干さオレ~四ツ谷怪談篇~(第三回)
文芸時評・9月 荒木優太 舞台裏をこぼすようだが、『文藝』を読むタイミングをひと月ずらしてみた。季刊『文藝』がでる月は経験上ほかに読むべきものが多くなりがちで、結果ストレスが蓄積、自分のなかで好奇心が死に絶えることに気づいた。数をこなせばこなすほどよい時評ができる……というわけではない。わっびっくり、でしょ? 四年やってやっと分かった。
というわけで、安堂ホセ『DTОPIA』(文藝)を面白く読んだ。南の島に各国の美男美女を集めて恋愛ゲームをさせる配信番組に、日本人とポリネシ