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疎通と対話 ―社会と組織の中で人々を「乳化」させるもの―

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コミュニケーション(疎通)とは相互に意思を伝達する技術であり、ダイアログ(対話)とは相互の合意目標を発見する工程である。いかに言葉巧みで表現豊かでも、伝達や合意を成し得なければ児…
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2019年6月の記事一覧

傾聴ってなんですか?

傾聴ってなんですか?

傾聴とは、字の通り「相手の話に耳を傾けて聴く」ことに違いない。誰でもできるように思えるけれど、人の話を聞くってかなり難しいことだよね。
今夜は、自分を例にとってなぜ人の話を聞けないのかについて、考えてみる。

人の話を聞いているとき、私の心はどうなっているかというとね、話に集中できないでふらふらしている。相手の話を聞きながら「ふーん、なるほど、そうするとこの人はこういうことに困っているんだから、こ

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オムレツ・マウンティングの話。

オムレツ・マウンティングの話。

私の友人が「最近オムライスの練習をしている」と教えてくれました。

チキンライスの上にオムレツを乗せて切って開くタイプを練習していて、最初の下手だった写真と少し上手になった写真を見せてくれました。

私もたまにオムレツを練習したくなる時期があります。

作って捨てるのはもったいないので、作るとしたら1日1回。そうなるとラーニングを効かせるために数日間オムレツばかり食べ続けることになります。

それ

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難しい言葉を使いたがる大人へ

難しい言葉を使いたがる大人へ

ものすっごいアホなので、実は人の言っていることが半分くらいしかわかっていないときがある。(暴露)

最近は何だ、レバレッジ?みたいな言葉がよくわからなかった。たぶん、見返りとか余裕とか幅みたいな意味だと信じている。よくわからないけどレバレッジを効かせると良いことだけはわかった。

それはともかく、わたしがビジネス書を嫌う理由のひとつとして、謎の横文字が多いことが挙げられる。

何なら、サイバーに入

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批判しそうになったら、粛々と自分のできることをする。

批判しそうになったら、粛々と自分のできることをする。

保育という仕事は誰もが知っている職業でありながら、本質はあまり理解されずにいる。

何年か前に、渡部陽一さんという戦場カメラマンの方がテレビのバラエティ番組などで活躍されていた。独特な話し方が人気を呼び毎日のようにテレビに出ていたんだけれど、バラエティでは戦場カメラマンという仕事について真面目に話している姿を見たことがあまりなかった。ある時「なぜ戦場カメラマンなのに芸人のような仕事をしているのか」

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作品を書く人は「言い訳」をしない(文章を書く心がけ)

作品を書く人は「言い訳」をしない(文章を書く心がけ)

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2016年7月12日 Vol.224 より

作品を書く人は、言い訳をしません。

ここでいう「言い訳」というのは「本当の言い訳」のことです。

創作者はいくらでも作品中で「見かけ上の言い訳」をします。それは作品の中に組み込まれていて、一定の効果を狙って書かれているものです。いまから書くのはそういう「見かけ上の言い訳」ではなく、作品外で作者が語る「本当の言い訳

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「傷つきたくない文化圏」について。

こんにちは、ハヤカワ五味です。

今週の半ば、インターン時代の先輩に「某大手メーカーで若者について話してくれない?」と言われたので、何を話すのか考えていたのですが、簡単そうに見えてめちゃ難しいテーマなんですよね。

なぜなら、私は東京でガシガシ働いてるガールなので、年収的にも同世代のトップ1%には入るだろうし(というか統計を見ている限り入っている)、私が私の知っている範囲で話したらその1%の限定的

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アナログに回帰する人間関係、本物のエンゲージメントとは何か?

アナログに回帰する人間関係、本物のエンゲージメントとは何か?

現代では、ネットを介して簡単に人と繋がることができる。Facebookで友達登録されている数は数百人いても、その中で、本当の親友や仲間と言えるのは一握りの数か、場合によってはゼロという人さえ、いるかもしれない。

もともとのエンゲージメント(engagement)は、人と人との信頼関係や熱意を表す言葉だが、SNSマーケティングの世界では広告効果を示す指標として注目されるようになっている。エンゲージ

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中国顔負けの言論の不自由

中国顔負けの言論の不自由

論点外しの権化が年金問題です。さすがに、あまりに馬鹿げた一部の報道や報告書をロクにお読みにならずデモをする方々には、多くの国民が「存在の耐えられない軽さ」を感じているようです。もっとも、わかっていて確信犯的、政治イデオロギー的に騒ぐ人々も相当数おられるので、それはそれとして頭を整理して議論の相手を考えるべきでしょうね。

今回不思議なことは、現にこの報告書に関わった委員から目ぼしい意見や反論が見ら

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キャッチボールの教訓。

キャッチボールの教訓。

十数年前に一度だけ、草野球の試合に呼ばれたことがある。

映画監督、デザイナー、ウェブディレクターなど、およそ健康とは縁遠い人びとの集う、目の下がクマだらけのチームだった。対戦相手は毎週のように試合をこなす、本気の草野球チーム。勝敗はおぼえていないものの、勝ったりよろこんだりの記憶がまるでないので、予想どおりにボロ負けだったのだろう。おぼえているのは一打席だけツーベースヒットを打ったことと、試合前

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喧嘩したときにはどう仲直りすればうまくいく?相手に簡単に許してもらえる謝り方の心理学

喧嘩したときにはどう仲直りすればうまくいく?相手に簡単に許してもらえる謝り方の心理学

今回は科学的に正しい仲直りの仕方について説明していきます。

人間、好きな相手とであっても長く付き合っていると価値観の違いが出てきて些細な喧嘩をしてしまうものです。

そういう時に今回の心理テクニックが役に立つので、喧嘩中の人や喧嘩しても仲直りしたい大切な人がいる人は今回の心理研究を参考にして人間関係を良好に築いていってください。

今回紹介する仲直りの心理学研究は、アメリカにある理系とビジネスの

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「わかってもらおう」とせず、ただ伝える

「わかってもらおう」とせず、ただ伝える

ワークショップやプレゼンテーションで人前で話しをしていると、当然のことながら聞き手の反応が気になる。

反応が薄かったり、否定的な反応をしている人が目に入ると、気になることがある。特に自分が大事にしていること伝えているときは、なおのこと。

では、そういう自分にとって否定的な反応をしているように見える人がいたら、どうすれば良いのだろうか?

自分の経験から得た、今のところの最良の答えは「わかっても

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幸せのフィルタ

私は、複数人の中で、自然にしゃべるのがすごく苦手です。

そのため、とくに4、5人以上の輪の中で話をするときは、ついつい黙り込んでしまったり、急に的はずれなことを突拍子もなく言い出しちゃったりしがち(頑張って輪に入ろうとして不自然になる。)

周りのみんなの話を黙って聞いて、考えこんでいたりすると、リアクションの薄い私を見た友人が今の話つまらなかったかな…?と心配しだしてくれて、話が中断することが

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本当の「優しさ」とは何か?

本当の「優しさ」とは何か?

本当の「優しさ」とは、一体何なのだろうか。

優しさについて考え始めるキッカケは、『勝ち過ぎた監督』を読んだことだった。

これは、北海道勢初の甲子園優勝に駒大苫小牧を導き、そこから三連覇同然という高校野球史上最も輝かしい成績を残した香田監督を追ったノンフィクションだ。

香田監督は、僕から見ると、とてつもなく優しい。

高校球児たちの夢は甲子園に行くことだ。その目標をサポートすること

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