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記事一覧
短歌連作30首「ハルシネーション」
春は死ね 本当みたいに嘘をつく人を生み出し続ける罪で
同じ顔(自分も含む)植え込みは綺麗に揃っていて馬鹿みたい
交流と称した星座占いで八位としての正しい仕草
ピノキオのようにすくすく育つ枝 死体が埋まってるとか怖〜い
今回は他人の個性を受け入れず一緒に笑うのが役割か
好きなもの好きって言うと希釈した千鳥みたいな揶揄がついばむ
靴下や心の穴をへらへらと話題の材料にしてしまう
いい感じの
さびしくならないサラダを探して<第一話>
屋上植物園のようになった<天神屋デパート>の屋上には、半円型の舞台があって、その前にはベンチがいくつか置かれている。それは3列並んでいて背もたれに描かれたペコちゃんマークはすでに錆びていて、すごく末枯れた風情を醸し出していた。
雨ざらしのせいか、さびさびでペコちゃんはもうペコ姐さんって感じで、傷だらけの舌をたらりと垂らしたまま、ずっと屋上のベンチの背もたれにいた。
わたしはここに居るペコちゃ
頂き女子りりちゃんのマニュアルを読む
頂き女子りりちゃんこと渡邊真衣被告(以下りりちゃん)のマニュアルが公開されている、というので読んでみた。
その前に、記念すべき小生のnoteデビューの一発目記事が、なぜこんな俗っぽいものなのかといえば、このnoteは私が目標とする「茨城動物王国(仮称)」建設のための資金作りが目的だからである。可愛い動物たちと一緒に暮らす広大な屋敷や設備の購入には資金が必要なのだ。
さらには現在3匹いる猫
スラヴォイ・ジジェク著『絶望する勇気 グローバル資本主義・原理主義・ポピュリズム』を読む
1.はじめに スラヴォイ・ジジェク氏とは1949年に生まれたスロヴァキア出身の現代思想で高名な哲学者である。そのスラヴォイ・ジジェク氏(以下ジジェク氏略)の立場として一部の国や企業が利になる資本主義を批判して統制経済の復活を唱えているものの、私の立場としては統制経済は一つの機械であり、歴史的に旧ソ連では二等国に近いソビエト連邦の近隣にある友好国や構成国を中心にロシアが利益になるように設計された経済
もっとみる「斜めから見る: 大衆文化を通してラカン理論へ」紹介
スラヴォイ・ジジェク著『斜めから見る: 大衆文化を通してラカン理論へ』は、現実と幻想、欲望とその根源についての深い考察を通じて、ラカン理論をわかりやすく解説しています。本書の中でジジェクは、現実界を「現実」に穿たれた穴、つまりブラックホールのようなものとして捉え、その穴は幻想空間の剰余を含んでいると述べています。この視点により、私たちは現実を象徴界として、共同主観的なものとして見ることができるので
もっとみるジジェク『パララックス・ヴュー』第一章第一節を読む
スロベニア生まれの現代哲学者、スラヴォイ・ジジェクの主著の一つに、『パララックス・ヴュー』(山本耕一訳、作品社、邦訳2010[原著2006])という大著がある。
『パララックス・ヴュー』はとても綺麗な構成として書かれており、
第一部「星のパララックス」
第二部「太陽のパララックス」
第三部「月のパララックス」
という三部構成で、それぞれの部に二章分があてられている。計六つの章の間に、二つのインタ
「セックスのファストフード化が加速している」 スラヴォイ・ジジェク(哲学者)
『COURRIER』
https://courrier.jp/cj/364988/?utm_source=newspicks&utm_campaign=364988
スラヴォイ・ジジェク(75)にインタビューするのは、筆舌に尽くしがたい体験である。哲学者、精神分析家、文化理論家、政治活動家、ロンドン大学バークベック人文学研究所インターナショナル・ディレクター、そしてスロベニア共和国の元大統領候補
〈ウォーク左派について-スラヴォイ・ジジェックのエッセイを手掛かりに〉【改訂版】こたつぬこ(木下ちがや)
1, ウォーク左派の衝撃
2024年7月15日に、韓国のハンギョレ新聞電子版に掲載された、左派の思想家スラヴォイ・ジジェクのエッセイ「ポピュリスト右派とウォーク左派の共謀」の邦訳が発表されてから、ウォーク(woke:覚醒した、目覚めた)左派という言葉が急速に普及している(注1)。欧米ではウォーク左派という言葉は少なくともここ5年の間に使われるようになっていたが、日本でいま普及
「仏教文学の新しいジャンルを切り拓いてきたと言ってもいい」伊藤比呂美さん話題の単行本がついに文庫化!/『いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経』曹洞宗僧侶・藤田一照さんによる文庫解説を公開
伊藤比呂美さんは、「ひろみ」と呼ばれると快感を感じると言う。だから、僕は彼女のことをいつも「比呂美さん」と呼ぶことにしている。僕と比呂美さんは二〇一四年八月一日の夜、名古屋市内のとある居酒屋で初めて顔を合わせた。僕が一九五四年生まれ、彼女が一九五五年生まれだから、その年、僕は還暦を迎え、彼女は還暦一年前というタイミングだったことになる。お互いいい歳になってからの邂逅だ。もっとも僕の方は、東京大学
もっとみる講演「ショートショート作家の頭の中 ~来歴から、創作活動のあれこれまで」
この記事では、ショートショート作家 田丸雅智の「作家になるまでの話」から「作家活動のあれこれ」さらには「簡易版の書き方講座」まで、活動にまつわる様々なことをご紹介します。
かなりの分量で恐縮ですが、目にとまったところからでも、ぜひ読んでいただけるとうれしいです!
なお、この記事は2023/11/2に開催された「第75回愛媛県国語教育研究大会(新居浜大会)」で、田丸雅智が「ショートショート作家の頭
漂着ちゃん | 第1話 [創作大賞2024] | ファンタジー小説部門
[ あらすじ ]
漂着ちゃん 第1話 リュックサックにロープだけ入れて山を目指した。日に数人しか利用客がいないような駅だったらどこでも良かった。駅周辺には、数件の家屋しか見えない。そこに魅力を感じたから下車した。
細い道が一本あって山頂へとつづいている。けもの道だろう。だったらなおさら好都合だ。道なりに進んで行った。それにしても長い道である。もうすでに人家はひとつも見えなくなっていた。なのに