古賀史健

バトンズ代表。最新刊『さみしい夜にはペンを持て』。その他『取材・執筆・推敲』『嫌われる…

古賀史健

バトンズ代表。最新刊『さみしい夜にはペンを持て』。その他『取材・執筆・推敲』『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』『古賀史健がまとめた糸井重里のこと。』『20歳の自分に受けさせたい文章講義』など。バトンズへのお仕事ご相談は→ http://www.batons.jp

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    古賀史健の note、2018年以降のぜんぶです。それ以前のものは、まとめ損ねました。

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『さみしい夜にはペンを持て』刊行のおしらせ。

7月18日(火)、あたらしい本が世に出ます。 タイトルは『さみしい夜にはペンを持て』。ぼくにとってはじめての、中学生に向けた本です。どんな本なのか、どういう意味のタイトルなのか、なぜ中学生に向けてつくったのか。お話ししたいことはたくさんあります。少し長くなるかもしれませんが、お付き合いください。 どんな本なのか本が好きな人ならだれでも、本によって救われた経験があると思います。 ひどく落ち込んでいたとき、あの本に救われた。あの作者の、あのことばが生きる光を与えてくれた。あ

    • アスリートを尊敬する理由。

      尊敬する人はだれですか? そう聞かれた男子小学生は、スポーツ選手の名前を挙げることが多い。いまだったら大谷翔平選手だろうし、すこし前ならイチロー選手とか、サッカーが好きなら三笘薫選手とか、そういう名前が挙がるだろう。そして案外とぼくも、なんだかんだ言ってスポーツ選手の名前を、たとえば大谷翔平選手とかの名前を挙げそうな気がする。 もっとも「すごいなあ」とか「かっこいいなあ」と思う人はたくさんいる。身近なところにもいるし、ミュージシャンや作家さん、映画監督さんなど、なんらかの

      • 趣味がいい、というほめ言葉。

        趣味がいい、というほめ言葉がある。 たとえば友人宅におじゃましたとき。本棚に並んださまざまの本を眺めて、ふと漏らす。「いい趣味してるなあ」。もちろん逆のパターンとして「趣味が悪いなあ」と思うこともあるだろう。そしてその場合は、口に出さないだろう。ぼくが学生のころはお互いのCDラックを見て「ああ、この人はこういう人なのか」と了解することが仲良くなりはじめの常だった気がする。インテリアを見てそう思う人も多いだろうし、食器にその思いを馳せる人もいるだろう。 しかし、「趣味がいい

        • オフィスに銘菓が増えてきた。

          タイトルのとおり、オフィスに銘菓が増えてきた。 コンビニで買うようなお菓子ではなく、人からもらう類いの銘菓が増えてきた。わが社における銘菓の増加とは、来客が増えていること、また出張や休暇が増えていることの証拠である。そして来客の増加はそのまま仕事の増加を意味するわけだし、出張や休暇の増加はいい感じで仕事が回っていることを意味している。ありがたいことだ。 逆にいうと、銘菓が不足しているときのわが社は仕事が足りていないか、休暇も打ち合わせもないまま全員が原稿地獄にはまっている

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          風邪と「わたし」の流行りについて。

          最近、まわりで風邪が流行っている。 症状もわりとよく似ていて、喉の痛みからはじまり、発熱を伴い、やがて鼻までずるずるになっていくタイプの風邪だ。ぼくの周囲で罹患者が続出していて、ぼく自身も先週末から発症している風邪なので、ほどなくみなさんの元にも届く流行なのかもしれない。 という近況を入口に話したいのは、「流行」についてである。 たとえば『歩くだけダイエット』という本が大ヒットしている、としよう。ミリオンセラーを記録した、としよう。このとき「最近『歩くだけダイエット』と

          風邪と「わたし」の流行りについて。

          人事異動が終わったあとで。

          スタメンとは人事である。 たとえば、サッカー日本代表の試合がおこなわれる。キックオフの数十分前くらいにスタメンが発表される。なのでスポーツ新聞は当日の朝、数パターンの「予想スタメン」を発表する。記者の勝手な願望を書くわけではない。いちおう前日練習や前々日練習の様子を見て、予想スタメンを書いていく。 一方、ソーシャルメディアでは、たくさんのサポーターたちが「おれの予想スタメン」や「おれの理想スタメン」を書き連ねる。この選手に出てほしいとか、この選手の重用は勘弁してほしいとか

          人事異動が終わったあとで。

          からだの重さ、こころの軽さ。

          十年くらい前、四十肩を発症した。 まさに四十歳を過ぎたあたりでの出来事。右の肩だった。たしか当時のnoteにも書いたと思う。そしてこれは五十肩と言うのだろうか。今度は左の肩が似たような痛みを訴えるようになってきた。あのころみたいに手を動かすこともできない、シャツに袖を通すこともできない、みたいな激痛ではない。腕を上に上げたり、後ろにまわしたりすると痛みが走るだけだ。何年か前の年末には膝を痛めたこともあったし、なるほど年相応の身体になっているのだなあ、と思う。 加齢について

          からだの重さ、こころの軽さ。

          世のなかなんて、そんなもの?

          そういうものだ。英語でいえば So It Goes. カート・ヴォネガットの代表作、『スローターハウス5』のなかで、だれかが亡くなるたびにくり返されることばである。 などなど。ちなみにヴォネガットの評伝にも『And So It Goes』というタイトルが付けられている(邦題は『人生なんて、そんなものさ』だけど)。 どうして人の死を「そういうものだ」と片づけるのか。その理由については『スローターハウス5』を読んでいただく以外にない——なんといっても、空飛ぶ円盤で「トラルフ

          世のなかなんて、そんなもの?

          それは老化でもなんでもなく。

          あれは何年前に見た番組だったのだろうか。 10年以上前なのかもしれない。たぶんフジテレビの「ボクらの時代」だったと思うのだけど、三浦知良、前園真聖、中田英寿という元サッカー日本代表の3人が語り合う番組を見ていた。ちなみに前園真聖さんとぼくは学年が同じで、高校のときに一度だけ彼の率いる鹿児島実業と練習試合をしたことがある。 で、話題はおのずとそれぞれの老いにおよんでいった。「カズさん、よく現役やれるよなあ」などと言いながら前園・中田の両氏は、白髪が増えたとか、ヒゲまで白くな

          それは老化でもなんでもなく。

          メジャーリーグの話をふたつ。

          時差ってむずかしいものだなあ、と思う。 たとえばぼくは普段、週に三〜四試合ほど欧州各国のサッカーを観戦している。サッカーが好きだからだし、おもしろいからだし、オンライン配信チャンネルの拡充によって「観たいのに放送してくれない!」が解消されたからである。しかしここにはもうひとつ、最近気づいた理由が存在している。 欧州との時差である。 だいたいの場合、欧州のサッカーは日本時間の深夜帯に中継される。これは困ったことのようでありながら、じつはとても助かる時差で、要は睡眠時間さえ

          メジャーリーグの話をふたつ。

          9分間の奇跡。

          『23分間の奇跡』という、寓話のような短篇がある。 原題は『The Children's Story』。副題は「but not just for children」。作者は『大脱走』の脚本や『将軍』の原作で知られるジェームズ・クラベル。そして翻訳は青島幸男。占領下の小学校にやってきた(占領国の)新任教師が最初の授業、その「23分間」で子どもたちをことば巧みに教化・洗脳していくさまを淡々と描いた、静かなディストピア小説だ。 この本の語りどころはいろいろあるのだけど、やはり「

          9分間の奇跡。

          雨降りの宿で考える犬の散歩。

          そこそこの雨が降っている。 休みをとって出かけたドッグラン付きの貸別荘。自慢のドッグランは、完全無欠にべちゃべちゃである。まあ、こういうこともあるさ。外に出ることができないぶん、部屋でだらだら過ごそう。旅先での雨をいかにご機嫌に受け入れることができるか。これは、その人のこころのおおきさ、またこころの柔軟性を測る指標のひとつだとぼくは思っている。少しくらい予定が狂ったからといってぷんぷんしてる人は、きっと仕事の現場でも無駄にぷんぷんしてしまう人であるだろう。なぜって仕事は、た

          雨降りの宿で考える犬の散歩。

          ぜいたくを育てよう。

          そのむかし、骨董で身を崩したタレントさんに取材したことがある。 ふつうに生きていれば彼は、大金持ちだった。世間的にもドケチな金持ちとして知られ、倹約・蓄財を指南する著書も複数あった。けれどもその方は、いろいろあって自己破産に至る。連帯保証人や事業の失敗など、自己破産者の定番とも言えるトピックを押さえつつも、ぼくが取材した実感としては、骨董こそが大借金生活のメインファクターだった。 取材中の彼は「そんなん金があるんやったら、いますぐにでも骨董屋に行くわ」とうそぶいていた。実

          ぜいたくを育てよう。

          リフォームよりもリノベーション。

          明日から四日間、つまり日曜まで、遅い夏休みをとる。 犬を連れて、いつもの貸別荘に出かける。海に近く、広々とした芝生のドッグランがついた、犬にも人にも気持ちのいい貸別荘だ。気候もちょうどいいし、さぞかし快適だろう。そう思って数カ月前、この日を選んで予約した。さすがにここまでには原稿も片づいているだろうと踏んで。 しかし予定どおりに運ばないのが人生であり、ぼくの場合は原稿であって、先月に書き上げたはずの原稿がイチから書きなおしになり、途方に暮れてる時間もないぼくは、さまざまの

          リフォームよりもリノベーション。

          家老は偉いが、過労は偉くない。

          オールバックとか、するのだろうか。 若いころ、そこそこ真剣にそう思っていた。いまと時代が違うことを差し引いたうえで聞いてほしいのだけど、数十年前まではなんとなく「おじさんになったら髪を七三分けにしたり、オールバックにしたりする」という共通認識があったように思う。少なくとも「おじさん」として描かれる似顔絵は、あるいは「男性政治家」の似顔絵は、決まって七三かオールバックだったように思う。 そのため若いころのぼくも、「いまはこんな髪型してるけど、おじさんになったら七三で分けるん

          家老は偉いが、過労は偉くない。

          非難GOGOが起こる理由。

          非難囂々、ということばがある。 ほかではあまり見かけない漢字だけれども「囂々」と書いて「ごうごう」と読む。「ぎょうぎょう」と読んだり、「かまかま」と読んだりもするらしい。意味はいずれも「やかましい」である。 しかし、ソーシャルメディア空間における非難囂々はもはや、「非難GOGO」と表記したほうがいいのではないか。そんなふうに思った。 非難GOGOとは、標的となる誰かを見つけた誰かが、「よーし、思いっきり非難してやる! お前らも行け行け! みんなで責めるぞGOGO!」と、

          非難GOGOが起こる理由。