色々あっても諦めんなよって声がする
眩しい、と同時に、熱く蒸した空気と蝉の大合唱が全身を襲う。
視線の先、数人の乗車客の向こうに陽に焼ける駅のホーム。点字ブロックの濃い黄色い線、アスファルトの隙間から生える雑草の緑。扉が開閉した瞬間、そこに切り取られた夏を見る。
そうだ、今は、夏だ。
今年に入って職場への行き来に電車を利用するようになり、その窓や扉の向こうの景色から季節を知るようになった。
そして、今は夏。
こうやって知らない誰かが操縦する鉄の箱に身を任せ揺られる日々を過ごすようになって、いつの間にか季節はふ