雪雪

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my love poetry reading.   フレデリック・ロルフの『THE DESIRE AND PURSUIT OF THE WHOLE』の翻訳を趣味で。 最も愛するのは稲垣足穂、マーロン・ブランド、ブレードランナー2049。

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  • タルホと月(稲垣足穂について)

    ブレードランナー関連/稲垣足穂関連/思想関連

  • THE DESIRE AND PURSUIT OF〜翻訳版

    フレデリック・ロルフ、コルヴォー男爵の遺作『THE DESIRE AND PURSUIT OF THE WHOLE』の翻訳連載です。 意訳超訳お許しください。

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    私の理想とする文学への憧憬が込められた作品を集めています。

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The Ding Dong Song

夕暮れに青く染まったモスクから巡礼の声が聞こえ漏れてくる。瓦斯灯に灯りが点って、街々から人の気配が薄れていく。 僕は坂道を駆け上がって、滑り込みセーフで昆虫館の扉を叩く。館長は椋木の椅子に腰掛けていて、眠たそうにその黒い口髭を擦っていた。僕の姿を見ると立ち上がり、手を振ってくれた。 お父さんが僕をここに連れてきてくれたのだった。それから、もう毎週、毎週、通っている。本当には毎日来てもいいくらいだった。昆虫館とは言うけれども、小さな標本を扱った店だ。 日本だけではなく、台湾

    • アンパンマン伝説

      今日、初めて劇場版アンパンマンを劇場で鑑賞する。 無論、子連れである。 最近、子供がアンパンマンが超大好きで、何でもかんでも「アンパンマン!アンパンマン!」と言っている。 アンパンマン神通力は識っていたが、実際、アンパンマンは子供にとっての神に等しい。それも、長くても5歳頃にはほぼ消える神だ。 今年の映画はなんと、ばいきんまんが主役だという。 ちゃーんとムビチケカードを購入し、特典のポシェットもゲッツ! 今、Amazonプライムなどでアンパンマン映画を軒並みながら観し

      • 小林秀雄、意味不明

        私は小林秀雄が嫌いである。 なので、小林秀雄が好き、と人に言われると、この人とは気が合わなそうだ……と思ってしまう。 そういう、自分にとってのリトマス紙的作品は多くある。 私は難解なものが嫌いなわけではない。寧ろ、自分に興味のある思想、分野では、わからずともわかるまで何度も読む。 然し、小林秀雄の場合は、難解、と、いうよりも意味不明で、読んでいて、一つとして感銘を受けたことがないので、苦手なのである。 私はモーツァルトは好きではないし、詳しくない。なので、この本を読むべ

        • 『百年の孤独』の新潮社文庫が一昨日出たので購入。 マジック・リアリズムかぁ。 まだ読んだことないので楽しみ。でもまぁ、読み終わるの多分9月くらいだな。

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        The Ding Dong Song

        • アンパンマン伝説

        • 小林秀雄、意味不明

        • 『百年の孤独』の新潮社文庫が一昨日出たので購入。 マジック・リアリズムかぁ。 まだ読んだことないので楽しみ。でもまぁ、読み終わるの多分9月くらいだな。

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          文章で世界を創るために。塚本邦雄の鎮魂歌

          塚本邦雄の掌編小説、『葡萄鎮魂歌』は私の好きな小説の一つである。 今は、河出文庫の『トレドの葵』で読める。 ちょうど、先週が夏至、だったので、まずは収録されてい表題にもなっている『夏至遺文』から。 普通にネタバレもしていく。が、ネタバレなど、塚本邦雄の小説にとっては何ら瑕疵を与えることはない、些末な問題でしかない。 『夏至遺文』は文庫本でわずか2ページほどのものだが、なかなか強烈なインパクトを放っている。遺文、とは、個人が生前に書き残した文章、なのであるが、今作は一人の

          文章で世界を創るために。塚本邦雄の鎮魂歌

          4作目ってのは意外と面白いんだよ、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』

          Bad boys Bad boys Whatcha gonna do? Whatcha gonna do when they come for you? と、いうわけで、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』を観る。 Tジョイ京都のレイトショーにて。 1作目は1995年、2作目は2003年、3作目は2020年、である。4作目は前作から約4年半ぶりの公開だが、2から3のスパンにかけては、大分短い。 4は既に米国で1億ドルを超える売上で、まぁ、5も作るのかもしれない。

          4作目ってのは意外と面白いんだよ、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』

          バッドボーイズ4を観てきた。3と地続きの話だな。やっぱり好きだな、バッドボーイズ。

          バッドボーイズ4を観てきた。3と地続きの話だな。やっぱり好きだな、バッドボーイズ。

          書店パトロール50 私の芸術的菩薩

          今日も今日とて文芸コーナーに。 この書店パトロールという駄文、これは、私が気になった本を、買わずに書いているだけだが、まぁ、なんというか、書くことによって、買った気分を味わう、というか、そんな効用が自分にあるものだから、書いている。 まずは目についたのは『夏目漱石 解体全書 増補版』。 2017年に発売された書籍の増補版である。夏目漱石。つまりは、1,000円札である。1,000円札は、マーベル・ヒーローたちよろしく常に新世代にバトンタッチしていく(まぁ、5,000円札

          書店パトロール50 私の芸術的菩薩

          1999年の夏休み

          私の中で山田章博は、『フロントミッション3rd』であり、『マーメノイド』である。 私は、ファミ通を貪るように読んでいた。そうして、新発売のゲームソフトの記事で、よく、山田章博の絵を目にしていた。 けれども、妻にとっての山田章博は『十二国記』だという。 ちょうど、これらのゲームが発売された頃、ちょうどその頃は1999年、空からアンゴルモアの大王が降ってくるという、そんな年だった。 私にとり、『1999年の夏休み』とは、ある種黄金時代だったので、そのような恐怖よりも郷愁の方

          1999年の夏休み

          6月は『ヴィンランド・サガ』の最新刊が1年ぶりに出る。 それよりも凄いのは、『ヒストリエ』の第12巻!5年ぶり! 楽しみ〜。

          6月は『ヴィンランド・サガ』の最新刊が1年ぶりに出る。 それよりも凄いのは、『ヒストリエ』の第12巻!5年ぶり! 楽しみ〜。

          訴ふる痛みを快楽(けらく)のごとく聴く楽譜を壁にはりつけて夜は 春日井建 短歌

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          吉田修一『国宝』、それは岩本虎眼へと至る道

          『国宝』を読み終える。 2018年に刊行された吉田修一の作品である。これの文庫を最近ちまちまと読んでいたのだが、ようやく読み終えた。 歌舞伎の話であり、来年映画化される。主演は吉沢亮さんで、共演は横浜流星さんである。 無論、ニコラス・ケイジ主演の『ナショナル・トレジャー』ではない。 前篇の青春篇、後篇の花道篇とあって、800ページの大著である。 吉田修一、と、言えば、映画化された作品が多くあって、私も、小説は読んでいないのだが、『悪人』、『怒り』、『横道世之介』は観

          吉田修一『国宝』、それは岩本虎眼へと至る道

          書店パトロール49 そうか、YASUNARIは魔界に行きたかったんだね。

          日常系、という言葉は常日頃から耳にするし目にする。然し、騎士の日常とはどういうことだ。 つまりは、騎士、というのは、私にはすごい憧れのある存在であり、この本もパラパラ読んでみるが面白い。なんてったって騎士。騎士、といえば、やはり、私にはリドリー・スコットの映画が思い出されるし、『キングダム・オブ・ヘブン』は常に心の1本なのである。 この年、2005年に公開された今作では、錚々たるアクターたちの中に、ひよっこ感満載のオーランド・ブルーム(以下オーリー)が混ざっており、この前

          書店パトロール49 そうか、YASUNARIは魔界に行きたかったんだね。

          日本の美少女、八百万のアリス。

          『不思議の国のアリス』という作品は世界で大変に人気のある作品で、特に、様々なアーティストに影響を与えて、それをモティーフに様々な作品を作らせることが多々ある。 ファン層も広いが、女性のファンが特に多いだろう。 ティム・バートンが(そう言えば、ティム・バートンの最新作は『ビートルジュース』の続編である『ビートルジュース・ビートルジュース』だという。大事なことなので2回言ったのだろうか、これも死語)2010年に監督した、『アリス・イン・ワンダーランド』は、当時ウルトラに人気だっ

          日本の美少女、八百万のアリス。

          Netflixで観た5本

          最近、NetflixとAmazonプライムで映画を観続けている。 映画館に行く最大の敵は時間の確保だが、まぁ、どうも配信ではながら観になるので、しゃぶり尽くしているとは言い難い。 まず、昨年公開された『怪物の木こり』を観る。 三池崇史監督の新作である。亀梨和也主演の、サイコパスVS連続殺人鬼、という、頭の悪そうな題材の映画なのだが、なかなかのバイオレンス。血がビュービューである映画であり、その辺りは頑張っているのだが、然し、如何せん、今作で連続殺人鬼に狙われる人物が尽くサ

          Netflixで観た5本

          六月の夜のバースディプレゼント

          6月…。夏至。そう、もうすぐ夏至であり、私の誕生月。 私はマリリン・モンローと同じ日に生まれた。それから、『ブレードランナー2049』のシルヴィア・フークス! そんな私の6月、六月の夜の都会の空、であるが、ついに!念願叶い!ゲットした…!嬉しくて、涙がちょちょ切れる……。 そう、稲垣足穂の『ヰタ・マキニカリス』の的場書房版限定100部本の1冊! この1冊、どれだけ欲しかったか……。夢にまで視た1冊……。 1948年に書肆ユリイカから発売された限定500部本の『ヰタ・マ

          六月の夜のバースディプレゼント