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色々あっても諦めんなよって声がする
眩しい、と同時に、熱く蒸した空気と蝉の大合唱が全身を襲う。
視線の先、数人の乗車客の向こうに陽に焼ける駅のホーム。点字ブロックの濃い黄色い線、アスファルトの隙間から生える雑草の緑。扉が開閉した瞬間、そこに切り取られた夏を見る。
そうだ、今は、夏だ。
今年に入って職場への行き来に電車を利用するようになり、その窓や扉の向こうの景色から季節を知るようになった。
そして、今は夏。
こうやって知らない誰か
silentを見た翌朝に、雪が降っていたから。
珍しく連日の投稿になる。
それはたぶん、昨夜「silent」の最終回を見たからだ。
そして、今朝、雪を見たから。
夫が家を出るのを見送る時、開いたドア越しの薄い灰色の景色に、白いチリのような雪が舞っていた。
すぐにsilentの一話を思い出した。
一話の始まりで、高校生の紬と想が朝待ち合わせ登校する場面でも、こんなふうに雪が降っていた。
そう、最終回に出てきた、あの花みたいな雪が空中に漂って
大切に使っている言葉。いつかくるその日まで、大切にとってある言葉。
自分で言葉を考えるのが好きだ。
景色や映像を見たり、本を読んだり、誰かと一緒にいたりして感動したとき。
脳内に、これまで自分が覚えた単語たちが溢れる。
この感動にはどれが一番似合う?どれが人に伝わる?
手のひらに広げてみて、取捨選択していく。
どんな言葉を用いてその感動を表現しようかと考えるのが好きだ。
同じくらい、
もともとの言葉の意味を考えるのも、好きだ。
歌詞とか短歌、映画の中の台詞、
私は母性を想像することしかできないけど
私は女性で、既婚者。年齢は30代前半。
パートナーは男性で、籍を入れて4年経つ。
一緒に暮らし始めたのは、それより少し前だ。
子どもはいない。
宿したことも、ない。
母は映画を見るのが好き。私は本を読むのが好き。
会った時にはよく互いが見たり読んだりした作品や、
今気になっている作品について話す。
ある日、母が「CMで見る『母性』見たいんだよね」と言った。
私はまだ原作を読んだことがなかった。