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好きなnote

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私の好き!と感じたnoteをまとめています。素敵!わかる!枕元に置いておきたい!と感じたnoteばかりです。ぜひのぞいてみてください。
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#エッセイ

ラベルのないわたし。

ラベルのないわたし。

自分の職業になまえをつけたがる。
美容師です。とか、デザイナーです。とか。
あなたは何者なの?に答えるラベルのような。
私にはいま、それがない。
派遣OL?なんか違う。
いや、そうなんだけど。

元々が美容師だったせいか、なにしてるの?と聞かれた時に「○○です!」とひとことで説明できる何かがほしいのかもしれない。

では、そういう職種にいけばいいじゃないか!

私の中のわたしがそう言ってくる。

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たまには誰かに甘えたい。

どうにも最近、自分の心の醜さにうんざりすることが多い。いい子ぶることすら下手になってきたように思う。前はもっとうまくやれたのに。

いつもイライラして何かとケチばっかりつけている独り身のおばあさんの姿がふと浮かぶ。このままいくと、私もそうなってしまうのだろうか。いとも簡単に想像できてしまい、途端にゾッとする。

あぁいやだ。そうはなりたくはない。

きっと、そういう人だってなりたくてそうなったんじ

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大切な友との今までと、信じているこれから

大切な友との今までと、信じているこれから

 古くからの友人と、久しぶりに会う喜びに溢れたくまのみさんのnoteを読んで、自分まで楽しみなような嬉しい気分になった。

 10年ぶりかあ。すごいなあ。気心知れた者同士なら、あっという間にその当時の時間が戻ってきて、お互いの距離を埋めてくれるだろう。

***

 Aちゃんは、中学一年生の時のクラスメイト。
 隣りに座っていた子が目が悪いから席を変わってほしいと、前の方に座っていたAちゃんと入れ

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古びた銭湯

古びた銭湯

いつもと違う帰り道で帰ったら、小学生くらいによく行っていた銭湯がなくなっていた。

浴槽が二つしかない、地元の人しか行かないような昔ながらの作り。風呂上がりに番台の横にある30円のみかん水を飲むのが楽しみだった。その銭湯は2階まであって、上はサウナになっている。

ツルツルつべる階段を上ると、木でできた大きな重い扉がある。そこは子供は入れない決まりになっていた。

とはいっても、小学生くらいの

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きみも【卒業】してしまうのか

きみも【卒業】してしまうのか

通り沿いの雑多な居酒屋で、夜風に吹かれながら飲むハイボールは最高だ。

「きみがいつまでも若くて安心した」

ジョッキに入った氷を鳴らしながら、友人は言う。同い年の彼とは23歳の時に森美術館で出逢った。意気投合して小松(およそ六本木にあるとは思えない大衆的な居酒屋)で飲んだのを覚えている。

当時、彼はM1、私は社会人1年生だった。理系と文系、業界も立場も違う。それでも、お互いに好きなものは

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近所のおもしろい姉さんでいたいだけなのよ。

近所のおもしろい姉さんでいたいだけなのよ。

おひとりさまを公表していると、なんでもかんでも恋愛に結び付けられることがある。そういう面でちょっぴり面倒臭い。ただ私は、近所のおもろしろいねえさんくらいの立ち位置でいたいだけなのに。

パートナーがいる異性と仲良くなることが多い。色恋抜きに、人として仲良くなる。惚れた腫れたを気にせずに済むから、その点は気楽だ。けれど、向こうはどうだろう。"こいつ俺に惚れてんじゃないか?"なんて思われてやいないだろ

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続・住んでるマンションを退去したら被告になった話

続・住んでるマンションを退去したら被告になった話

前編はこちら→ https://note.mu/sirisiri/n/n997a1beb317f

被告になってから、私の生活は一変した

例えば、満員電車で足を踏まれた時に謝られたり

お酒を飲んで記憶がなくなるほど酔っ払ったり

友達と美味しいローストビーフを食べたりするたびに

「被告なのにすいやせん…」

みたいな気持ちになった

(些細な変化)

一方、彼は休日を返上し「答

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あの日の焼きそばと「PV=C/(r-g)」

あの日の焼きそばと「PV=C/(r-g)」

投資銀行の勤務時間は9時5時で、これは朝9時から朝5時の意味である。終電を見送りながら晩御飯を食べ、始発と競争する毎日だった。帰宅してシャワーを浴びたらスーツを着て、そのまま玄関で寝た。

僕がそんな世界に入ったのは、大学を2留したからだ。それでも受け入れてくれる会社を探していた。面接ではたまたま前日に観たニュースについて聞かれ、僕はまるでイタコのようにニュースキャスターの口ぶりを真似した。そのま

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25歳で社会人兼大学1年生。必死に人生を取り戻そうとしていた #社会人1年目の私へ

25歳で社会人兼大学1年生。必死に人生を取り戻そうとしていた #社会人1年目の私へ

はじめて就職したのは25歳。人より遅れての社会人スタートだった。
プライドが高く、劣等感も強い人間の社会人&大学デビュー戦。
それまでの夢ごっこが終わり、みっともなく無様になりながら、どうにか社会と向き合おうとする男の記録になる。
仕事に向き合っている方は、最後の1文だけでも読んで欲しい。

仕事が出来ないのに、プライドが高く人に聞けない困った奴学歴、職歴、コネ、スキルもない25歳。あるのは無駄な

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叶えたい事ひとつ、今年も追いかけたい。

叶えたい事ひとつ、今年も追いかけたい。

今年も「旅する日本語展」の企画がやってきた。私はどうしても、この企画だけは喉から手が出るほど受賞したい。受賞して飾られたところを見て欲しい人がいるから。なので、今年は昨年よりも頑張りたい。

+++

昨年もちょこちょこと応募したのだけれど、まぁ難しかったのを覚えている。原稿用紙1枚分で綴るのは思ったより表現に限りがあり難しく、そして想像以上に面白かった。この企画がきっかけで書く事の楽しさに目覚

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少し、愛が深まった瞬間のこと

読んだ本を紹介するnoteを初めて3週間が経ちました。紹介自体は平日にだけやっているので15冊の本について書いたことになります。(イレギュラー更新もあるから15冊じゃなかった、ごめんなさい)

まだたったの15冊かあ、が正直の感想です。この期間に読んだ本の数に対して、書いている冊数がぜんぜん釣り合ってなくて、改めて書くことって時間がかかるし、大変だなあと実感する日々。

でもこれだけしか書いてなく

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まだ、夢の途中

まだ、夢の途中

2年前の秋、会社をやめて引っ越しをするタイミングで少しの間だけ日本を離れてみることにした。

最初から最後までひとりで海外に行くのは初めて。

行き先はヨーロッパ。行ってみたかった場所をリストアップして、行けるだけ詰め込んだ9ヶ国、17都市。5週間ひたすらに歩いて、動いて、見たことのなかったものをたくさん見た。

今思うと結構がんばったなあと思うけど、あのときはどうしても「夢を叶えてみたい」と思っ

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ほしいのは、こんな友達/あしながおじさん

ほしいのは、こんな友達/あしながおじさん

「あしながおじさんがほしい」なんて、学生のときによく友達とぼやいていたことを思い出す。

例えば「援助交際」がしたいとか、今でいう「パパ活」がしたいとか(同じか)特に深い意味があったわけではなく、ただ単に「定期的に何もしないでお金が欲しい」くらいの他愛もない会話だったと思うけど、いかにあしながおじさんを読んだことがないかがバレる恥ずかしい会話だったなあと今ならわかる。

あしながおじさんは「不幸な

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