ずんば

文系理系を渡り歩き、男と女とを超越していく変人。戯言をいろいろ言う。 文学部国文学科卒…

ずんば

文系理系を渡り歩き、男と女とを超越していく変人。戯言をいろいろ言う。 文学部国文学科卒の教員免許(中高国語)持ち。平成の自動車エンジニア。令和の路線バス運転士。

マガジン

  • ジェンダーを思索する

    LGBT / SOGI あたりの話を中心に、ジェンダーに関わることをテーマに書いた記事をまとめています。 ジェンダーに関わる話はいろんな記事でぽんぽんと出てくるので、ここではテーマごとまるっと該当している記事だけをまとめます。 何か考えを巡らせたいときに、ぜひ。

  • 出産・育児のこと

    出産期や育児についての体験談、当事者として考えたことなど。

  • 神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024

    講談も歴史も素人な個人の感想です。的はずれなことを言っていても“生暖かい目で”読んでいただければ幸いです。

  • 話題にしてもらった記事

    私の記事を引用していただいた記事をまとめます。 使ってくださった方への感謝を込めて💐(自分の記事が誰かに引用される日が来るとは思っていませんでした。本当にありがとうございます。)

  • 講談師神田伯山新春連続読み「寛永宮本武蔵伝」完全通し公演感想

記事一覧

席をゆずる、ゆずられる

昼間のバスで乗務していて、途中テスト期間中の高校生で満員になりながら終点に着いた時、話しかけてきたお客さんがいた。 「最近の高校生は席も譲ってくれないのねぇ〜」…

ずんば
3日前
6

環境ががらりと変わって再出発

8月16日から職場復帰しました。 1年8ヶ月半にわたる休みを経て、しかも相棒と子どもの面倒を見れるように勤務調整してもらうべく、営業所も異動させてもらいました。 休職…

ずんば
1か月前
20

大きな活動、小さな活動

活動家でないセクシュアルマイノリティになる! 10年ほど前、高校3年の頃に心に決めた。 当時はLGBTという言葉自体も、当事者とその周辺の人達くらいにしか知られていな…

ずんば
2か月前
13

お酒は1日1合までだって?

お酒は1日1合までが望ましい。 ある時不意打ちで聞いた自分は混乱した。 何を隠そう、その話を聞く直前の数日間「酒に弱くなったな〜!1合で程よく酔ってしまう!」と嘆い…

ずんば
3か月前
3

進路はブレても軸はブレない

ああ、結局自分は人の心に寄り添える仕事をしたいんだな。 一昨日たまたま自覚する機会があった。 それで、例えば今の仕事で役職が上がって指導する立場になったら、指導…

ずんば
3か月前
6

支援をしてみるようになった話

休職し始めてから、もう1年半ほど経つ。 この間に変化したことのひとつとして、ときおり支援活動をするようになったということがある。 いや、支援活動と呼ぶほど大仰なこ…

ずんば
4か月前
22

職場の「セクハラ」「パワハラ」と「交流」との境目

職場でいわれるセクハラやパワハラと、そうでないものの境目はどこにあるのだろう? そんな話が親しい人達との間で盛り上がった。 ある人は「例えば『がんばって』という…

ずんば
5か月前
21

家事と育児とのバランス

子が産まれて半年が経ち、なお相棒と悩みぶつかることの多い課題。 「家事と育児、どちらがどのくらいずつ負担するか」 今回は、そのバランスをどう模索してきたかの話。 …

ずんば
6か月前
16

ごろごろ、にぎにぎ、もぐもぐ

久しぶりに子育て報告を。と、記事を書くにあたり、まずはこの記事に使う画像を探してみたところ……可愛すぎるものを見つけました。 なんですか「へちょ」って!可愛すぎ…

ずんば
7か月前
7

携帯電話の音に怒る人 を見下す人

先日、公演中の静寂の中で携帯電話の音が鳴り響くというハプニングに遭遇した。 6日間連続で通った「神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024」名古屋公演の千秋楽でのこと…

ずんば
8か月前
6

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 6日目

ついに6日目。千秋楽となってしまった。 一言でいうと“ハプニングの多い1日”だった。そして、予期せず起こる物事への伯山先生の対応力の高さを見た日でもあった。 マクラ…

ずんば
8か月前
6

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 5日目

さて、5日目だ。楽しい6日間に終わりが見えて寂しいような気がしてくる。 私自身は連続読みで毎日栄に通うことになったおかげで、4日目から5日目の間は名古屋に泊まり観光…

ずんば
8か月前
2

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 4日目

4日目、つまり『畔倉重四郎』3日目。中身の濃い話が集中していた。 講釈を毎日聴きに通うなんて時代ではなくなり、しかも新年早々から毎日が目まぐるしく動いている今、時…

ずんば
8か月前
3

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 3日目

3日目。『畔倉重四郎』としては2日目。 伯山先生は朝から一度東京に戻りラジオ収録をされたそうで、それでも案外喉の調子が悪くないとのことで、会場が拍手に包まれた。 客…

ずんば
8か月前
2

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 2日目

2日目。ついに『畔倉重四郎』の始まりだ。 悪事の馴れ初め 畔倉重四郎が人殺しを始める前の話。 真人間だったはずの若い畔倉の歯車が少しづつ狂い出していくところを「あ…

ずんば
8か月前
2

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 1日目

講談師、神田伯山先生の新春連続読みの記録。 今年は6日間にわたって東京と名古屋で行われる毎年恒例の新春連続読み。その名古屋公演の通しチケットを入手し通うことにな…

ずんば
8か月前
5
席をゆずる、ゆずられる

席をゆずる、ゆずられる

昼間のバスで乗務していて、途中テスト期間中の高校生で満員になりながら終点に着いた時、話しかけてきたお客さんがいた。

「最近の高校生は席も譲ってくれないのねぇ〜」

杖をついた中年女性とみられるお客さん。聞けば人工関節を入れていて長時間立つのが辛いそうで、杖もついていた。
話への同調を求められている口調だったのだが、自分にとって全てに同調できる内容ではなかったので「高校生も言えばすぐ譲ってくれると

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環境ががらりと変わって再出発

環境ががらりと変わって再出発

8月16日から職場復帰しました。

1年8ヶ月半にわたる休みを経て、しかも相棒と子どもの面倒を見れるように勤務調整してもらうべく、営業所も異動させてもらいました。
休職前とは状況がガラリと変わり、それゆえ仕事への心境も全く違うものになっているのを感じています。今日はそのあたりのお話を。

休職前はお客さんと全力で向き合っていました。考えていたことといえばこんな感じ。

ですが今は、休職後にいろんな

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大きな活動、小さな活動

大きな活動、小さな活動

活動家でないセクシュアルマイノリティになる!

10年ほど前、高校3年の頃に心に決めた。

当時はLGBTという言葉自体も、当事者とその周辺の人達くらいにしか知られていない時代。高校2年の終わりにしてようやく自らの性自認に気づいた自分は、学年が上がってから、折良く家に導入された家族共用のノートパソコンで毎日のようにネット検索をし続けた。
結果、自分が社会人になって生き抜くためには活動家になるしかな

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お酒は1日1合までだって?

お酒は1日1合までだって?

お酒は1日1合までが望ましい。
ある時不意打ちで聞いた自分は混乱した。

何を隠そう、その話を聞く直前の数日間「酒に弱くなったな〜!1合で程よく酔ってしまう!」と嘆いていたからだ。

……と、ここまでの文章を、数日前に馴染みの居酒屋にて2,3合ほど飲みながら書き置いていた。
本当は2合分くらい飲んだ計算でいたのだが、終盤になって最初に飲んだ自家製梅酒が「ブランデーで漬けてあるで45度くらいあるぞ」

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進路はブレても軸はブレない

進路はブレても軸はブレない

ああ、結局自分は人の心に寄り添える仕事をしたいんだな。

一昨日たまたま自覚する機会があった。
それで、例えば今の仕事で役職が上がって指導する立場になったら、指導は他の運転士の心を損なわない配慮をしながらしていきたいと思った。
ちなみに自分はバスの運転士。社歴は丸5年が経とうとしているだけのまだまだヒヨッコだが、うち1年半ほどを傷病休暇や育休などに費やしてしまっているので、実態はヒヨッコと呼ぶにも

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支援をしてみるようになった話

支援をしてみるようになった話

休職し始めてから、もう1年半ほど経つ。
この間に変化したことのひとつとして、ときおり支援活動をするようになったということがある。

いや、支援活動と呼ぶほど大仰なことではない。
ただサポートしたいと思う活動のクラウドファンディングに参加してみたり、支援したいと思う団体の「amazonほしいものリスト」から予算を決めて何かを選んで送ったり。

今までは何らかの支援をしようとはあまり考えたことがなかっ

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職場の「セクハラ」「パワハラ」と「交流」との境目

職場の「セクハラ」「パワハラ」と「交流」との境目

職場でいわれるセクハラやパワハラと、そうでないものの境目はどこにあるのだろう?
そんな話が親しい人達との間で盛り上がった。

ある人は「例えば『がんばって』という意味で少し肩に手を触れただけですぐセクハラと言うのは、やりすぎだと思う。今の若い人は何でもセクハラと言い過ぎ」と言う。
またある人は、その話に続けて「そうは言っても、ニヤニヤしながら腰に手を回してこられた時はさすがにセクハラだと思ったんだ

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家事と育児とのバランス

家事と育児とのバランス

子が産まれて半年が経ち、なお相棒と悩みぶつかることの多い課題。
「家事と育児、どちらがどのくらいずつ負担するか」
今回は、そのバランスをどう模索してきたかの話。

本当は家事も育児もぴっちり半分ずつやれるのが理想だ。一方、気づけば我が家のスタンダードになってきていたパターンは、相棒が主に家事を回し、その間の子の面倒は自分が見るというもの。そして家事を終えた相棒は「ずっと面倒を見させていたから」と子

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ごろごろ、にぎにぎ、もぐもぐ

ごろごろ、にぎにぎ、もぐもぐ

久しぶりに子育て報告を。と、記事を書くにあたり、まずはこの記事に使う画像を探してみたところ……可愛すぎるものを見つけました。
なんですか「へちょ」って!可愛すぎる!

子育てをするようになってから、世の赤ちゃんが今までより何倍も可愛く見えるようになってしまいました。今までだったら「可愛い……!」だったものが「んぎゃぁぁぁ可愛いぃぃ!!」になった感じで。そして我が子はもっと可愛い。見える世界が変わり

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携帯電話の音に怒る人 を見下す人

携帯電話の音に怒る人 を見下す人

先日、公演中の静寂の中で携帯電話の音が鳴り響くというハプニングに遭遇した。
6日間連続で通った「神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024」名古屋公演の千秋楽でのこと。内容の感想は毎日書いていたので、携帯電話が鳴ったタイミングの詳細も以下の記事に書いてある。

端的に言えば、シリアスで静寂さが張り詰めたシーンに差し掛かった場面で、携帯電話の「マナーモードにしてください」という音が数度繰り返して流れ

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 6日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 6日目

ついに6日目。千秋楽となってしまった。
一言でいうと“ハプニングの多い1日”だった。そして、予期せず起こる物事への伯山先生の対応力の高さを見た日でもあった。
マクラでは会場内の連続券の客と一日券の客とが対立構造になりつつある話が面白おかしく話された。伯山先生が一日券のお客様向けに、連続券の方も復習がてらとこれまでのあらすじをダイジェストで読んでくれた昨日、連続券の一部の方が「あらすじなんて野暮だ」

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 5日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 5日目

さて、5日目だ。楽しい6日間に終わりが見えて寂しいような気がしてくる。
私自身は連続読みで毎日栄に通うことになったおかげで、4日目から5日目の間は名古屋に泊まり観光を楽しもうということになった。名古屋は地元で、今も頻繁に訪れるが、だからこそ観光というものをしていない。だから連続読みを機に名古屋を観光地として楽しんだ。行き先は名古屋城。一昨年の『寛永宮本武蔵伝』連続読みの際、伯山先生が名古屋城に訪れ

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 4日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 4日目

4日目、つまり『畔倉重四郎』3日目。中身の濃い話が集中していた。
講釈を毎日聴きに通うなんて時代ではなくなり、しかも新年早々から毎日が目まぐるしく動いている今、時間を忘れて連続読みに通う人がいるとはという内容のマクラが話された。確かに。しかし、毎日が目まぐるしいからこそ、連続読みに通い時間を忘れる日々をあえて設けるのもまた大切なのだと思う。今そういうことを一緒にやっている人が300人ほどもいること

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 3日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 3日目

3日目。『畔倉重四郎』としては2日目。
伯山先生は朝から一度東京に戻りラジオ収録をされたそうで、それでも案外喉の調子が悪くないとのことで、会場が拍手に包まれた。
客席の照明は0%にされ、そこで怒涛の殺しの場面を観ることに。

金兵衛殺し

畔倉は三五郎と入った賭場で大負けし、その後その賭場の貸元である鎌倉屋金兵衛を、賭場帰りを狙って殺す。さらに売上金を奪い、直前に借りておいた三五郎の名入りの扇子を

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 2日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 2日目

2日目。ついに『畔倉重四郎』の始まりだ。

悪事の馴れ初め

畔倉重四郎が人殺しを始める前の話。
真人間だったはずの若い畔倉の歯車が少しづつ狂い出していくところを「あちゃー」と思いながら見る感じだった。
でもこの時の畔倉は、後のことを思えばまだまだ善人。善人が悪に染まる過程が描かれることで、どんな善人も悪人になり得るのかもしれないという危うさを感じながら観た。
この一席があるからこそ、見る側はゆく

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 1日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 1日目

講談師、神田伯山先生の新春連続読みの記録。

今年は6日間にわたって東京と名古屋で行われる毎年恒例の新春連続読み。その名古屋公演の通しチケットを入手し通うことになったので、個人の忘備録として毎日書いていきたい。

まずは参加前の個人的な気持ち。
先の記事でも書いている通り、昨年9月に出産した。妊娠中は講談も落語も平気で聴きに出掛けていたが、産後となるとそうもいかない。まして6日連続なんて……。

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