見出し画像

寂しさと、煩わしさと

たまに、とてつもなく寂しい気持ち、に襲われることがある。

そういうときは、たいてい一日中、調子が乗らない。ぼうっとした頭の中に、ネガティブな思考がずっと渦巻いていて、なかなか追い払うことができない。

仕事を終えた帰り道、理由もなく泣きそうになる。今まさに、そういう気持ちなのだけれど、今日は、涙を溢さずに、その気持ちを言葉にしてみたいと思った。

もう何年も前から悩んでいる、やりがいを見いだせない仕事のこととか、職場でなんとなく感じる馴染めなさとか疎外感とか、でも他にどこで何をしていたらいいのかわからない、やるせなさとか。いろんなことが、一日中、頭の中を駆け巡っていた。

調子の良い日には、そんなことは考えずに、多くを望みすぎず、身の丈にあった生き方に満足していられるのに。今日はだめだった。

どこかに、私の良いところをもっと活かして、もっといきいきと、生きられる場所があるのではないか、と考えてしまう。私は今の職場でいきいきとするのが怖くて、なるべく目立たないようにしている。

これほど多くの時間を過ごしているのに、何故か感じる馴染めなさ。きっと、私が気にするほど、馴染めていないわけではない。それなりに溶け込んでやっている。それでも、私のこころは必死に叫んでいて、その声に耳を傾けると、胸のあたりが重苦しくて、呼吸が浅くなっているのを感じる。

何かと原因を考えてみては、あげつらって、「もっとやりがいの感じられる仕事に就いたら、寂しさは消えるだろう」とか、「こころから理解しあえる恋人がいたなら、寂しさは消えるだろう」とか考えてみても、きっとそんなことはなくて、私は、どんな職場にいても疎外感を感じるのだろう。

誰かといてもひとりぽつんと取り残されているような寂しさを感じて泣きたくなってしまうのだけど、やっとひとりになれるはずの家に恋人が待っていたとしたら、ひとりになりたい、と煩わしさを感じるのだろう。

相反する感情がこころの中に共存していて、頭で考えてみてもよくわからない。よくわからないから、ずっとおんなじことが頭の中をぐるぐる駆け巡って、頭が働かなくなってくる。こころも落ち着かなくなってくる。

けれど、そういう寂しさや煩わしさも、時間がたつと、いつの間にか姿を消していて、何に悩んでいたのかすらも忘れてしまう。そうしてまた、それらはふっと姿を現して、人知れず涙を溢したりする。今日は美味しいアイスを買ってあるから、それを食べて、涙は流さずに過ごそう、と思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?