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140文字小説

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Twitterで日々投稿している140文字小説をまとめたものです。
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2020年11月の記事一覧

恋人繋ぎ (Twitter140文字小説)

恋人繋ぎ (Twitter140文字小説)

 ふいに手を絡ませてみた。

 ビクッとした反応がとても愛おしい。

 触れる肌は熱く湿り、強張っている。

 とても緊張しているのだろう。

 こんなシチュエーションに不馴れなことがよくわかる。

 もう少しいじわるをしてみようか。

「この繋ぎ方なんて言うか知ってる?」

 頬を赤らめ彼はその答えを言う。

あとがき

積極女子と消極男子シリーズです。

積極的な女性は書いていて、とても楽しい

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弱肉強食 (Twitter140文字小説)

弱肉強食 (Twitter140文字小説)

 もくもくと湯気が踊り、乳色の霞みが視界を白にする。

 白色の世界の彩り溢れる場所で私は大事な子を育む。

 突如、子は拐われた。

 彼は美味の肉を頬張る。

「もお!大事に育ててたのに」

 私は頬に大きな風船を二つ作る。

「この世は弱肉強食なんだよ」

 ニヤリと口角を上げる彼は本当に悪役だ。

あとがき

鍋が美味しい季節になりました。

鍋をイメージして書きましたが、少しわかりづらか

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罰ゲームを覚悟してね!~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

罰ゲームを覚悟してね!~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

「あーん」

「いやだ」

「あーん」

「いやだ……」

「はい!あーん!」

「はい……」

 ゴホッ、とむせる陸くんに私はここぞとばかりにニヤリとする。

「もう一個だよーっ」

「二時間遅刻は悪かったよ!もうハバネロたこ焼きは勘弁」

 いつもと逆転の立場。

 あと少しお仕置きは許されるよね。

あとがき

 彼女達で1本短編を書こうと思えるほど、元気な二人です。(笑)

 彼女達は適当

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銀の肴 (Twitter140文字小説)

銀の肴 (Twitter140文字小説)

 スゥとつめたい風が肌を刺す。

 コートのポケットからほどよい熱さのカイロを取り出し、頬の暖を取る。

 ふと、ふわりと綿が舞う。

 違う。

 雪だ。

 鈍色の空から今年最初のプレゼント。

 高いヒールの踵を返し、近くのコンビニへ足を向ける。

 今日は熱燗かな。

 ベランダで銀に染まる街を肴にしよっと。

何処かで誰かが必要としてくれる。 (Twitter140文字小説)

何処かで誰かが必要としてくれる。 (Twitter140文字小説)

 何処かで誰かが必要としてくれるはず。

 それは全部幻想だったみたい。

 誰からも無用な人間もいたんだね。

 屋上の私は「さよなら」と最後のSNS。

 誰からも視認されない私は世界の爪弾き者。
 
 覚悟と涙と共に右手が震える。

「死ぬな」「ダメだよ」と数多のリプライ。

 私、世界にいてもいいの?

あとがき

何処かで誰かが必要としてくれるはずです。

痛ましいニュースが多い世の中で

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魔法使いたいとぼく (Twitter140文字小説)

魔法使いたいとぼく (Twitter140文字小説)

「魔法が使えたらいいのになぁ」

 彼女はよく本気か冗談か区別がつかない。

「それはどっち?」

 区別がつかない時、僕はこう訊くように自分に課している。

「本気」

 今日は本気だったらしい。

「だって相変わらず伝わらないしさ」

 彼女は何を伝えたいのだろう。

 僕は二択すらわからないのに。

あとがき

気持ちを伝えたい積極女子と鈍感男子の恋模様を、形にしたいと思って作りました。

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memo (Twitter140文字小説)

memo (Twitter140文字小説)

 パラパラと頁を捲る。

 書き写した授業の記録は綺麗に整えられている。

 彼女の几帳面な性格がよく伺える。

 ふと奇異なメモが目に止まる。

『KA好''き』

 K.A.?俺じゃない。

「坂口!やっぱ返して!」

 彼女は頬を真っ赤にして引ったくった。

 動揺する俺を周囲は冷やかす。

「一樹~振られたな~」

あとがき

ニヤニヤとしたい青春をイメージして作りました。

青春はいいで

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ノーコンとエース (Twitter140文字小説)

ノーコンとエース (Twitter140文字小説)

「よっ」とシュートする。

 美しい放物線が描かれゴールへ一直線のはずが、急に球威が落ち、むなしく地面へ落下する。

 ふぅと軽い溜め息を吐くと、友達の会話の輪に入る。

 ガンっと頭に鈍痛が波紋のように広がる。
 
 首で振り向くと女子野球のエースがいた。

「ゴミはゴミ箱でしょ、バカなの」

あとがき

中編で浮かんだネタを短編にしてみた作品です。

描写にまだ課題があると感じた作品です。

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きっとどこかで (Twitter140文字小説)

きっとどこかで (Twitter140文字小説)

 きっとどこかで、また……

 最後のデート、映画館の帰路で君は言った。

 夕陽が反射した君の雫を、俺は今も夢でみる。

 君と観た映画のリバイバル。

 想いにさよならしようと1900円を払う。

 重い扉を開く手がかち合う。

 目と目が触れると、君は言った。

「きっとどこかで、また会ったね」

あとがき

再会をテーマにした作品です。

結構、自信作だったんですが、あまりTwitterで

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執着の泡 (Twitter140文字小説)

 グラスを洗いながら、ふと思う。

 手が泡を纏わせている。

 気を配っても手にはつく。

 纏う泡はひどく汚ならしく目に映る。

 私もそう嫌悪されてるのかしら。

 汚ならしく纏わりつく洗剤のようだと。

 あなたがあの人と結婚しても、私は貴方を愛してる。

 流すと消える、ただ泡にはなってやるものか。

 あとがき

 粘着質な女性を描きたく執筆した作品です。

 粘着質をなにに喩えられる

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裏切りの菓子パン (Twitter140文字小説)

裏切りの菓子パン (Twitter140文字小説)

「おめえらの誰かが、俺をマッポに売るつもりだ」

「ボス。俺達はそんな真似はしませんぜ」

「俺が今からこいつを投げた奴が裏切り者だ」

「なんですか?それ?」

「消費期限が切れた菓子パンだよ」

「腐ってんじゃねぇですかい?」

「裏切り者にゃ丁度いいだろ。おめぇにやるよ、ユダ」

 あとがき

 最後の晩餐を現在風にアレンジしました。

 台詞だけ見ると、犯罪者集団みたいですね(笑)

花冷えに紅葉 (Twitter140文字小説)

花冷えに紅葉 (Twitter140文字小説)

 想像よりスッと闖入された。

 抗うはずの腹直筋は盾の役目を果たさず、簡単に破れた。

 針の痛みがまだ脳に刺さるかもしれない。

 尖った痛みではなく、鈍い痛みがじわりと波紋のように広がる。

「……ごめんね」

 女が雫を垂らす。

 いいから行けと、おとがいで示す。

 掌に紅葉。

 花冷えだが、まだ早えだろ。

 あとがき

 悪い男なりの優しさを表現したく、執筆してみました。

 ラ

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promise~君との同窓会~ (Twitter140文字小説)

promise~君との同窓会~ (Twitter140文字小説)

「君は変わらないね。今も続いてるの?」

 凛は修に尋ねる。

「約束だからね」

 そう言うと修はすっとダイキリを喉に滑らせた。

「覚えてたんだ」

 俯く凛は口元が綻ぶ。

「先生は?」

 同窓会を楽しむ元生徒達に目を遣り、凛は答える。

「あの頃のままよ」

「じゃ俺と結婚してよ」

「約束だものね」

あとがき

全体的にふわりとして、読者の方はよく内容が掴めないのではないかと思う反省

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記念日~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

記念日~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

「来週なにがあるか知ってる?」

 茜は水を向ける。

「梅沢富美男の誕生日だろ」と陸は空を仰ぎながらとぼける。

「なにそれ?そんなの知らないよ」

 茜はもういいと頬を風船にしてさっさと歩き出す。

「恥ずいから言わねぇよ」

 呟く陸の鞄には初デート記念のキーホルダーがきらりと煌めく。

あとがき

困った時の茜と陸シリーズです。

この二人は勝手に動いてくれるので、作者としては非常に楽です

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