わたなべ はな

詩やエッセイを書いています。 たまに映画や本の感想も。 ただいま心のお休み中。 絵本…

わたなべ はな

詩やエッセイを書いています。 たまに映画や本の感想も。 ただいま心のお休み中。 絵本『あるく と はしる』著(発売中)

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  • えほん『あるくとはしる』

    絵本『あるくとはしる』についての記事です。

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詩集が完成しました!

詩集が完成しました✑ ⁡ ✑˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗ ⁡詩集 『Life ーひかり と かげ の二面体ー』 ⁡  わたなべ はな ⁡ ▸表紙画:夜中つか ⁡▸印刷・製本所:ちょ古っ都製本工房 ⁡▸サイズ:B6 ⁡▸ページ数:104頁 ⁡▸価格:600yen(予定) ⁡˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗ ⁡ 愁いと小さな光を抱えてこの世界に生きる。 そんな

    • 文学フリマ東京38に出店します!

      ▸文学フリマ東京38 日時:2024年5月19日(日) 12:00〜17:00 場所:東京流通センター 第一・第二展示場 入場料:1,000円(18歳以下は無料) ⁡ わたなべ はな ブース場所:第二展示場 2階Fホール ブース番号:す-49 ⁡ ⁡ 来週です。 挨拶、お喋りだけでも嬉しいので、ぜひ遊びにいらしてください。 ⁡ ⁡ ▽販売する本 ⁡ ˗詩集˗ 『Life -ひかりとかげの二面体-』 ⁡ 愁いと光を抱いてこの世界を生きる言葉 ほっとため息をつきたい人へ ⁡ ⁡

        • 本『ゾマーさんのこと』

          『ゾマーさんのこと』 パトリック・ジュースキント ジャン=ジャック・サンペ 絵 池内 紀 訳 夏葉社の『冬の本』、その中で紹介されていた本『ゾマーさんのこと』。これがとても良かった。 今回はその話。 の前に、『冬の本』もまたとても素敵な本で、「冬」と「本」をテーマに書かれた84人様々な方々のエッセイ集。 見開き2ページの文章だけれど、本当にそれぞれに文体、エピソード、紹介する本が違っていて、とても豊か。 特に好みの文章があると、ほんの2ページの間に心がたたずむ。 それぞ

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        詩集が完成しました!

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          5本

        記事

          詩 昼ごはんのあと 頬杖と読書 鳥の囀りが遠のいて 突然出窓の外で 鯨が浮上し ゆっくりと身を翻し 海面を打つ その音に驚き 焦点を絞る 走り去る車 読みかけの海底譚 鳥が囀る

          詩 昼ごはんのあと 頬杖と読書 鳥の囀りが遠のいて 突然出窓の外で 鯨が浮上し ゆっくりと身を翻し 海面を打つ その音に驚き 焦点を絞る 走り去る車 読みかけの海底譚 鳥が囀る

          詩 あなたの名

          あなたの話し方や音程 あなたの感覚や視線が 私の骨に引っかかって その違和感が心地良く 折りに触れ声を聴けば 心の底にただ穏やかな 紺色の絨毯がひろがる でもあなたの名を私は覚えていない 深く静かな水底を持つ あなたの声をいつでも 思い出すことができる 青の奥に佇む凪の様な あなたの姿をいつでも 思い出すことができる でもあなたの名を私は覚えていない その名を音で捉えても その名を目が捉えても 私はまた忘れてしまう 今日あなたを夢に見ました 夢の中でも触れ得ぬ

          詩 あなたの名

          私は私に愚痴を言う

          やっと家に帰る 暇 つぶし 本を取る。 今日は読めるぞ、と思う。 なのに文字を喉元に通したら 体内に僅かな抵抗のざわめきが起きた。 薄い本だ 重くもない そう言い聞かせ再び文字を飲む やはりだめだ。 書きかけの詩は? その世界に入る気分でもはない。 まったく我が儘な私を、 持て余し愚痴を書く。 桜が咲いた 満開は近い 雨予報 明日は晴れ 忙しい週の休息日が唯一の花見時。 身体が泣いている、節々がうめいている。 「けれど桜を見ない一年なんて」 身体に鞭打とうとする自身を思い、

          私は私に愚痴を言う

          エッセイ 現状

          トイレで、久々に見る飛びグモが現れた日の翌日は、「この日から気温が暖かくなる」と予報されていた日で、川沿いを歩けば急に虫たちが飛びだした。 人間がテクノロジーを駆使して知ることを、虫たちはその感覚で知っているのだから、人間の知性のなんたるかを考えてしまう。 この頃は少し忙しかったためか、心身ともに変化があって。 テレビやスマホの画面から出てくる言葉の私の体内への透過性が低くなっている。 胸の細胞膜が言葉の侵入を嫌がっている。 虫たちがじっと春を待っていたように、私もまた

          エッセイ 現状

          エッセイ 貧血

          貧血なのだそう。 なんだか貧血っぽい。とかではなく、血液検査の結果が数値をもってそう示していて、正真正銘の貧血なのである。 そう言われれば、貧血っぽい。 自覚症状は特に無かったし、お医者さんにそう言われた時は首を傾げていたけれど、「貧血だ」と証明されてしまえば、たちまち日常生活に「貧血」が幅を利かせてくる。 そう言えば、立ち上がった時にややふわっとする。なぜか急に気分が悪くなる時がある。動いているものを見ると目が回りそうな感覚になる時がたまにある。なんだか頭がふわふわし

          エッセイ 貧血

          映画『PERFECT DAYS』

          映画『PERFECT DAYS』を観てきました。 素晴らしい映画でした。 ーーー 映画を観て体感として感じたものは、たとえるなら、机の角を指先で触る瞬間的刺激的な暇つぶしじゃなくて、掌と指、爪の感覚すべてで、机を触る、知る、感じるその「面」としての時間。日常。 そこには「角があるから四角い机」と、刺激的に短絡的に瞬間的に目の前のことをとらえていては知ることのできない、質感や凹凸、温度、空気の移り変わりが、日々、瞬間瞬間にとらえられ、微細なはずのものが余りにも豊かに存在していた

          映画『PERFECT DAYS』

          詩 自己治癒

          詩 自己治癒

          ティッシュ箱の小窓からティッシュを出すんじゃなくて、反対に小窓からティッシュを押し込んだみたいな、出すはずのものが出ないような、そんなぎゅうぎゅう感。今のこの胸の中はそんな戸惑いのティッシュ箱。 柔らかいけどぎゅうぎゅうに詰まるティッシュが心の中のそれと似ている。

          ティッシュ箱の小窓からティッシュを出すんじゃなくて、反対に小窓からティッシュを押し込んだみたいな、出すはずのものが出ないような、そんなぎゅうぎゅう感。今のこの胸の中はそんな戸惑いのティッシュ箱。 柔らかいけどぎゅうぎゅうに詰まるティッシュが心の中のそれと似ている。

          詩 ぼくらの命

          枯葉が梢から離れ地へ向かう ひらひら はらはら 今からさっきへ ひらひら はらはら 今からさっきへ かさ 間の枝葉に引っかかり ちょっとだけ 地へ向かうまでの ちょっとだけ いつ風吹けば はらはらと いつ鳥が休めば ひらひらと また地へ向かう合間の ちょっとだけ それは 小さくて凝縮された奇跡 それは ぼくらの命

          詩 ぼくらの命

          詩 懇願

          待つこと 何かと何かの間にいること 自分であること ひとつひとつを感じること その能力の鍛錬を 機械が代わりにしてくれた 即レス 効率と時短 可視化 情報社会 機会がつくった世界で 私は人でいる力を失いつつある 彼らは 「涙の流し方すら忘れてしまった。」 と言う 機械にとっては人間は海で その海に沈んで私は 息の仕方も忘れそうになる ドボン その瞬間 この瞬間 ただできることは 自分の体温を感じることと 誰かの体温を思い出すこと なのだろう きっと 人である

          エッセイ 約束

          奈良市に「ほんの入り口」というとても好きな本屋さんがある。(そしてとてもお世話になっている。)なにが好きって、もちろん置かれている本も興味深いものがたくさんあるのだけれど、そこで開かれるイベントがなんだかとてもおもしろい。 様々な物事の「入り口」をテーマにしたイベントが催されるのだけれど、先日はそのうちの一つ、「作文の入り口」というイベントに参加した。 そのイベントは、用意されたお題くじを参加者それぞれがランダムに引き、引いたお題を受けて文章を書く、というもの。なお、書く

          エッセイ 約束