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がんばらない

世の中には、無意識のうちにがんばりすぎてしまう人間がいます。

朝起きたらまず(今日は何のゴミ出しの日だっけ…)と考える。仕事に行ったら、目の前の仕事に対して手を抜けない。人の顔色を窺っては(いまの発言、気に障っていないだろうか…)。仕事から家に帰る途中、(冷蔵庫の中に野菜が2日分あったからお肉を2日分買って帰ろう…)。家に帰ったら(明日は雨だから今日は洗濯しよう…)。友だちに会ったら(面白い話をしなくちゃ…)。

「頑張ろう」「頑張って」「頑張らないと」

……そんなことは言われなくても、私はすでに充分がんばっている。


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「頑張る」という漢字を見ると、私の中にある頑なさをイメージしてしまうので、ひらがなで書くほうが好きです。

私は、考え方に柔軟さがなくて、頑固であることを自覚しています。

ひとつの思考に捉われると、まわりが見えなくなって、ずっとそのことばかり考えています。

考え方だけでなく、身体もがちがちに固まりやすくて、とても緊張しやすいです。


私のこの性質をよく知っている母は、
「あなたみたいな人はちょっとバカになったほうがいいのよ。私がバカになる方法教えてあげるから。」
と言って、酒を飲め、とすすめます。

ありがたいことに、遺伝的にお酒が飲める体質なので、私はよくお酒を飲みます。

たしかに、気持ちよく酔えるときは、考え方も柔らかくなって、身体の緊張もほどけて、まぁほどほどでいいか、と思えます。

しかし、私の中にある頑なさは、文字通り、頑強です。

お酒を飲むときも、がんばって飲みすぎて、結局、お腹が痛くなったりします。

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がんばらないためには、どうしたらいいものか。

私のような人間にとっては、手を抜く、なんて、とんでもないことです。

でも、何事もゆっくりと時間をかけて丁寧に行うことならできることに気がつきました。

例えば、仕事をするとき、もっとはやくできることも、あえて動作をゆっくりと丁寧に行って働きすぎないようにする。

人と話すときも、ひとつひとつの言葉をゆっくりと丁寧に選んで相手に伝える。

本を読むときも、声に出して、ゆっくりと、言葉を噛みしめる。

歩くときも、ゆっくり、ゆっくり、一歩ずつ踏みしめる。

そうやって、ゆっくりを積み重ねていって、私の中にある頑なさを少しずつ手放して、柔らかさ、しなやかさを身につけていきたいなと思います。



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