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11013の手紙に寄せて

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11013でなければならない理由も、ないのだけれど。
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2019年4月の記事一覧

我欲とノブレス・オブリージュ

我欲とノブレス・オブリージュ

「ノブレス・オブリージュ」ということばは、なにかのアニメを鑑賞しているときに見知った。そのときには、なんの意味かわからなかった。

身分の高いものに課せられる社会的義務、道徳観のようなもの、といったニュアンスか。

ボランティアは、それをしているおのれが気持ちよい、というのがその行いを支える基盤になっているように思う。もちろん、それだけでは語りきれていない。けれど、少なくともそうした側面が

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コール・アンド・レスポンス 〜僕が「愛しています」と言ったなら〜

コール・アンド・レスポンス 〜僕が「愛しています」と言ったなら〜

すべては脳の反応の結果である、とするような説を本で読んだことがある。池谷裕二さんの、『脳には妙なクセがある』だったか。

自由意思のようなものがあるとかないとかいったことは何かと議論のタネになるけれど、思考して、おのれの行動をどうするか決断して実際に動き始めるその前に、脳はもうそのようにするモーションを見せているのだそうだ。すなわち、目の前にバナナがあってそれを手に取るといった場合、おのれの思

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中野・高円寺 vs 立川・八王子

中野・高円寺 vs 立川・八王子

僕は一人暮らしをしたことがない。

西武池袋線沿線の実家に住んで、池袋にある東京音楽大学に僕は通った。

入学試験だって実家から行けるから、そのための上京の必要もなかった。

ロックやポップスと呼ばれるような音楽を志しながらも、クラシックを学ぶべきだという考えのもと、僕は東京音楽大学でピアノや声楽を中心に学んでいた。ロックやポップスといった商業音楽に特化した学科も東京音楽大学にはあった

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矢、刺さってる?

矢、刺さってる?

年度が変わった。僕の職場で、人の入れ替わりがあった。

僕の直接の上司、さらにはその上の大元のところに立つ上司も変わった。3月31日までとは、別の人になったのだ。

新しく上司になった人は、これまで僕の上司だった人とはいくぶん、仕事のやり方が違う。姿勢が違うし、根本的な考え方が違う。同じ立場につく人であれば、根本的な考え方が違うのはまずいのではないかと思うが、それでも違うと表現するのがふさ

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2Dの額縁

2Dの額縁

牛乳を売るという仕事がある。販売所に来てくれたお客さんに、お金と引き換えに牛乳を持って帰ってもらう。これは平凡である。

そこで、ある牛乳売りが、一定期間お客さんの家まで毎朝牛乳を届け、その対価を一定期間ごとにまとめていただく商売を考え出した。これは当初、非凡なサービスだったのではないか。

ラーメンという料理がある。麺、スープ、具材をそれぞれ別々に自己調達してひとつの丼に収めるところまで

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70億人の先導者

70億人の先導者

言われたことを鵜呑みにするのでなく、じぶんの頭で考える。そして、納得したり、あるいは違和感を覚え、知識や情報を集めたり、学んだりしていく。

ヒトの行動は、水の流れによって川ができるみたいに最適化されていく。仕事を覚えていくこともそれに似ている。無駄が省かれ、必要なことが最適な順序で行えるように習熟していく。

何かの判断のために、思考を要するかもしれない。そこに、思考の道すじが出来上がる

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休・考・練

休・考・練

ああ、わたしは新年度でもうくたくたです。口でも言っちゃう、顔にも出ちゃう。

くたくたの直接の原因が「新年度」にあるはずがない。新年度になることに伴って生じるもろもろの何かしらに、僕は苦しんでいるのか。もう、年度なんて新しくならなきゃいいのに。ずーっとおんなじ年度でいればいい! 「……ふぅ。今年度に入って、13か月目かぁ……」なんて。そう、原因は「新年度」にあるわけじゃない。勘違いも甚だしい野郎

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コンテナとコンテント

コンテナとコンテント

コンテンツということばをつかって、特定の範囲のものごとを指し示すことがある。

おきまり「ウィキペディア」で調べると、「中身」と出る。さらには、いれものである「コンテナ」に対して内容物は「コンテント」だという。なるほど。

昨日ぼくはあるライブハウスでライブをしてきた。出演したのである。この場合、ライブハウスを「コンテナ」、演奏内容・開催されたイベント自体を「コンテント」とみることができる

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旅せよ愛子(まなご)

旅せよ愛子(まなご)

わたしには息子がおります。上(2歳)、下(3か月)の2人です。可愛いです。

でも、ほっとくわけです。もちろんいつでもそうではありません、世話をすることもあります。妻がたくさん(常に)接してくれているので、わたしがそんな程度の意識でいられます。

「可愛い子には旅をさせよ」という言葉がありますが、この「ほっとく」意識が、息子たちに旅をさせることにつながるのではないかと思います。いつもそんな

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生活のたのしみ展(第4回、東京・丸の内)へ行ってきました

生活のたのしみ展(第4回、東京・丸の内)へ行ってきました

生活のたのしみ展に、4月18日木曜日13時頃〜15時ごろおじゃましました。

丸ノ内線・東京駅に到着したのち、会場を探して歩きました。丸ノ内ビルってとこだろう? と思いながら歩き、探し、歩き、探し、会場を見つけるのに20分ほどかかりました。あんまりに会場を見つけられないじぶんが楽しくなってしまうほどで、思えば僕の「たのしみ展」はあそこからすでに始まっていたのだなと思いました。

ちょうど

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おまつりの片棒担ぎ

おまつりの片棒担ぎ

こちらはヴァン・ヘイレンの『Jamp』を聴いておったところです。シンセではじまるイントロが印象的であります。『Jamp』が収録されているアルバム『1984』、勢いを感じる名盤です。

ゴシゴシしたロックをでかい音で部屋の空気を震わして聴くことは、今の僕にとってはなかなか難しいこととなりました。家族と一緒に住んでいるマンションの狭い空間では、誰かを巻き込むことなくそのような音楽の聴き方をするのは

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五臓六腑にヨーグルト

五臓六腑にヨーグルト

最近、ヨーグルトを野菜にかけて食べている。ドレッシングのかわりになるのだ。酸味と乳のコクのかたまりがみずみずしい野菜に乗ってワッと来るのがたまらない。

ドレッシングのかわりだなんて言ってしまったけれど、積極的意思によってそのようにしている。ヨーグルトさん、口がすべってごめんなさい。

400グラムくらい入るカップの中でぐるぐるっとかき回して、そのままちぎったレタスやらなんやらの上にすくっての

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食品・Xの波乱万丈ものがたり

食品・Xの波乱万丈ものがたり

僕はとうもろこしが好きだ。サッと茹で上げたばかりのとうもろこしのつぶつぶが歯に当たってぷつりとはじけ、芳しい香りとあまい汁が口の中に侵入してくる瞬間ときたら、たまらない。

子どもの頃にコーンフレークというものを知ったときには、衝撃を受けた。おもえば、僕のとうもろこし好きの原点はそこだったかもしれない。茹でたてのプツリ感とはまったく違うけれど、その独特の風味はコーンフレークにも残されている。む

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極東のニンニン

極東のニンニン

無駄にスケール感の大きいことを考える。その実のところは、話が飛躍しているだけで、哲学的でもなく論理的でもなく、ましてや理論的でもない。

具体的な数値やシチュエーションを、自分で導いたそのスケールの大きな話に代入しみても、有効な解が得られることもない。決定的な自己変革が起こることもなく、おおむね98パーセントくらいは昨日までどおりの僕としてのうのうと過ごすことになる。

おのれに2パーセン

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