記事一覧

今年をふりかえる

久しぶりの投稿です。あっという間に月日は流れ、気が付けば年の瀬になっていました。今年のことを少し振り返ってみます。 この一年は、大きな変化なく淡々と進む日々でし…

ひとみ
4か月前
6

寂しさと、煩わしさと

たまに、とてつもなく寂しい気持ち、に襲われることがある。 そういうときは、たいてい一日中、調子が乗らない。ぼうっとした頭の中に、ネガティブな思考がずっと渦巻いて…

ひとみ
8か月前
6

再会

まこちゃんと初めて話をしたのは、去年の春頃のこと。 その日の彼女は、あまり機嫌がよくなくて、私に関心がなさそうだった。 まこちゃんと、彼女のお母さんと、私。 3…

ひとみ
8か月前
8

ある白鳥のこと

子どもの頃、家族でよく遊びに行った公園がある。社会人になってからは足が遠のいていたけれど、しばらく仕事を休んでいたとき、私はよく母と一緒にその公園に出向いた。 …

ひとみ
9か月前
15

ありのままでいること

「後ろの席に座ってても、全く物音が聞こえてこないんだよね」 社会人になって、初めて参加した会社の飲み会で、いつも背向かいの席に座って仕事をしている管理職のおじさ…

ひとみ
10か月前
7

好きを選択すること

5月中旬、楽器屋さんの連なる、ある大通りを訪れたときの出来事。 私は、ウクレレかギターを始めたいと思っていて、実際に楽器を見るために、その大通りを散策していた。 …

ひとみ
10か月前
9

ひとりでいること

子どもの頃の記憶。学校の友達と遊ぶとき、みんなと交わらないで、ひとり口を噤んでいた。一緒にいるのだけど、そこにいない。ぼんやりと遠くの世界を眺めている。 私はこ…

ひとみ
11か月前
11

芽吹く希望

色鮮やかな絵だった。空や星。海。花。春夏秋冬などの、さまざまなイメージが抽象的に描かれていた。くっきりと目に映える、さまざまな色が混じり合い、力強い輝きを放って…

ひとみ
1年前
14

春めく

実家の庭に咲く水仙は、わたしが一番好きな花だ。これみよがしに咲き乱れるその花を写真におさめ、まだ青くふっくらとした蕾を見ながら、ぼんやりと考えた。 暗く、長かっ…

ひとみ
1年前
8

人のためになること

スペシャリストになりたかった。 資格を持って働いていた父が、私に向かってこう言ったのだ。 「ジェネラリストじゃなくて、スペシャリストになりなさい」「どこでするか…

ひとみ
1年前
28

私の書きたいこと

noteを始めてみて改めて痛感しましたが、文章を書くのは本当に難しいですね。 いろいろと頭の中に考えはあるはずなのに、いざ書いてみようとすると、うまく表現できなくて…

ひとみ
1年前
12

漢方とその先生のこと

漢方を飲み始めてから2年以上が経った。 漢方がどのくらい効いているのかは、正直なところよくわからない。けれども、本当に少しずつ、少しずつ、体調はよくなっているの…

ひとみ
1年前
13

足るを知る

新しい年がやってきましたね。 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。 私自身、昨年を振り返ると、環境が変わったり、新しいことを始めたりと、ゆっくりとしたペースでは…

ひとみ
1年前
36

与えること、奪われること

私が心身を壊したとき感じたのは、私はまわりから何かを奪われている、ということでした。 もう奪わないで、放っておいてほしい。 からだがよくならなくて、感情のコント…

ひとみ
1年前
36

がんばらない

世の中には、無意識のうちにがんばりすぎてしまう人間がいます。 朝起きたらまず(今日は何のゴミ出しの日だっけ…)と考える。仕事に行ったら、目の前の仕事に対して手を…

ひとみ
1年前
14

言葉にするということ

私は、話すことが苦手です。 いつから、どのようにして、苦手になったのかは覚えていませんが、幼い頃から、私は人とうまく話すことができませんでした。 いま考えても、…

ひとみ
1年前
44
今年をふりかえる

今年をふりかえる

久しぶりの投稿です。あっという間に月日は流れ、気が付けば年の瀬になっていました。今年のことを少し振り返ってみます。

この一年は、大きな変化なく淡々と進む日々でした。体調を崩すことなく平穏に過ごせてありがたかったけれど、穏やかな日々の中でも、気持ちを揺さぶられてしまうこともありました。

このままじゃだめだと落ち込んだり、どこか別の場所へ逃げ出したくなったり。でもなんとか耐え忍んで、同じところに留

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寂しさと、煩わしさと

寂しさと、煩わしさと

たまに、とてつもなく寂しい気持ち、に襲われることがある。

そういうときは、たいてい一日中、調子が乗らない。ぼうっとした頭の中に、ネガティブな思考がずっと渦巻いていて、なかなか追い払うことができない。

仕事を終えた帰り道、理由もなく泣きそうになる。今まさに、そういう気持ちなのだけれど、今日は、涙を溢さずに、その気持ちを言葉にしてみたいと思った。

もう何年も前から悩んでいる、やりがいを見いだせな

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再会

再会

まこちゃんと初めて話をしたのは、去年の春頃のこと。

その日の彼女は、あまり機嫌がよくなくて、私に関心がなさそうだった。

まこちゃんと、彼女のお母さんと、私。

3人でいるのに、まるで私はいないかのように時間が流れる。私は、普段触れ合うことのない歳の離れた子どもに対する接し方がわからず、戸惑っていた。

まこちゃんは、東京生まれの、9歳の女の子だ。よく喋るし、よく動きまわる。自然が大好きで、いま

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ある白鳥のこと

ある白鳥のこと

子どもの頃、家族でよく遊びに行った公園がある。社会人になってからは足が遠のいていたけれど、しばらく仕事を休んでいたとき、私はよく母と一緒にその公園に出向いた。

当時の私は、からだの痛みにばかり注意が集中して、ぐるんぐるんと頭の中を駆け巡る思考に振り回されていたから、生い茂る木々の下を歩きながら、なんにも考えずに深呼吸をするのは気持ちが良かった。

何者でもない私。なんにもしない私。ただ、青い空と

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ありのままでいること

ありのままでいること

「後ろの席に座ってても、全く物音が聞こえてこないんだよね」

社会人になって、初めて参加した会社の飲み会で、いつも背向かいの席に座って仕事をしている管理職のおじさんから、こんなことを言われた。

私があまりにも静かで、あまりにも喋らないから、いるかいないのかわからない、と言いたいらしい。

あ、まただ。もっと元気に、もっと饒舌に、何かを発しなきゃいけない。自分の静けさを指摘されるたびに、そういう暗

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好きを選択すること

好きを選択すること

5月中旬、楽器屋さんの連なる、ある大通りを訪れたときの出来事。

私は、ウクレレかギターを始めたいと思っていて、実際に楽器を見るために、その大通りを散策していた。

まず、ウクレレ屋さんに入ってみる。

ウクレレを実際に触らせてもらうと、きれいなハワイアンな音色が響いた。楽しい。ウクレレは想像していたよりも小さい。初心者にとって始めやすい楽器だ。

続いて、大手の楽器屋さんを覗いてみる。
ここには

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ひとりでいること

ひとりでいること

子どもの頃の記憶。学校の友達と遊ぶとき、みんなと交わらないで、ひとり口を噤んでいた。一緒にいるのだけど、そこにいない。ぼんやりと遠くの世界を眺めている。

私はここにいてもいいのだろうか。

どこにも所属することのできない、罪悪感のようなものをいつも感じていた。

学校の特別な行事のとき、特に、修学旅行のためのバスの座席を決めたりと、ふたり一組で何かをしなければならないとき、私はひそかに恐怖を感じ

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芽吹く希望

芽吹く希望

色鮮やかな絵だった。空や星。海。花。春夏秋冬などの、さまざまなイメージが抽象的に描かれていた。くっきりと目に映える、さまざまな色が混じり合い、力強い輝きを放っていた。

彼女の絵を見ていると、私のモノクロだった日常に、ぱっと華やかな色が付いたように感じた。わくわくと、子どものように心が踊った。

先日、十歳年上の従姉妹に招待されて、絵の展示を見にいった。

明るく、知的で、社交的な彼女は、昔から私

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春めく

春めく

実家の庭に咲く水仙は、わたしが一番好きな花だ。これみよがしに咲き乱れるその花を写真におさめ、まだ青くふっくらとした蕾を見ながら、ぼんやりと考えた。

暗く、長かった冬が終わる。

蕾のように閉じてしまっていたこころは少しずつほころびはじめ、まわりとの調和を求めている。

長いあいだ眠っていた頭が鮮明になり、こころは春めいてきた。

人とうまく繋がることのできない時期がしばらく続いていた。ひとり、ぷ

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人のためになること

人のためになること

スペシャリストになりたかった。

資格を持って働いていた父が、私に向かってこう言ったのだ。

「ジェネラリストじゃなくて、スペシャリストになりなさい」「どこでするかじゃなくて、何をするかが大事なんだよ」

お父さんは、私が成人した年に亡くなってしまった。私が何の仕事に就いたのかも知らないままで。



私は、父とはまったく異なる分野の仕事に就いた。専門的で、ちょっと特殊な世界。

働きながら資格

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私の書きたいこと

私の書きたいこと

noteを始めてみて改めて痛感しましたが、文章を書くのは本当に難しいですね。

いろいろと頭の中に考えはあるはずなのに、いざ書いてみようとすると、うまく表現できなくて、なんだか薄っぺらくなってしまうし、結局、何が言いたかったのかわからなくなってしまいます。

私が書きたいのは、主にこころのことで、それは誰かのために役立つことを伝えたいというよりは、自分のために感じたことや考えたことを書き残しておき

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漢方とその先生のこと

漢方とその先生のこと

漢方を飲み始めてから2年以上が経った。

漢方がどのくらい効いているのかは、正直なところよくわからない。けれども、本当に少しずつ、少しずつ、体調はよくなっているので、ちょっとは効いているのだろう。

からだには、もともと自分で治る力が備わっている。漢方は、こころとからだのバランスを取り戻す手助けをするだけなのだ。と、私の通っているクリニックのホームページに書いてあった。

私は、もともと薬を飲むの

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足るを知る

足るを知る

新しい年がやってきましたね。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

私自身、昨年を振り返ると、環境が変わったり、新しいことを始めたりと、ゆっくりとしたペースではありながら、少しずつ前に進んでいることを実感できた、よい1年でした。

今年は、いろいろ欲張らず、いまある居場所に感謝して、いままであまり目を向けてこなかったもの、すでに私のまわりに存在するものに目を向ける年にしたいなと思っています。

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与えること、奪われること

与えること、奪われること

私が心身を壊したとき感じたのは、私はまわりから何かを奪われている、ということでした。

もう奪わないで、放っておいてほしい。

からだがよくならなくて、感情のコントロールもうまくできないとき、ずっとそう思っていました。

一体、何を奪われているのだろう。

エネルギー、優しさ、愛… 

言葉にすると陳腐だけれど、それは、私の中にある、形がなくて、あたたかいもの。私にとって、とても、とても、大事なも

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がんばらない

がんばらない

世の中には、無意識のうちにがんばりすぎてしまう人間がいます。

朝起きたらまず(今日は何のゴミ出しの日だっけ…)と考える。仕事に行ったら、目の前の仕事に対して手を抜けない。人の顔色を窺っては(いまの発言、気に障っていないだろうか…)。仕事から家に帰る途中、(冷蔵庫の中に野菜が2日分あったからお肉を2日分買って帰ろう…)。家に帰ったら(明日は雨だから今日は洗濯しよう…)。友だちに会ったら(面白い話を

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言葉にするということ

言葉にするということ

私は、話すことが苦手です。

いつから、どのようにして、苦手になったのかは覚えていませんが、幼い頃から、私は人とうまく話すことができませんでした。

いま考えても、どうしてなのか、わかりません。

話さなければならないと思うと、緊張して、ぐっと言葉を飲み込んでしまいます。

そんな調子でどんどん年齢を重ね、私は中学校を卒業するまで、家族以外の人たちと、まともに話をしたことがありませんでした。

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