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映画 『あんのこと』 『関心領域』


先月、映画2本をはしごで観てきました。

『あんのこと』
『関心領域』

世界の平和を願う声があげられる中、どうしても考えてしまう「日本の平和」。
果たして日本は「平和」と言える状況なのか。
誰もが「安全」に暮らせる国なのか。

『あんのこと』は実話をもとに作られた作品。
「彼女は、きっと、あなたのそばにいた」
「安全」「平和」とどこかで信じている私たちのすぐ隣に「あん」はいるのかも知れない。

エンドロールが流れ終わり、会場が明るくなってもなお、涙を抑えることが出来なかった。
日本にもたくさん、救える命はあるはずだ。


『関心領域』はアウシュビッツ収容所の隣で幸せに暮らしていた家族の話。

幸せな家族の暮らし。そこに聞こえる音や声、遠くに昇る煙。感覚や想像を研ぎ澄ませていてはまともに観ていられない気持ちで観ていた。が、だんだん何かが麻痺していくことを理解してしまう自分に驚く。人間の残酷さ恐ろしさに絶望しそうになった。

けれど、やはり人間は「まとも」ではいられない。それ程人間は「まとも」なはずなのだ。

だからきっと人間には抑止力もあり、学び、悔い改める力も持っている。今はそう信じる力をギュッと持っていないといけない、と、自分に言い聞かせる。

この映画を観て、改めて今この世界に同じくある状況を悲しく思うと同時に、その複雑さを思った。

私たちは物理的にすぐ隣で暮らしているわけではないけれど、インターネットやメディアが掌にある世の中で、それは「すぐ隣」の出来事と同じではないかと思う。


もちろん、私たち自身も「命」を抱え、脈を打ち続けていくのだから、自らが心身共に健やかに「生活」をしていくことが優先される。

けれど、麻痺することなく感覚や想像を研ぎ澄ませ、やはり声を上げ続けないといけないと改めて思う。「まとも」じゃなくならないように。

すぐ隣の世界にも、救える命がたくさんあるはずだ。