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my love poetry reading.   フレデリック・ロルフの『THE D…

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my love poetry reading.   フレデリック・ロルフの『THE DESIRE AND PURSUIT OF THE WHOLE』の翻訳を趣味で。 最も愛するのは稲垣足穂、マーロン・ブランド、ブレードランナー2049。

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    フレデリック・ロルフ、コルヴォー男爵の遺作『THE DESIRE AND PURSUIT OF THE WHOLE』の翻訳連載です。 意訳超訳お許しください。

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記事一覧

サファイアが一番好き 私の人形愛

人形、と、いうものに、非常に興味がある私である。 そんな私のもとに、一通のメルマガが届く。 この秋に、大阪のフェニーチェ堺において、チェコの人形劇の上演がある、…

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3日前
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HUNTER×HUNTERが連載再開か…。これでまた10週連続ジャンプを買う日々が…

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4日前
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映画を観ていると心に風が吹き、血が騒ぎ、胸が乱れる。

また、Amazonプライムで映画を観る。Netflixは、最近あんまりコネクトしていない。 『乱』を観る。乱、という漢字。乱打、乱心、乱交、乱視、乱獲、乱れる乱れる。 私は、…

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5日前
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福永武彦『風土』と藝術の夏

お盆ももう終わり、そうすると、夏の終わりがいよいよ始まる。今年もあと少しである。そんな夏の始まりと終わりの小説が『風土』である。 『風土』は福永武彦の初長編小説…

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7日前
10

書店パトロール56 私が一番好きなのはアセルス

暑い日は書店でパトロールに限る。 京都の夏は暑い、と言われているが、まぁ、暑い。なので、書店のように、キンキンに冷えた(まぁそんなことはないんだけど)、屋内環境…

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11日前
17

書店パトロール55 番外編 下鴨納涼古本まつり 

昨日から8月16日まで、下鴨神社の糺の森にて古書祭りをやっている。ので、暑いけど、車を飛ばして行く。 然し、無論、駐車場は埋まっていて、なんとか500m圏内に停めて、暑…

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12日前
22

ハルキ、ワタシ、ワカラナイ……『めくらやなぎと眠る女』

まず、第一に、私は村上春樹の小説は1冊も読んだことはない。 そんな私だが、村上春樹の映画、『バーニング/完全版』、『ドライブ・マイ・カー』、『ノルウェイの森』、な…

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12日前
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京都のアスタルテ書房が今年の10月に閉店とのこと。既に引継ぎの話が進んでいるらしいが、あの蠱惑的な空間に確実に行けるのはあと2ヶ月足らずか、ああ。引継ぎ次第では変わらないのかな?

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13日前
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die guten alten Tage

彼女からは教会の香りがしました。だから、惹かれたのかもしれません。 彼女と会ったのは、ちょうど、そのバルコニーから神戸の街並みと海を見渡す事ができる、一昔前は外…

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13日前
10

俺俺詩人 村山槐多

西村賢太の小説、『疒の歌』の表紙絵は村山槐多である。 村山槐多。夭逝の詩人、画家にして天才。 私は、あんまり天才、天才、というのは嫌いなのだけれども、村山槐多は…

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13日前
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妻であり、母であり、女優である。

先日、虫明亜呂無の本を読み返していて、その中の、パルコのCMのドミニク・サンダについてのエッセイを読んでいて、そこから私はドミニク・サンダへと思いを馳せた。 ドミ…

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2週間前
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真珠郎はどこにいる。横溝正史の初版本

先日、ネットオークションで横溝正史の『真珠郎』の六人社版の初版本が出ていた。お!と驚きながらも、私は数日ほど、様子見をしていた。 『真珠郎』の六人社版は頗る装丁…

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2週間前
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書店パトロール53  本を出したい!と狂おしいほど熱望している人もいるのに果たされず、今日もどうでもいい本が出版されている…

軽い本が読みたいなぁ、と思っている。然し、意外と、なかなか、軽い本を買う勇気が出ない。 本は、その質量に応じて金額が異なるが、然し、軽くて読みやすい、そういう本…

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2週間前
22

最後の夏休みを再生するー『アフターサン』

『アフターサン』を鑑賞する。 昨年から観たかったが、最近Amazonプライムに入ったので。 結論から言うと、まぁ、めちゃくちゃ良い映画だったが、万人にはオススメできな…

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2週間前
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ことばの国のアリス

一穂さんは悲しく 順三郎さんはさびしい 修造さんははなやぎ 由紀夫さんはあわれ 詩人たちは貧しく 男たちはよわい 子供たちはたわむれ そしてたがいに傷つく わた…

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2週間前
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7時間19分、映画『サタンタンゴ』をようやく観る。 時間とは何なのか。

『サタン・タンゴ』をAmazonプライムで観る。7時間19分である。439分である。長すぎる。 原作はクラスナホルカイ・ラースロー。 ハンガリーの小説家だ。無論、これをお読…

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3週間前
17
サファイアが一番好き 私の人形愛

サファイアが一番好き 私の人形愛

人形、と、いうものに、非常に興味がある私である。
そんな私のもとに、一通のメルマガが届く。

この秋に、大阪のフェニーチェ堺において、チェコの人形劇の上演がある、というのだ。チェコ、それは、人形劇のメッカ。調べてみると、なんと、ロームシアター京都でも上演されるようで、うーん、観たいなぁ、という思いが募る。

チョコの人形劇、ということで、私は一つの小説を思い出していた。

私の好きな小説家の津原泰

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HUNTER×HUNTERが連載再開か…。これでまた10週連続ジャンプを買う日々が…

映画を観ていると心に風が吹き、血が騒ぎ、胸が乱れる。

映画を観ていると心に風が吹き、血が騒ぎ、胸が乱れる。

また、Amazonプライムで映画を観る。Netflixは、最近あんまりコネクトしていない。
『乱』を観る。乱、という漢字。乱打、乱心、乱交、乱視、乱獲、乱れる乱れる。

私は、『乱』は観たことがなかった。

なので観たのだが、ここに『クレヨンしんちゃん アッパレ戦国大合戦』の元ネタがあるとは識らなんだ。

26億円の制作費だが、配給収入が16億円ほどで赤字になったそうだ。26億円の場合、大体50億

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福永武彦『風土』と藝術の夏

福永武彦『風土』と藝術の夏

お盆ももう終わり、そうすると、夏の終わりがいよいよ始まる。今年もあと少しである。そんな夏の始まりと終わりの小説が『風土』である。

『風土』は福永武彦の初長編小説である。
以下、普通にネタバレをする。

10年間をかけて書かれた大作で、堀辰雄に捧げられている。福永は堀辰雄と親しく、彼に憧れていた。
『風土』は、以前私が読んだ同人誌で、福永武彦本コレクターの方が大量に蒐めている記事を書いていて、『風

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書店パトロール56 私が一番好きなのはアセルス

書店パトロール56 私が一番好きなのはアセルス

暑い日は書店でパトロールに限る。
京都の夏は暑い、と言われているが、まぁ、暑い。なので、書店のように、キンキンに冷えた(まぁそんなことはないんだけど)、屋内環境で本を物色できるのは最高だ。

私は、映画コーナー、文学コーナー、建築コーナー、サブカルコーナー、旅行コーナーをぐるぐる周っている。
で、今日は映画コーナーから。

日本人は坂本龍馬が大好きだ。私はそんなに好きではない。だが、小山ゆうの漫画

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書店パトロール55 番外編 下鴨納涼古本まつり 

書店パトロール55 番外編 下鴨納涼古本まつり 

昨日から8月16日まで、下鴨神社の糺の森にて古書祭りをやっている。ので、暑いけど、車を飛ばして行く。
然し、無論、駐車場は埋まっていて、なんとか500m圏内に停めて、暑い暑い言いながら行く。
会場に着くと、砂塵が舞っている。蜃気楼のようにテントが立ち並び、大勢の人でごった返していた。私は既に後悔していた。と、いうのも、私はあんまり人混みが好きではないのだ。
然し、良い本はないかと、棚を漁っていく。

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ハルキ、ワタシ、ワカラナイ……『めくらやなぎと眠る女』

ハルキ、ワタシ、ワカラナイ……『めくらやなぎと眠る女』

まず、第一に、私は村上春樹の小説は1冊も読んだことはない。

そんな私だが、村上春樹の映画、『バーニング/完全版』、『ドライブ・マイ・カー』、『ノルウェイの森』、などはしっかりと鑑賞しており、どれも雰囲気は好きである。

そんな私だから、もう、本じゃなく、ムーヴィー、であるので、村上春樹原作の『めくらやなぎと眠る女』を鑑賞した。

フランスのアニメーション映画、であり、私が観たのは日本語吹替版であ

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京都のアスタルテ書房が今年の10月に閉店とのこと。既に引継ぎの話が進んでいるらしいが、あの蠱惑的な空間に確実に行けるのはあと2ヶ月足らずか、ああ。引継ぎ次第では変わらないのかな?

die guten alten Tage

die guten alten Tage

彼女からは教会の香りがしました。だから、惹かれたのかもしれません。

彼女と会ったのは、ちょうど、そのバルコニーから神戸の街並みと海を見渡す事ができる、一昔前は外国人倶楽部のメンバーが会食に使っていたという、高台にある迎賓館でした。
そこで行われた会員制のパーティーに、なぜ私のような者が闖入していたかというと、先生からその招待状を頂いたからでした。
「君は僕に背格好だけじゃなく、顔まで似ているだろ

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俺俺詩人 村山槐多

俺俺詩人 村山槐多

西村賢太の小説、『疒の歌』の表紙絵は村山槐多である。
村山槐多。夭逝の詩人、画家にして天才。

私は、あんまり天才、天才、というのは嫌いなのだけれども、村山槐多は天才だと思う。
村山槐多の本は、新刊ならば講談社文芸文庫で『槐多の歌へる』が買える。

村山槐多は22歳で亡くなってるから、やはり早逝であることは間違いない。
基本的に、天才、と、早逝夭逝は、がっつり四つに組む関係性であることは間違いない

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妻であり、母であり、女優である。

妻であり、母であり、女優である。

先日、虫明亜呂無の本を読み返していて、その中の、パルコのCMのドミニク・サンダについてのエッセイを読んでいて、そこから私はドミニク・サンダへと思いを馳せた。

ドミニク・サンダ、と、いえば、私の中では『暗殺の森』であり、『1900年』であるが、このパルコのCMに関しては、1978年のものなので、私はまだこの世の中に存在もしていない頃なので、観たことがなかった。

この頃のパルコは石岡瑛子が広告を担

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真珠郎はどこにいる。横溝正史の初版本

真珠郎はどこにいる。横溝正史の初版本

先日、ネットオークションで横溝正史の『真珠郎』の六人社版の初版本が出ていた。お!と驚きながらも、私は数日ほど、様子見をしていた。

『真珠郎』の六人社版は頗る装丁が美しいのだが、あの、紫に、それから題字は谷崎潤一郎、江戸川乱歩の序文を添え、水谷隼(卓球のゴールドメダリストではなく)の装幀による『真珠郎』。

出品されていた『真珠郎』は函がなく、かつ、背表紙が相当に色褪せていた。美本ではなかったが、

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書店パトロール53  本を出したい!と狂おしいほど熱望している人もいるのに果たされず、今日もどうでもいい本が出版されている、の巻

書店パトロール53  本を出したい!と狂おしいほど熱望している人もいるのに果たされず、今日もどうでもいい本が出版されている、の巻

軽い本が読みたいなぁ、と思っている。然し、意外と、なかなか、軽い本を買う勇気が出ない。

本は、その質量に応じて金額が異なるが、然し、軽くて読みやすい、そういう本までもが、最近は高額である。
本にまつわるエッセイなど読みたいところだが、然し、値段が高い。命を刈り取る値段をしてるだろ?そう、本が語りかけてくる。
私の言う軽い本とは、例えば、こういう本である。

何も考えずに読み、右から左へ受け流す。

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最後の夏休みを再生するー『アフターサン』

最後の夏休みを再生するー『アフターサン』

『アフターサン』を鑑賞する。

昨年から観たかったが、最近Amazonプライムに入ったので。
結論から言うと、まぁ、めちゃくちゃ良い映画だったが、万人にはオススメできないかもしれない。
惜しむらくは、やはり、こういう、映画は劇場で観なければならない、映画を見がしてしまった、私の悲しい財政事情よ。

この映画は、凄まじい喪失感を伴う映画なので、まぁ、私はそういう映画が好きだが、然し、それは、やはり

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ことばの国のアリス

ことばの国のアリス

一穂さんは悲しく

順三郎さんはさびしい

修造さんははなやぎ

由紀夫さんはあわれ

詩人たちは貧しく

男たちはよわい

子供たちはたわむれ

そしてたがいに傷つく

わたしは女の子
母たちはさかえ
石女だけが
美しくほろびることができる

矢川澄子 『ことばの国のアリス』より

7時間19分、映画『サタンタンゴ』をようやく観る。 時間とは何なのか。

7時間19分、映画『サタンタンゴ』をようやく観る。 時間とは何なのか。

『サタン・タンゴ』をAmazonプライムで観る。7時間19分である。439分である。長すぎる。

原作はクラスナホルカイ・ラースロー。
ハンガリーの小説家だ。無論、これをお読みになる方は当然識っていると思うので、詳しくは割愛する(私は識らん)。

そもそも私は、長い映画が嫌いである。映画は1時間でいいとすら思っているのだ。
然し、私は一番好きなのは2時間43分の『ブレードランナー2049』であり、

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