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#みんなの文化 (曳航の足あと) No.3

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みんなの文化 第3号目です。 大体、250~300ページで、次号へ向かいます。 こちらでは、わたしの代弁をしてくれる、あるいは、わたしを新しい世界へと導いてくれた大切な記事を、…
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2021年9月の記事一覧

谷崎潤一郎の陰翳礼讃

谷崎潤一郎の陰翳礼讃

という随筆は超有名なので、たくさんの方が読んでおられると思う。
要は、日本の伝統美は、闇や影が作り出す、陰影の最中にこそある、的なことを具体例を挙げながら延々と語っている。
例えば、夏目漱石も言っていたけど、羊羹の色は最高に和的でクールだよね、的な感じことである。

本作の結びは、まぁ、試しに電灯を消してみることだ、という言葉である。
ここに書かれている陰影というものは、別に東洋に限ったものではな

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第3話 専門学校を1週間でやめた時に残ったモノ

第3話 専門学校を1週間でやめた時に残ったモノ

高校を卒業し、
名古屋にある理学療法士になるための専門学校に通い始めました。


理学療法士を選んだのは身体を動かすことができ、

かつ専門的な分野を極めていく事は楽しそうだな、という理由からです。


ですが、ここで大きな問題が生まれました。


それは愛知県の碧南市という、
どちらかというと田舎よりの、穏やかな町で過ごしてきた僕にとって、

朝の満員電車と、

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誰も認めてくれなくても、信じ続けることができるか

誰も認めてくれなくても、信じ続けることができるか

僕の魂には
大きな火があるのに、

暖まりに来るものは
誰も いません。

(フィンセント・ファン・ゴッホ)

向日葵の絵画で有名なゴッホが、
弟テオに宛てた手紙。

生涯に描いた絵、2100枚。
生前に売れた絵、1枚。

37年の生涯を生きるには
どんなに孤独で長かっただろう。

ただ1人、弟のテオだけは兄の才能を信じて絵を売りにいく。

「かれの中には、まるで二人の人間がいるみたいだ。

一人

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未来を見据えて

未来を見据えて

音楽を聴きながら書いたので
流しながらお読み頂ければ幸いです。

たまにはスイッチの入ってない記事を
恐らくあなたがこの記事を読んでいる頃
俺はもう東京のこの街にはいない

と大袈裟に書いたけど
水道屋の仕事が埼玉の上の方
春日部の上あたりかな
その後、もう一件仕事が有る

ただYOUが12時間noteをひらかなければ
俺は何を書いたのか?
あなたは何を読んだのか?という事になる
そういう時間軸の

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「子どもがほしい」がわからなかった話

「子どもがほしい」がわからなかった話

こんにちは、編集とデザイナー夫婦の夫のほうです。

現在、僕たち夫婦は妊活中です。
そのような状況にあってこんなことを言うのはとてもおかしなことに聞こえるかもしれないのですが。。

僕は、「子どもがほしい」という気持ちがわかりませんでした。

いや、子どもが嫌いだというのではないのです。
むしろ子どもは好きなほうだし、子どもがいる生活というものもありだなと思うのです。

でも、それを「ほしい」とい

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うーん…頭痛…

11日にワクチン2回目
12日熱がバーッと上がってもだえ苦しみ
今日はわりかし元気です。

特に意味はないですが
マグロを描きました。

すべてを自分でやろうとしない

すべてを自分でやろうとしない

ひとに頼る、助けを求める、ときに甘える。こういった類がずっと苦手でした。

できもしないのに、すべてを自分でやろう、やらなくちゃと思う質で。

できないのは恥ずかしいことではないし、できるひとに委ねるのはお互いにとってWin-Winなのだと理解したのは、ここ3、4年くらいじゃないかしら。

それで今回、潔くプロに任せよう、プロから教わろうと思ったのが「パピートレーニング」でした。ラブラドールレトリ

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夏の名残の千疋屋氷菓

夏の名残の千疋屋氷菓

思い出したように蝉が鳴いている。高気圧の最終クリアランスセールのごとく、関東はまた少し気温の高い日が続いた。冷凍庫の奥にしまい込んでいて、食べ損ねていた千疋屋総本店のシャーベット日和。

貯めに貯めた某ポイントで購入した「センビキヤスゴイタカイアイス」。

そういえば、シンカンセンスゴイカタイアイス、お取り寄せできるとは知らなかった。新幹線、いっときは毎月乗っていたのに、数年乗っていない。

千疋

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続けるための目印

続けるための目印

4年前に描いた漫画に、「いいね」をしてくださった方がいた。

読み返すと、荒かったがこの時はこの時なりに表現したいことと格闘していたのだな…と思える出来だった。今見るとシーンの遷移がわかりづらかったり、状況の説明が足りていなかったりするので、これは読者は読みづらいだろうと思うのだけど(私は、やろうとしていたことを覚えているから読めるのだけど)、自分なりに感じたことを、絵や言葉といった記号に落とし込

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生と死の視座~「ノルウェーの森」の謎をとく。

  Wind rises ,I have to try to live.

⭐ノルウェーの森にわけ入って
     (改訂版 その3)

 前回、ノルウェーの森という物語の展開した1969年を中心とした日本社会の現実のイメージについて語った。それを読んで(あるいは、知って)ある事実に気づいた方は、いないだろうか?それは、その時代の社会の喧騒や混乱が、この物語のなかにいると全く感じられないことだ。こ

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読書記録:羽泉のブックログ 〜大澤めぐみ『おにぎりスタッバー』〜

読書記録:羽泉のブックログ 〜大澤めぐみ『おにぎりスタッバー』〜

 こんにちは、羽泉です。

 去年からの読書漬け生活の中で出会った、心震える素晴らしい小説作品の数々をご紹介したいと思います。

 今回ご紹介するのは、角川スニーカー文庫から出版されている大澤めぐみ先生のデビュー作『おにぎりスタッバー』です。

《 あらすじ 》

 女子高生の中萱梓 (なかがや あずさ)・通称アズは、地味な見た目に反して街で男を漁っているらしいという危険な噂の持ち主。そんなアブノ

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