたいという衝動。

 それは、本能のようなものではないだろうか。

 という文が印象的なエッセイ。

 もっともっと踊りたい。

 もっと上手くなりたい。

 稽古をしていてもエネルギーを持て余して、踊りに対する欲求をどこにぶつけて良いか分からない…。

 それくらいエ

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著…エーリッヒ・フロム 訳…鈴木晶『愛するということ』

著…エーリッヒ・フロム 訳…鈴木晶『愛するということ』

 誰もがこう考えがちだと思います。

 「愛することよりも愛されることの方が難しい」と。

 しかし、この本では、そもそも「愛」とは何か? を論じることを通して、真に愛することの難しさや素晴らしさに気づかせてくれます。

 子どもであるというだけで大人から無条件に愛された幼少期。
 (出来れば全ての子どもがそうであって欲しいですね…)

 それを経て成長し、様々な人と接する中で、時には自分に対して

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著…吉岡乾 イラスト…西淑『なくなりそうな世界のことば』

著…吉岡乾 イラスト…西淑『なくなりそうな世界のことば』

 世界のポピュラーな言語は、たとえば英語、中国語、スペイン語ですよね。

 他に、ヒンディー語、アラビア語、フランス語といったものもありますよね。

 こうした言葉を自分自身は話せなくても、なんとなく「ああいう言語だな」とイメージが湧くと思います。

 では、「ブリヤート語」「トゥバ語」「ラマホロット語」と聞いたら、パッとイメージが湧きますか?

 残念ながら、わたしは湧きませんでした。

 こう

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著…長田弘『誰も気づかなかった』

著…長田弘『誰も気づかなかった』

 飾らない言葉でありながらも、心を打つ詩集。

 まるで清らかな水の流れのよう。

 わたしが特に好きなのは、

 という詩。

 詩というものは考えるものではなく感じるものであるとわたしは思いますが、この詩にはまいりました…。

 うまく言えないのですが、日々あくせく働いていて大事なことを見失ってばかりの己の足を立ち止まらせてくれるような、そんなメッセージが伝わってきたように思います。

 普段

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著…上島光『竜ちゃんのばかやろう』

著…上島光『竜ちゃんのばかやろう』

 ついさっきまでそばにいた大切な人が、いなくなる。

 しかも自死によって。

 これは、遺族の慟哭を綴った本です。

 なお、著者は上島竜兵さんの奥様。

 この本には、お二人の出会いから別れまでが書かれています。

 それにしても、なんて悲しいタイトルなのでしょうか…。

 本心では「大好き」と言いたくても、「ばかやろう」と泣かざるを得ない状況になってしまったなんて…。

 という文からも、途

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著…エレーヌ・ドゥルヴェール、ジャン=クロード・ドゥルヴェール 監訳…奈良信雄『世界で一番美しい切り絵人体図鑑』

著…エレーヌ・ドゥルヴェール、ジャン=クロード・ドゥルヴェール 監訳…奈良信雄『世界で一番美しい切り絵人体図鑑』

 そーっと、そーっと…、1枚1枚丁寧にページを捲るのがおすすめの、とても繊細で美しい図鑑。

 この本を読むと、切り絵部分をつい指でなぞりたくなります。

 人の体のつくりの細かさを、こうして触りながら確かめられるというのは、新鮮な面白みがありますね。

 それにしても、すごく不思議。

 たとえば受精卵時代に「よし! 自分はこういう姿を目指すぞ! まずは胎児になるんだ!」と綿密な計画を立てたわけ

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著…田口二州『日本で一番わかりやすい 九星方位気学の本』

著…田口二州『日本で一番わかりやすい 九星方位気学の本』

 悪いことが起こりそうな方位を避けて、良いことが起こりそうな方位に行く。

 ざっくり説明するならば、それが著者の提唱する九星方位気学です。

 「日本人に生まれたからには、やはり方位に詳しくなりたい」と思って、わたしはこの本を読んでみました。

 ●九星、本命、月命、五行、相生、相剋といった考え方

 ●年盤表、月盤表、日盤表、刻盤表の見方

 ●吉方位や凶方位の割り出し方

 といったことを丁

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著…荒木経惟『天才アラーキーの眼を磨け』

著…荒木経惟『天才アラーキーの眼を磨け』

 なぜ、同じ場所で同じものを撮っても、人それぞれ全く違う雰囲気の写真が出来上がるのか?

 「ただ撮っただけの写真」と「物語をも想像させる写真」は、何が違うのか?

 その謎を、この本が解き明かしてくれました。

 それは、写真は「モノ」ではなくて「コト」を撮るものだから。

 カメラは体と繋がります。

 人はカメラを通して「モノ」ではなくて「コト」を見ます。

 シャッターを切る時、全身が眼に

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著…金蓮花『水の都の物語』

著…金蓮花『水の都の物語』

 題の美しさに惹かれて、図書館の本棚に手を伸ばした。

 それがわたしと『水の都の物語』との出逢いでした。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 ファロン。

 それは水の都の名前。

 けれど、この都には雨が降らなくなってしまいました。

 「水の巫女姫」が何者かに殺されてしまったから。

 新たな巫女姫となるため、サヒャンとリラン、二人の女の子が舞い比べ

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著…朝田隆『現役の認知症専門医が答える そもそも認知症って何ですか?』

著…朝田隆『現役の認知症専門医が答える そもそも認知症って何ですか?』

 「認知症」という名前を聞いたことはあるけれど詳しいことは知らない…という方の素朴な疑問に認知症専門医が答える本。

 対話形式なので読みやすいです。

 専門用語も出てきますが、出来るだけ易しい表現が使われています。

 ●血管性認知症、アルツハイマー型認知症、前頭側頭葉変性症、レビー小体型認知症の違い

 ●認知症がある方と接する時のコツ

 ●在宅で使える介護サービスや、入所施設の種類

 

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著…ドナルド・J・ラロッカ 訳…瀧下哉代『世界の美しい甲冑図鑑』

著…ドナルド・J・ラロッカ 訳…瀧下哉代『世界の美しい甲冑図鑑』

 わたしは戦争は大嫌い。

 けれど甲冑は大好き。

 これはそんなわたしにどストライクな本です。

 騎士や兵士が着用した西洋の甲冑のフルカラー写真をはじめ、甲冑に関する資料もふんだんに紹介されている贅沢な一冊。

 どの甲冑も、時代や国ごとの特徴が表れていて興味深いです。

 シンプルなものから、優美な模様が刻まれたものもあって、思わず見惚れてしまいます。

 なんて精巧なつくり。

 わたし

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著…太宰治 絵…すり餌『猿ヶ島』

著…太宰治 絵…すり餌『猿ヶ島』

 自分がどこで誰と生き、そして死ぬか。

 それを決めるのは自分自身だ。

 というメッセージ性を感じさせる小説。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 深い霧に包まれて、今が昼なのか夜なのか判然としない。

 木はあるものの、これまで慣れ親しんだ場所とは何かが違う。

 何がどうとは言えないけれど、明らかにおかしい。

 そんな島に、この小説の主人公は辿り

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著…谷崎潤一郎 絵…夜汽車『二人の稚児』

著…谷崎潤一郎 絵…夜汽車『二人の稚児』

 女性という生き物の多面性や、同じように育った人間だとしても考え方が異なるということを描いた小説。

 そして、ダメと言われれば言われるほど気になってしまう人間のサガも表現されています。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 この小説の主人公は二人います。

 千手丸と瑠璃光丸です。

 二人は幼い頃に女人禁制の比叡の山に預けられました。

 いずれも、俗世

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