スウィング・キャットガール
吹奏楽という世界は、猫的ではない。むしろ、犬的だ。規律、協調、練習、努力――それがすべて。吹奏楽の世界では、「完璧」が求められる。だから、私は今の吹奏楽部に少し居心地の悪さを感じていた。猫のように自由で気ままに生きたいと思う自分にとって、吹奏楽はその真逆の世界だったのだ。
私が吹奏楽部に入ったのは、中学2年の秋だった。特に音楽に興味があったわけではなく、友達に誘われて「なんとなく」始めた。あの頃は、何かを深く考えて決断するなんてことはほとんどなかった。軽い気持ちで始めた部活