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【詩的散文】 シングルマザー

秋雨の虹のきれいな夕暮れに
保護した子猫を手放せず
一緒に暮らし始めたら
彼女はわたしにたくさんの
奇跡を起こしてくれました

雪がしんしん積もる夜
彼女と毛布にくるまれば
とくんとくんと心臓の
リズムが体に伝わって
生きるの疲れた死にたいと
鬱で凍えて固まった
心をほぐしてくれました

ぽかぽか春の陽だまりで
一緒にお昼寝していたら
つぼみがゆっくりふくらんで
イロトリドリの花たちが
心の庭に咲き乱れ
ふふふと微笑みくれました

ただそばにいるだけで
ただふれているだけで
安心できて 癒される

こんな不思議な感覚は
いったい何年ぶりかしら……。

その瞬間
強い風が吹き抜けて
懐かしいママとの遠い想い出が
あざやかによみがえる

フォトフレームの埃を払い
心の庭からそっと一輪
カーネーションを手向けます

ふと振り向くと
彼女は静かに横たわり
わたしをやさしく見つめていた

嗚呼ママだったんだね!
今頃やっと気づいたよ!

ありがとう 愛してる
ありがとう 愛してる
ずっとずっと
これまでも これからも
きっと永遠に

ちぃ☆さんのイラストお借りしました


永眠したお母さんには白いカーネーションを🩵
花言葉は「尊敬」「亡き母をしのぶ」「純潔の愛」


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