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著…山本幸久『花屋さんが言うことには』

 疲れた心を優しく包みこんでくれる小説。

 読むと、自然と前向きな気持ちになれます。

 続きを予感させるラストも好き。

 主人公は、ブラック企業を辞めてお花屋さんでアルバイトを始めたばかりの女性。

 お客様たちとの交流や、お花に癒されながら、少しずつ心のリハビリをしていく描写が素敵です。

 また、作中には花にまつわる俳句、和歌、そして花言葉も頻繁に登場。

 ゆったりと幸せな気分になれる世界観なので、ついお花屋さんに立ち寄りたくなります。

 特に、

 花のむこうにだれかがいた

(著…山本幸久『花屋さんが言うことには』単行本版P42から引用)


 という言葉が印象的です。

 お花を贈ることも、お花を贈られることも、どちらも「誰か」を必要としますものね。

 そのシチュエーションによっては、お互いがどんな表情をしているかは分かりませんが…。

 願わくば、どうかそこに優しい眼差しがありますように…。

 また、この小説には様々な花のエピソードが出てきますが、わたしは特にひまわりのエピソードが好きです。

 わたしもいつか、3本のひまわりを贈り合える相手と巡り会えたらいいな。



 〈こういう方におすすめ〉
 心が疲れていて、癒しを求めている方。
 お花が好きな方。

 〈読書所要時間の目安〉
 3時間くらい。

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