山内マリコ

お正月

年末年始は、5年くらい前まで、一年で一番苦痛の時間だった。特に苦痛になり始めたのは、大学一年生のとき。

九州の、笑えないくらいド田舎で育った私が、東京の名だたる大学に合格した。私も調子に乗ってたけど、それは許してやってほしい。入学後、同級生たちの、家柄や、塾に行くのが当たり前っていう環境に驚愕したけど、おめでたい私は、私はド田舎育ちで塾も行かなかったのにすごいと、出身地差別に気がつくこともなく(

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山内マリコさんのおふくろの話。

著名人が母親との思い出を回顧します。今回の語り手は、山内マリコさん(作家)です。

好きなことをしなさい

 子供時代は昭和後期、思春期は平成初期だった。サラリーマンの父親と専業主婦の母親、それに子供2人が、当時のスタンダードな家族像。

 私も2つ上に兄がいる。小学生のころを思い出すと、半分くらいは兄とごろごろテレビを見ていた記憶である。夕飯どき、食事の支度にテンパった母をよそに、私たちは殿様み

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ありがとうございます!
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【試し読み】私たちが「We ❤Love 田嶋陽子!」である理由①  by 山内マリコ

責任編集の山内マリコ&柚木麻子は、なぜ今、「田嶋陽子」を特集しようと思ったのか? そして、なぜLOVEなのか!?  刊行間近!の『エトセトラ』VOL.2 特集:We ❤Love 田嶋陽子! を少しだけ先に公開いたします。

はじめに: 田嶋陽子を救え!
山内マリコ

 田嶋陽子さんは90年代以降、「テレビでおじさんとケンカしてるフェミニスト」として認識されてきた。そして多くの人が、そんな彼女にちょ

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[おススメ]結婚とか仕事とか(山内マリコさん、キングコング西野さん、ピース又吉さん)

三連休、あっという間でしたが、非常に充実しておりました。
読書熱が沸騰し、ひたすら本を読みまくってました。
読書以外の時間はキングコング西野さんのアナザースカイ、近畿大学卒業式での西野さんとピース又吉さんの祝辞、グレイテストショーマンのセッション動画をひたすら観てました。
ずっとひとりでしたが(笑)、とっても楽しく素晴らしい三連休でした。

まず、この三連休で山内マリコさんの本と出会えたことをとて

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嬉しいです!
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山内マリコ『あのこは貴族』(集英社文庫)

……むちゃくちゃおもしろい。
頁を繰る手が止まらない。
痺れる。
胸の深いところがじくじく痛む。
そんな身体的な表現を連発したくなるほど、この小説は優れている。

渋谷の松濤で育ったお嬢様の、せつない婚活。
地方出身、大学中退、歯をくいしばって生きる強さ。
ふたりの女性の人生が、ひとりの男性を通じて交わる。
その描き方、その手腕が光る、唸る、見せつける。

実在する店名やブランド名が頻出し、暮らし

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実は詩歌も大好きなのです
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着回しストーリーは完全にネタに走ることにしたCLASSY(CLASSY10月号より)

性悪女や自転車女など、最近は着回しストーリーにリアルさを追求しなくなったCLASSY、今回も上の画像見ましたか?

恋愛してこんなセリフ言われることあります?狐と恋に落ちるとか最近はあるあるなの?

なんとこれは、本当の姿は狐だけど普段はイケメンで会社員をしている彼とのストーリーです。

全てのコーディネートがデニムとかそういったことは一切頭に入りませんね!!!

正直ジーパンはどれも同じだし雑誌

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【お知らせ】「エトセトラ」VOL.2投稿募集します

「エトセトラ」VOL.2(2019年11月発売)
山内マリコ&柚木麻子責任編集
特集:We Love 田嶋陽子!
の投稿ページに掲載する原稿を募集いたします。

【応募方法】
・期間:2019年8月30日まで
・テーマ「田嶋陽子さんへの手紙」
 田嶋陽子さんへの思いを、手紙という形にしてお書きください。
・文字数:1000文字以内
・投稿フォームからご応募ください。
・みなさんと一緒につくるマガジ

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〈読書感想文〉山崎ナオコーラ『リボンの男』/物語を取り戻す言葉。私たちを分断するストーリーはもういらない。

「韓国・フェミニズム・日本」特集がたいへん話題の『文藝』秋季号ですが、山崎ナオコーラさんの『リボンの男』をどう捉えるか、共感したりモヤモヤしたり納得したりしたので、読書感想文書いてみました。

この小説では「時給マイナス」であることをどこか卑屈に捉えていた主夫の妹子が、子どもとの時間のなかで世界を細分化する「小さな生活」の豊かさに触れ、それを肯定していく。男性が育休を取るのも難しい社会で男女が逆転

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あたしたちよくやってる

アラサーになった瞬間、世の中から多くの疑問符を投げつけられる。

20代前半には無かった疑問符。

既婚か独身か、子持ちか子無しか、社員かパートか将又主婦か。

なぜそこまで親しくもない相手にそんなパーソナルな質問を平気でするのか。本当に日々嫌気がさす。

つい先日、山内マリコさんの「あたしたちよくやってる」を読んだ。

少しネタバレになってしまうけど、若い頃は好きなファッションを楽しんでいた主人

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