東原そら

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東原そら

一日一回140字の #短文小説 をTwitterにて発信してます(^-^) 【配信時刻は毎日20:00頃です】 現在は公募を中心に活動中です(^-^)

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  • 140文字小説

    Twitterで日々投稿している140文字小説をまとめたものです。

  • 短編小説

  • somewhere,again~最後のピースがはまる時に~

    いつか、きっとどこかでまた…… 一颯は恋人の引っ越しを月末に控え、遠距離恋愛に不安を抱えていた。 だが、恋人の夏帆の提案は一颯の予想だにしないものだった。 これは純粋な少年少女の10年に渡る純愛物語。

最近の記事

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失格者 (140文字小説)

 怒ってないよ。  そう口を動かしながらも、表情は冷たい。  楽しいね。  そう声を発しながらも、口角は下がっている。  人の表情と裏に潜む感情の不一致に、いつも戸惑う。  僕がおかしいのかな。  足元に猫がすり寄る。  彼らは気まぐれだけど裏表がない。  人を怖いと思う僕は失格者なのだろうか。

    • 薬指の殺虫剤 (140文字小説)

       私は薬指に殺虫剤をはめている。  効果絶大だ。  戸籍にバツがつく書類を提出した途端、虫がぶんぶん寄ってきた。  新しいパートナーも考えたが、暫く一人を満喫したい。  友人に相談すると殺虫剤を提案された。  おかげで毎日穏やかだ。  いつか殺虫剤の役目が変わればなと、今は少し思っている。

      • パパと白雪姫 (140文字小説)

         父はよく本を読んでくれた。  外で遊んでもらったことはない。  思い出深いのは白雪姫だ。 「私が眠ったら、パパが起こしに来てね」  その時の父の顔は複雑だった。  行きたいけど、行けない。  そう思っていたのだろう。  今日は父の十三回忌。  パパ。今年から白血病の研究のため医学部にいくよ。

        • 珈琲の雨 (140文字小説)

           ポタリ、ぽたりと滴が落ちる。  落ちるたび滴が跳ねる。  それはまるで、子供がはしゃいでいるようだ。  くすっ、はしゃいでいるのは私か。  ドリップされる珈琲を眺めて、私はうきうきしている。  珈琲の雨にうたれたいと、一度彼に話した。  火傷しそうだなと笑った彼と、私は今日、式を挙げる。

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        失格者 (140文字小説)

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        • 140文字小説
          306本
        • 短編小説
          5本
        • somewhere,again~最後のピースがはまる時に~
          19本

        記事

          私、訴えます (140文字小説)

           私、訴えます。  先生、聞いてくださいまし。  お恥ずかしいけれど申し上げます。  私、おかされたのです。  ええ、相手は同僚の男性ですわ。  いつ?  おとといのことらしいですわ。  どういうこと?  夢で、私が同僚に迫ったらしいのです。  肖像権の侵害ですわ。  私、憤慨してますの。  え?帰れ?

          私、訴えます (140文字小説)

          きみが好き (140文字小説)

           油がごきげんに跳ねている。  思わず、耳たぶに指を添える。  あつあつのフライパンの上で、少しずつからだが固まる。  黄身は半熟が、彼女のリクエストだ。  明るく丸いそれは、まるで太陽だ。 「やったぁ~!今朝も目玉焼き~!」  鼻をくんくんさせて、布団から出たかな。  いつも明るい"きみ"が好きだ。

          きみが好き (140文字小説)

          見つかった写真 (140文字小説)

           結婚後、初の失態を犯した。  威厳ある夫であるための奮闘が、全て水泡に帰した。  処分したはずの、昔の恋人との写真が発見された。  とても、その構図は人様には言えないものだ。  妻がわなわなと震えている。 「あははははは!」  怪我とはいえ、女性にお姫様抱っこされた一枚。  男の威厳が…

          見つかった写真 (140文字小説)

          崩壊の技術 (140文字小説)

           人はついに死を克服した。  如何なる病も、たとえ心臓が停止しても、新たな身体を作り、心を移植する技術を確立した。  殺しても死なない。  それは人の倫理観を壊した。  犯罪は急増し、経済は崩壊した。  死の存在が、人の愛を育む。  狂った世界は滅びねば。  核使用の大統領令に私は調印した。

          崩壊の技術 (140文字小説)

          魔法の使い道 (140文字小説)

           世は第三次魔法少女ブームが来た。  学生の希望職業ランキングでも堂々の二位だ。  養成所は数を増やし、卒業生達は街で悪を成敗している。  彼女達の収入源はもっぱら握手会だ。  イベントには多くの人が列を作る。 「皆さん。今日も魔法でたっぷりとお布施もらってください」 「はい!所長!」

          魔法の使い道 (140文字小説)

          哲学者 (140文字小説)

           我思うゆえに我あり。  有名なデカルトの言葉だ。  懐疑的なものばかりでも、それを疑う自分は紛れもなく存在している。  そう、僕はいる。  僕はここにいるんだ!  でも誰も僕を認知していない。  だから僕は訴える。  身体を使って渾身の力で。  そして、僕は飛び込む!  バチン! 「また蚊か…」

          哲学者 (140文字小説)

          海はひろいな (140文字小説)

           海は広いな、大きいな。  子供の頃、よく口ずさんだ。  月が昇り、日が沈む。  いつからだろう。  一日中、海を眺めるようになったのは。  海は大波、青い波。  揺れてどこまで続くの?  海にお舟を浮かばして、行ってみたかった他所の国。  着いたのは無人の島。  嗚呼、発見されるのいつなのか~。

          海はひろいな (140文字小説)

          五十の恋 (140文字小説)

           好きな人ができた。  来年は五十だ。  年甲斐もないと自覚している。  女房とは若い頃に別れ、娘とも長いこと会えていない。  このまま、ゆっくり歳を重ねると思っていた。  待ち合わせの場所に彼女は急ぎ足で現れた。 「じいじ~」  パタパタと駆けてくる姿は娘にそっくりだ。  年甲斐もない男だ。

          五十の恋 (140文字小説)

          ささやかなコーラ (140文字小説)

           彼と別れて、1000回眠った。  私は日課のコンビニに向かう。  冷たくないコーラを開け、人気のない店を出る。  道の死骸はすっかりと消えた。  空は青く、鳥もいるのに、人だけがいない。  土地も店も好きにできるけど、嬉しくない。  誰かとコーラを飲みたい。  それが、いまのささやかな願いだ。

          ささやかなコーラ (140文字小説)

          命の矜持 (140文字小説)

           まずっ!食えるか、こんなもん!  隣の席の男が吠えている。  味は普通だけど。  贅沢だな、と私は思った。  七日後、世界は戦争になり生活が一変した。  瓦礫を背にして、見たことある男が佇んでいた。 「水を分けてくれ…」 「泥水でよければ」  拒否した男がどうなったか、その後私は知らない。

          命の矜持 (140文字小説)

          紺碧のサファイア (140文字小説)

           これをください。  泉の胸元で映えそうなブルーサファイア。  誕生日に喜んでくれるだろうか。  改札を出ると、泉から着信があった。  僕は踵を返し、いまはつり革に釣られている。  目的がない旅の終点は海だった。  ─好きな人ができたの。  残響する泉の声。  紺碧の海に僕はサファイアを投げた。

          紺碧のサファイア (140文字小説)

          僕は待つ (140文字小説)

           改札口から人が流れてくる。  たくさんいる。  顔馴染みもいる。  知る人は手を振ってくれる。  今日も駄目なのかな。  僕は項垂れ、踵を返し家に戻る。  ご飯を食べて、床についた。 「ハチ。もう先生はいねえんだよ…」  彼はなんと言っているのだろう。  人の言葉がわかればと、僕はいつも思う。

          僕は待つ (140文字小説)