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わたなべ はな
2023年5月7日 12:35
音楽を聴いてみても、本を読んでみても、テレビを観てみても、なんにもしっくりこない時はないだろうか。私はたまにそんな時がやってくる。時間を持て余しているから、何かしようと思うのだけれど、手を動かすこともなくて、じゃあ音楽を聴いてリラックス?などと思ってみても全然しっくりこない。結果、部屋の真ん中でぽつんと、時間の過ぎる音を聞く。そんな時の私はまるで、この世界の何にもフィットしていない感覚になる。
2023年4月15日 16:41
しまった。機会を逃してしまった。私は飛び起きた。昨晩は珍しく、夜中一度も目覚めずに今朝まで眠り続けることができた。またずいぶん寝汗をかいていたけれど、眠れたことの方が嬉しかった。起きて朝食を済ませてからも、まだ眠い。結局うたた寝をし、そのまま正午まで。しまった。目を開けたか開けていないか、意識があったかそうでないか、という夢と現実の隙間で気がついた。
2023年4月12日 13:36
とある画家がある朝、起き出したかと思ったら一気に白いキャンバスに色を置いていく。そんな風に、目覚めたら世界が一気に春になっていた。冬が嫌いというわけではないけれど、春になると、ようやく会いたい人に会えた様な気持ちになる。わくわくするとか、ときめくとか、そういった気持ちに自動的になる。春ってどこか特別で、主役級の華やかさがあるけれど、でも「主役」ではない。そんな感じがするのは、とてつもないイ
2023年3月31日 18:49
私は幼少期から病気を患い、人生の序盤で「普通」じゃなくなった。でもそうしたら「特別扱い」されるようになり、もちろん嫌なこともあったけれど、みんなと少し違う場所にいる感覚は、少しだけ幼い私を得意にさせた。けれどそんなに世の中は甘くない。すぐに「特殊扱い」もされるようになり、悪気の無い言葉も温度の無い言葉も冷たい言葉も、私に投げかけられては心に棘を残していった。どうやらその棘は溶けるのに相当な時間を要
2023年1月7日 11:41
テレビ番組で、2000年前に沈没した船に眠っていたとある円盤から、驚くべき発見があったと紹介されていた。それは数十個の緻密な歯車でできており、月の位置やオリンピックの開催年などが分かる機械。「言わば2000年前のコンピュータ」なのだそう。おお、すごい。これは驚いた。専門家も大変驚き歓喜したとのこと。「こんな文明が、2000年も前にあったなんて!」とテレビが言う。たしかに。と思う反面、どことなく、で
2022年8月29日 16:27
良い出来事は忘れやすいのに嫌な出来事はいつまでも覚えている。薄々答えは分かりつつもなぜなのか、と呟いた数日後テレビで答え合わせがあった。危険回避のため人間の脳はそうできているらしい。嫌な出来事や怖い出来事を鮮明に脳に記録するのである。ここで、なるほど、と手を打った。事故や自転車で転んだ瞬間などその一瞬、スローモーションになる。それは脳がその瞬間の情報を事細