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タルホと月(稲垣足穂について)

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ブレードランナー関連/稲垣足穂関連/思想関連
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記事一覧

いと美しき少年の寝顔  『君たちはどう生きるか』の感想

スタジオジブリの最新作『君たちはどう生きるか』をIMAXにて鑑賞。 感想などをネタバレを交え…

雪雪
9か月前
25

美しき稚き婦人に始まるA感覚童話映画『君たちはどう生きるか』の感想

先日、『君たちはどう生きるか』を初日に鑑賞し、それから、何度も頭の中で反芻する度に、今作…

雪雪
9か月前
27

少年自身

「迫るような森を背に鳥居がある。そこを潜ると屋敷が見えてくる。ふたなりの主人がお前を待っ…

雪雪
8か月前
7

稀覯雑誌『ADONIS』

ついに、念願叶って、『ADONIS』を手に入れた。 創刊号から順に5冊。初期本である。 これは私…

雪雪
8か月前
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『一千一秒物語』と『タルホと月』

最近、2つのことをしていて、それで時間がどんどん無くなる。 一つは稲垣足穂の『一千一秒物…

雪雪
7か月前
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タルホと月⑳ 『彌勒-MIROKU-』

林海象の映画『彌勒-MIROKU-』に関して。 『彌勒-MIROKU』は2013年に公開された作品で、稲垣…

雪雪
7か月前
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タルホと月㉑ 聖なるものと俗なるもの

稲垣足穂という稀代の怪人、魔神に関して。 先日、足穂の墓がある京都の法然院を訪ったところ、ワンカップ大関が供えられていて、まぁ、足穂はアル中だったので、中々粋な計らいをする御仁がいたものだ。 私は百合の花を手向けて手を合わせた。 彼の視てきた様々なアルコール幻覚、その禍々しい奇怪なものを見たあと、決まって足穂は酒をやめて、暫くは聖者のように寡黙に暮らす。 針で突けば酒が吹き出しそうな程に飲み、むくみ、剰え下痢までするとは志代夫人の談で、これは最悪極まりないが、その破壊の後

タルホと月㉒ 西山金蔵寺と日本最古のボーイズ・ラヴ♡本? 『秋夜長物語』

京都は洛西に西山金蔵寺なる寺がある。 桂川を超えて、洛西ニュータウンを超えていくと、いき…

雪雪
7か月前
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ADONIS&SATYR-アドニスとサテュロス

第一章 ある熱帯のヴィラにて 作品は何度でも改稿され複製される。これも例外ではない。 自…

雪雪
8か月前
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ブレードランナー2049とルヌガンガ

私は『ブレードランナー』、『ブレードランナー2049』が大好きだと常に言い続けているが、私は…

雪雪
1年前
25

親友という百合の花、歌劇団の代理恋愛 

川端康成の小説に『親友』という作品があって、これは少女小説である。 これは川端康成幻の作…

雪雪
1年前
31

『少年愛の美学』および、クナーベンリーべの近親相姦的美学』  稲垣足穂考/タルホと…

マクラ 夜半、自宅へと向かうバスが目的地へと着き、降車すると夏至の匂いがする。それは、「…

雪雪
11か月前
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美女ナリアム

藝術に美女、乃至は美少女はつきものである。 美少年、美青年というもの同様だが、現代社会で…

雪雪
11か月前
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『アドニス』と三島由紀夫

往書月刊の『アドニスの杯』特集号を購入。これも古書。あんまり出ないんだよね。 『ADONIS』は会員制のゲイ雑誌で、文学者も何人か変名で寄稿していた。代表格は三島由紀夫。彼は神山保というペンネームで『愛の処刑』という作品を寄稿している。 『ADONIS』は当然、会員制であり、今はもう半世紀も前の古書なので、入手が難しい。私も幾つか欲しいNo.があるのだが、まぁ、なかなか出てこない。 全63号で、1952年から1962年の10年間刊行されていた雑誌だ。 この特集号の寄稿者