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おすすめの本一覧

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「誰かにおすすめしたい!」と思った本をまとめています。ジャンル不問。
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著…鍵井靖章『夢色の海』

著…鍵井靖章『夢色の海』

 まるで御伽話の世界のような写真集。

 癒しを求める方におすすめです。

 優しい陽の光に照らされて、透き通った海の中。

 そこに棲む、まるで色とりどりのキャンディーのように可愛らしい海の生き物たち…。

 この写真集を眺めていると、自分もみんなの仲間になってこの海で泳いでいるかのような気分に浸れます。

 心地よい波に揺られて、きらきら輝く白い砂に顔を埋めて遊んでいると、仲間たちから「おーい

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文…藤本智士 写真…浅田政志『アルバムのチカラ[増補版]』

文…藤本智士 写真…浅田政志『アルバムのチカラ[増補版]』

 3.11や西日本豪雨といった災害で傷んでしまったアルバムを洗ってくれたボランティアさんたちや、綺麗になったアルバムを見た方たちの反応についてまとめた本。

 写真が持つぬくもりや雄弁さに気づかされます。

 まるでこの本そのものも一冊のアルバムのよう。

 ●写真の裏に番号を振る
 ●泥や汚れを洗い落とす
 ●写真を干す
  ※カビの状況によっては、写真を冷凍してカビの繁殖を遅らせる
 ●写真を

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著…嶽本野ばら『変身』

著…嶽本野ばら『変身』

 カフカの『変身』のオマージュ小説。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 以下はあらすじ。

 この『変身』の主人公は、美しいものに狂おしいほど憧れているにもかかわらず、誰がどう見ても悲劇的なまでに不細工だった青年•星沢皇児(ほしざわこうじ)。

 「だった」という風に過去形なのには理由があります。

 なぜなら、彼はある朝目覚めると、別人というよりもはや

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文…東君平 絵…和歌山静子 『ちびねこミッシェル』

文…東君平 絵…和歌山静子 『ちびねこミッシェル』

 男の子が捨てられた子猫を見つけるところから始まる絵本。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 以下はあらすじ。

 男の子は子猫を家に連れて帰りました。

 すると、お父さんは「もうじき かあさんに あかちゃんが うまれるんだぞ」「すててあったばしょに もどしてきなさい」と叱りました。

 男の子は仕方なく、捨てられていた場所に子猫を戻しに行きました。

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著…エドワード・ブルック=ヒッチング 訳…高作自子『愛書狂の本棚 異能と夢想が生んだ奇書・偽書・稀覯書』

著…エドワード・ブルック=ヒッチング 訳…高作自子『愛書狂の本棚 異能と夢想が生んだ奇書・偽書・稀覯書』

 古今東西の奇々怪々な本や、巷には出回らない珍しい本を紹介している本。

 カラー写真が豊富で、しかも分厚い大型本なので、カタログのような感覚で眺めると楽しいです。

 どれもこれも個性的な本ばかり。

 この本の「暗号の書」、「偽りの書」、「神秘の書」といった章の名前までもが厨二病心をくすぐります。

 まるで本であるかのように見せかけておきながら実は毒薬を納める箱、というドイツの本も興味深いで

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著…桂望実『ボーイズ・ビー』

著…桂望実『ボーイズ・ビー』

 70歳と12歳の友情を描いた小説。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。

 園田栄造は70歳。
 結婚歴はなく、一人暮らし。
 靴をオーダーメイドする職人。
 昔ながらの職人気質。
 はっきり言って口が悪いです。
 自宅からアトリエまでアルファロメオで通い続けていて、ファッションにもかなりのこだわりがあります。
 人との交流を嫌い、お客とも最低限の会話しかせ

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著…長田弘 絵…酒井駒子『小さな本の大きな世界』

著…長田弘 絵…酒井駒子『小さな本の大きな世界』

 詩人の長田弘さんが児童文学の書評をまとめた本。

 きっと、子どもたちが様々なジャンルに興味を持てるように…との願いがあるのでしょう。

 紹介されている本は、子ども向けでありながらも、多岐に渡っています。

 読書によって精神世界が無限に広がっていく感じが伝わってきますね。

 中でもわたしは、

 という考え方に惹かれます。

 これは子どもに限らず、大人が読む本についても言えることですよね

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作・絵…インガ・ムーア 訳…たがきょうこ『ネコがすきな船長のおはなし』

作・絵…インガ・ムーア 訳…たがきょうこ『ネコがすきな船長のおはなし』

 思わぬところに自分の居場所が見つかることもある。

 そう気づかせてくれる絵本です。

 ※注意
 以下の文は、結末までは明かすネタバレを含みます。
 未読の方はご注意ください。

 以下はあらすじです。

 あるところに、一人の船長がいました。

 彼は猫が大好き。

 通称「ネコ船長」。

 ネコ船長は、なんと沢山の猫たちを船に乗せたまま、港から港へと長い航海を続けてきました。

 ネコ船長

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監修…池坊専永 著…杉原青坡『自由花 (これならわかる池坊いけばな)』

監修…池坊専永 著…杉原青坡『自由花 (これならわかる池坊いけばな)』

 池坊の三大スタイル「立華」「生花」「自由花」のうち、自由花を紹介している本。

 自由花はその名の通り自由に生けるスタイル。

 「こう生けなければいけない」というルールがないので、好きなように生けて良いです。

 しかし、自由とはいえ、あくまでもそれは「いけばな」でなくてはいけません。

 汚れたり折れた葉は取り除き、花がいきいきして見えるように花の向きを変えて、花の美しさを引き立たせる必要が

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作…フランク・ボーム 訳…幾島幸子『オズの魔法使い』

作…フランク・ボーム 訳…幾島幸子『オズの魔法使い』

 人生って、何が起こるか分かりませんよね。

 自分がいつ、誰と出会って、お互いの心がどう変化するのか。

 誰にも予想出来ません。

 ふとした出会いによって、様々なことが変わります。

 そしてその沢山の小さなことが、やがて大きな結果を生み出します。

 これは、そう気づかせてくれる児童文学。

 だって、まず、みなしごのドロシーが、おじさん・おばさんと共にカンザスの小さな家で住んでいたかと思

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著…今泉マユ子『災害時に役立つ かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん』

著…今泉マユ子『災害時に役立つ かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん』

 災害時に電気・ガス・水道が止まっても、備蓄食材や防災グッズを活用して、なるべく日常と同じ食事が出来るレシピを紹介している本。

 災害発生後1人分の1週間の献立例が載っています。
 
 火も水も包丁もまな板も使わず、ポリ袋の中で食材を混ぜるだけで簡単調理!

 器にアルミホイルやラップを敷くので、洗い物が出ないのもポイント。

 水道が使える時は水のことを特に意識しませんが、人間は飲料としても生

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編…MdN編集部『世界の幻想的な風景』

編…MdN編集部『世界の幻想的な風景』

 自然がつくり出した模様や色彩のあたたかさ。

 水面に広がる、山や空の雄大さ。

 そして、人の手が生み出した優美な造形…。

 日常生活の喧騒を忘れてうっとりしたい方におすすめの写真集です。

 レトロ風に飾られた題字も素敵。

 青く透き通って光り輝く「ヴァトナヨークトル氷河」。

 魔女がニヤリと笑いながら子どもを手招きしていそうな「ダーク・ヘッジ」。

 RPGのラスボスが棲んでいそうな

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著…永井千晴『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

著…永井千晴『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

 日本人の基本的欲求の一つ(?)である、入浴欲をくすぐる本。

 著者はなんとこれまで国内外の500湯近くに浸かってきたそうです。

 羨ましい〜!

 温泉をこよなく愛す著者の語る、温泉の素晴らしさ、宿を選ぶ時のこだわり、防犯対策、といった内容がどれも具体的でイメージしやすいです。

 また、国内の温泉の特徴も載っていて、それを読むのがとっても楽しい!

 残念ながら、温泉のカラー写真は冒頭のみ

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著…おおたうに『和の色 洒落色』

著…おおたうに『和の色 洒落色』

 ●春夏秋冬に分類した和の色
 ●色にまつわる著者のエピソード
 ●その色を身に纏う女性のイラスト
 ●小物の写真

 といったことが載っている本です。

 どのページを開いても可憐。

 「こういう色の浴衣や着物をお出かけしてみたいな」とワクワクします。

 色そのものの美しさはさることながら、和の色は名前まで洒落ていますよね。

 例えば、赤系の和の色だけとってみても、紅絹色、朱華、深紅など、

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