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【長編小説】香水の雨
十一月になると外は冬の匂いに染まり始める。十月の終わりに最後のジャスミンが摘み取られると花たちは眠りにつく。町を包んでいた濃度の高い甘い花の香りのベールは、一枚、また一枚と薄れていき、雨が降るたびに空気は透明になっていく。南フランスのニース空港から四十キロほどの丘の中腹に、香水の町グラースはある。
一流の調香師を目指して初めてこの町を訪れて、もう十五年の月日が過ぎ去ろうとしていた。
雨の匂
私が精神障害者になったきっかけ。
どうも、はじめまして、石澤真紀です。初めての記事なので、まずは自己紹介をしたいと思います。
私は現在、双極性障害、不眠症、線維筋痛症、糖尿病、自律神経障害、更年期障害など、たくさんの病気を抱えて闘病生活を送っています。体の痛みや倦怠感が強く、外出は介助式車椅子の生活です。
夫は統合失調症を患っていて、私の看病と家事をこなしながら、音楽配信サービスでオリジナル作品を配信しているシンガーソングライ