マガジンのカバー画像

歴史考察

662
歴史について考察した記事をまとめています。
運営しているクリエイター

2023年6月の記事一覧

喜連川藩の数奇な運命

喜連川藩の数奇な運命

江戸時代に、奇妙な藩がありました。

喜連川、きつれがわ、という藩。
現在の栃木県さくら市のあたり。
宇都宮の北東、那須高原より南です。

…ふつう、大名は「一万石以上」ですよね。
しかしこの喜連川藩、
五千石くらいしか無かったそうです。

特権も認められていました。

◆「国勝手」(参勤交代免除・妻子は国許OK)
◆「諸役御免」(幕府からの諸役賦課の免除)
◆「無高にて五千石」(表面上は石高ゼロ

もっとみる
栃木県の本拠地の変遷

栃木県の本拠地の変遷

栃木県は、北関東にあります。
その昔の『下野国』(しもつけ)から成る、
都道府県の一つです。

県庁所在地は「宇都宮」(うつのみや)!
「栃木」県であり「宇都宮」県では
ないところに、深い事情が垣間見えます。

本記事では、この栃木県の「本拠地」を、
西暦約2000年を六つに分けて見ていきます。

◆西暦1年 ~600年頃 ≪約600年≫ 約3割

「宇都宮」の歴史は、とても古い。

出雲神を祀る

もっとみる
茨城県の本拠地の変遷

茨城県の本拠地の変遷

茨城県は、北関東にあります。
その昔の『常陸国』(ひたち)と
『下総国』(しもうさ)の北部から成る、
都道府県の一つ。

県庁所在地は「水戸」(みと)!
ただ、古代からずっと水戸が中心だった、
というわけではない。
そもそも「廃藩置県」で茨城県ができるまで
一つの県として
まとまっているわけではなかった。

本記事では、茨城県の「本拠地」を
西暦約2000年を六つに分け、見ていきます。

◆西暦1

もっとみる
西から東へ ~本拠地の変遷の日本史~

西から東へ ~本拠地の変遷の日本史~

大阪が日本の首都になる可能性がありました。
明治維新の頃。明治元年のこと。

大阪遷都論を唱えたのは、
明治の元勲、大久保利通。
これに対して「江戸を首都とすべきだ!」と
反論・提案した男がいます。前島密。
まえじまひそか。「日本の郵便の父」。

大久保は、大阪に遷都するつもり満々でした。
しかしこの前島の提案を聞き、
東京への遷都に傾いた。
前島は大阪のマイナス面を書き連ね、
大阪遷都に反対した

もっとみる
百万塔陀羅尼をつくらせた女性天皇

百万塔陀羅尼をつくらせた女性天皇

ひゃくまんとうだらに、と読みます。
文字通り、百万基もつくられました。

「陀羅尼」とは、ダーラニーという
サンスクリット語を中国の漢字で
あらわしたものです。
「暗唱されるべき仏教の呪文」。

この陀羅尼を紙に「印刷」して、
木製の三重小塔の中に入れてあります。
高さは(標準的なもので)約21センチ。
巻物入りのミニチュアの塔!

これを百万基つくった。百万ですよ?
十万基ずつ、十のお寺に渡した

もっとみる
なぜ神保町にはカレー屋さんが多いのか?

なぜ神保町にはカレー屋さんが多いのか?

『カレーの街』と言われて、思い浮かぶ街は?

とあるアンケートでは、
以下のような街がランクインしました。

◆1位「横須賀(神奈川県)」30.8%
◆2位「札幌(北海道)」  18.8%
◆3位「神保町(東京都)」 15.4%
◆4位「金沢(石川県)」   7.7%
◆5位「門司港(福岡県)」 5.6%

横須賀カレー、こりゃ有名です。
札幌と言えば、スープカレーだ。
金沢なら「ゴーゴー」なカレ

もっとみる
神田神保町の古書店街の由来!

神田神保町の古書店街の由来!

神田。かんだ。…東京都心のど真ん中あたり。

デジタルの牙城。最先端の都市空間!
でもなぜそんな街に、紙の本の「古書店街」、
古きゆかしきアナログの極み、のような
空間が広がっているのでしょう?

…考えてみれば、不思議ですよね?

ということで本記事では、
「なぜ神田に古書店街があるのか?」
この疑問について、
歴史と地理から考えてみようと思います。

まずは、地理的な前提。
神田の古書店街はど

もっとみる
「かく」の裏、効能と逸失と刻印と

「かく」の裏、効能と逸失と刻印と

何かを「かく」ことによって
得られるものと、失うものもある…。
そんなことを「かいて」みたいと思います。

日本語には同音異義語というものが
多数存在しまして、
「かく」という言葉についても
それはもう、たくさんありますよね!
試しに、スマホで「かく」と入力して
変換すると、候補がもりもり出てきます。

まずはオーソドックスに、
「書く」から、考えてみましょう。

主に「言葉を書く」ことに使われま

もっとみる
過疎地域から見れば地方都市でも都会

過疎地域から見れば地方都市でも都会

よく勘違いされるので改めて簡単に
私のことを書きますと、
私は「専業ライター」「専業小説家」では
ありません。起業もしていません。
「実用地歴提案会ヒストジオ」という
団体は立ち上げましたが、まだまだ状態。

あくまで「ふつうの会社勤めの社会人」で
自称『中年世代の複業クリエイター』です。
定時の決まったお仕事をしながら、
SNSに投稿したり、小説を書いたりしてます。

LinkedInには、起業

もっとみる
地方公務員が一般社団法人を設立し「稼ぐ」

地方公務員が一般社団法人を設立し「稼ぐ」

「地域商社」として町の資源に価値を生み、
町の財源を「生み出す」!
役場の職員が、税金を「使う」だけでなく、
「自ら財源を稼ぐ」ことに挑戦する…!

そんな取り組みをしている町があります。

栃木県芳賀郡茂木町(もてぎまち)。
本記事で紹介します。

まずは茂木町の歴史と地理を確認です。
人口は約一万人強。小さな山間の町。
川では鮎が採れたりします。
場所は、茨城県の水戸市と
栃木県の宇都宮市の中

もっとみる
本拠地が二つある藩

本拠地が二つある藩

江戸時代の「藩」は今の都道府県とは
ちょっと違っておりまして。

何しろ「封建時代」のシステムですから
「将軍様(幕府)」から
「版籍」(版図と戸籍、つまり土地と民)を
「与えられて」治めているわけです。
その代わり、将軍や幕府に忠誠を誓う。
『御恩と奉公』ってやつですね。

ましてや、江戸時代の統制下ですから
「お取り潰し」や「国替え」もあります。
けっこう、ごちゃっとしています。
「天領」(幕

もっとみる

秦三子さんの『だんドーン』連載開始

『ハコヅメ ~交番女子の逆襲~』は
アニメ化もされドラマ化もされ
大ヒット漫画になりましたよね。
週刊モーニングで連載された漫画です。

作者の秦三子(やす みこ)さんは
元警察官、異色の経歴を持つ漫画家。

これだけの大ヒットを生み出したので、
次回作にも、とても期待が集まっていた。
ただ、勢いに乗ってすぐにも
新連載が始まると私は思っていたのです。

それが、意外にもかなり待たされた…。
モー

もっとみる
2023年6月24日 神保町ツアー応援!

2023年6月24日 神保町ツアー応援!

私は残念ながら行けないのですが、
LinkedIn上の
砂押 美穂 さんの『文学部』で
神保町ツアーがあります。

そこで、
以前に投稿した神保町の
『孤独のいなおグルメレポート』
の記事を若干リライトして、
再投稿してみます。

よろしければ、心の予習用に
(行けない方は心の妄想用に)
ぜひお読み頂ければ幸いです。

ただ、文中にもありますが
神保町へ秋葉原から
歩いていくのはけっこう、
いや、

もっとみる
「衣食住」と「医ショック情」

「衣食住」と「医ショック情」

いしょくじゅう。いしょっくじょう。
本記事は、これについて書きます。

人間に欠かせないもの、として
「衣食住」と、よく言われますよね!

これは、人間の欲求や心理に
ダイレクトに対応しているから。

服を着ずマッパだと差しさわりがある。
食べないと、人間、生きていけません。
家が無いと、落ち着いて暮らしにくい。

ですので、最低限の「衣食住」を
揃えることが大事だ、と言われます。
そのため「衣食

もっとみる