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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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2024年2月の記事一覧

真を写す、信を発する ~撮影者なりの世界~

真を写す、信を発する ~撮影者なりの世界~

写真の歴史と発信の歴史とを合わせて考える。
これが本記事のテーマです。

この世の中の「風景」「事物」などを
平面に写して残す! 残したい!

そういう欲求は、
人類が進化しつつある太古の昔から
すでに生まれていました。

フランスのラスコーや
スペインのアルタミラという洞窟では、
クロマニョン人が描いた「壁画」が残されています。
人や犬や牛、猪や鹿などが生き生きと描かれ、
この壁画によって、私た

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現実と仮想との行き来でこそ ~シリアスゲーム紹介~

現実と仮想との行き来でこそ ~シリアスゲーム紹介~

武内 伸雄 さんの「シリアスゲーム」のレポートに
刺激を受けて、本記事を書いてみます。

※ぜひ下記のリンクから
武内さんの実際のレポートやnote記事をどうぞ!

現実が過ぎると沸騰し過ぎて、
「火傷」「炎上自爆」する可能性があります。
仮想が過ぎると現実感が無く、
「死蔵」「機会逸失」する可能性が高い。

ならば現実(リアル)と
仮想(フィクション)とを
「ゲーム」という手法で行き来する中で、

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「経営=経験×営繕」と仮定して

「経営=経験×営繕」と仮定して

「経営=経理×営業」が、平成の主流。
ならば令和は
「経営=経験×営繕」だと仮定して
書いてみたのが本記事です。

元々「経営」とは
◆「経」=変わらないもの
◆「営」=変えていくもの
という意味からできた仏教用語。

それがビジネス用語として
「会社を経営する」などのように
使われ始めた経緯があります。
特にバブル崩壊後、
デフレ傾向の平成日本では、
「お金」のことを考えるのが経営だ、と
捉えら

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これからの経営私論 ~あなたの「経」と「営」は何?~

これからの経営私論 ~あなたの「経」と「営」は何?~

「経営」(けいえい)という言葉があります。
「経営」者・会社「経営」・「経営」理念…!
特に、ビジネスにおいてよく使われる。

さて、読者の皆様におかれましては、
「経営」という言葉を
どんなニュアンスで使っていますか?

…確かに、経営にはそんな意味合いが強い。
よく言われるのは、
経営=「経理」と「営業」という捉え方です。

◆経理:お金を扱うこと
◆営業:お金を得ること

経営と「お金」は不

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歴史を漫画する ~わかりやすいがゆえに~

歴史を漫画する ~わかりやすいがゆえに~

「ムロタニツネ象さん」という鬼才がいました。
1934年~2021年。

「学習まんが」シリーズなどで活躍した方です。
学校で学習する内容を漫画にして
わかりやすくする手法がありますよね。
私が「歴史学習漫画」と言われて
すぐに脳裏に思い浮かべるのは、
「ムロタニツネ象さん」作画のものです。
学校の図書館などで目にされた方も
いらっしゃるのではないでしょうか?

特に「天下の統一」「江戸幕府ひらく

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物語ることの取捨選択と演出 ~『ドラえもん』アニメ化を事例に~

物語ることの取捨選択と演出 ~『ドラえもん』アニメ化を事例に~

歴史というものは「物語る」側面があります。

物語には、起承転結やストーリーテリングがある。
物語る人の主観が混じります。
「取捨選択」「演出」があるのです。

本記事では、このあたりのことを書きます。
有名な『ドラえもん』という物語の
アニメ化を事例にとって…。

この漫画ではドラえもんとのび太が
物語の核となるキャラクターですよね。
そこにジャイアン、スネ夫、しずかちゃん
などが絡んでくる。

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50年ごとの世界史 ~近世から現代~

50年ごとの世界史 ~近世から現代~

本記事では50年ごとに「世界史」を
かいつまんで書いてみたい、と思います。
1600年「関ヶ原の戦い」の年から。

※それ以前の世界の各地域の歴史の記事は、
本記事の下部のリンクからぜひ!

では、早速。

◆1600年頃:欧州は戦国時代

ユーラシア大陸の「陸上」においては、
オスマン、サファヴィー、ムガル、
明・清など、巨大な帝国が繁栄していました。
西欧諸国は「海上から」
強い帝国の手が届き

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50年ごとの日本史 ~近世から現代~

50年ごとの日本史 ~近世から現代~

本記事では50年ごとに日本史をかいつまんで
書いてみたい、と思います。

1600年の「関ヶ原の戦い」以降。
あくまで私なりに取捨選択して、
はしょりながら書いております。

では、早速。

◆1600年頃:江戸幕府ができる

東西の兵力が激突した
「関ヶ原の戦い」は1600年!
ここで勝利した徳川家康は
大坂に豊臣家を残しつつも
江戸に幕府をひらき天下を握ります。

その後、仮想敵の豊臣家を滅ぼ

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100年ごとの北アジア史、中央アジア史

100年ごとの北アジア史、中央アジア史

本記事では、100年ごとに分けて、
北アジア・中央アジアの歴史を
私なりに取捨選択して書いてみました。

上記の項目に分けて書いた
以前の「日本史」の記事と対比させてどうぞ!

◆600年頃:テュルクの隆盛

中国の「万里の長城」は
遊牧民たちの侵略を防ぐためにつくられた。
歴代の中国王朝は「北の脅威」を
防ぐことに神経を尖らせてきました。

中国の「隋」「唐」の頃。
「突厥(とっけつ)」という国

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100年ごとの西アジア史・南アジア史

100年ごとの西アジア史・南アジア史

本記事では、100年ごとに分けて
西アジア・南アジアの歴史を
私なりに取捨選択して書いてみました。

先日の記事で書いた日本史と
対比させながらお読みください。

◆600年頃:イスラーム世界の誕生

北インドは仏教発祥の地です。
中東はイスラム教の発祥の地。

600年頃の北インドは
「ハルシャ・ヴァルダナ」という
英雄が治めていました。
仏教とヒンドゥー教を保護した王様。
彼の治世下、はるばる

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100年ごとのヨーロッパ史

100年ごとのヨーロッパ史

近代からの日本は欧米諸国を手本に
「文明開化」に努めました。

ただ、和魂洋才という言葉があるように
精神的なものまで丸ごと取り入れた
わけではありません。ゆえにヨーロッパ史は
日本ではあまり知られていない…。
特に「近代以前」のヨーロッパは
「中世」=暗黒時代と捉えられがち。

ただ、その視点だけだとどうしても
16世紀頃に極東の島国まで
「大航海」してきたのかが理解しづらい。

本記事では、先

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100年ごとの中国王朝史

100年ごとの中国王朝史

「東アジア」に日本がある以上、
近くの国の歴史も、概要だけでも
知っておく必要があるように思います。

特に中国王朝史!

日本語が「漢字」と「かな文字」を
主体にしているように、日本は古来から
中国の影響を大きく受けてきた。

本記事では、先日に書いたこの
かいつまんだ日本史と対比する形で、
「100年ごとの中国王朝史」を書いてみます。

◆600年頃:聖徳太子と遣隋使

春秋戦国時代(『キング

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100年ごとの日本史

100年ごとの日本史

いま私たちは「2020年代」を
生きているわけですけれども、
80年弱先の「2100年」まで
生きているのは難しいですよね。

となると「2000年」から100年、
いわゆる21世紀がどんな時期なのかを
朧げながらでもつかんでおくことは
かなり意義があるように思うのです。

そのためには大前提として
「これまでの歴史」をかいつまんで
知っておくことが大事。

というわけで本記事では、
だいたい「1

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「烈公」斉昭の『陰』と『陽』

「烈公」斉昭の『陰』と『陽』

水戸の偕楽園は『陰陽』にあふれています。

明治の俳人、正岡子規は
1889年(明治22年)に偕楽園を訪れて
こう詠みました。

「急な勾配の崖、その地形に合わせて
どの梅の木も斜めになって立ち、しかし
懸命に花を咲かせている…」

そう、日本三名園の一つ、
「偕楽園(かいらくえん)」の梅です。
「偕」(とも)に「楽」しむ「園」!

この庭園がつくられたのは幕末。
水戸藩主、徳川斉昭(なりあき)の

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