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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024

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講談も歴史も素人な個人の感想です。的はずれなことを言っていても“生暖かい目で”読んでいただければ幸いです。
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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 6日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 6日目

ついに6日目。千秋楽となってしまった。
一言でいうと“ハプニングの多い1日”だった。そして、予期せず起こる物事への伯山先生の対応力の高さを見た日でもあった。
マクラでは会場内の連続券の客と一日券の客とが対立構造になりつつある話が面白おかしく話された。伯山先生が一日券のお客様向けに、連続券の方も復習がてらとこれまでのあらすじをダイジェストで読んでくれた昨日、連続券の一部の方が「あらすじなんて野暮だ」

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 5日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 5日目

さて、5日目だ。楽しい6日間に終わりが見えて寂しいような気がしてくる。
私自身は連続読みで毎日栄に通うことになったおかげで、4日目から5日目の間は名古屋に泊まり観光を楽しもうということになった。名古屋は地元で、今も頻繁に訪れるが、だからこそ観光というものをしていない。だから連続読みを機に名古屋を観光地として楽しんだ。行き先は名古屋城。一昨年の『寛永宮本武蔵伝』連続読みの際、伯山先生が名古屋城に訪れ

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 4日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 4日目

4日目、つまり『畔倉重四郎』3日目。中身の濃い話が集中していた。
講釈を毎日聴きに通うなんて時代ではなくなり、しかも新年早々から毎日が目まぐるしく動いている今、時間を忘れて連続読みに通う人がいるとはという内容のマクラが話された。確かに。しかし、毎日が目まぐるしいからこそ、連続読みに通い時間を忘れる日々をあえて設けるのもまた大切なのだと思う。今そういうことを一緒にやっている人が300人ほどもいること

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 3日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 3日目

3日目。『畔倉重四郎』としては2日目。
伯山先生は朝から一度東京に戻りラジオ収録をされたそうで、それでも案外喉の調子が悪くないとのことで、会場が拍手に包まれた。
客席の照明は0%にされ、そこで怒涛の殺しの場面を観ることに。

金兵衛殺し

畔倉は三五郎と入った賭場で大負けし、その後その賭場の貸元である鎌倉屋金兵衛を、賭場帰りを狙って殺す。さらに売上金を奪い、直前に借りておいた三五郎の名入りの扇子を

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 2日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 2日目

2日目。ついに『畔倉重四郎』の始まりだ。

悪事の馴れ初め

畔倉重四郎が人殺しを始める前の話。
真人間だったはずの若い畔倉の歯車が少しづつ狂い出していくところを「あちゃー」と思いながら見る感じだった。
でもこの時の畔倉は、後のことを思えばまだまだ善人。善人が悪に染まる過程が描かれることで、どんな善人も悪人になり得るのかもしれないという危うさを感じながら観た。
この一席があるからこそ、見る側はゆく

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神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 1日目

神田伯山新春連続読み『畔倉重四郎』2024 1日目

講談師、神田伯山先生の新春連続読みの記録。

今年は6日間にわたって東京と名古屋で行われる毎年恒例の新春連続読み。その名古屋公演の通しチケットを入手し通うことになったので、個人の忘備録として毎日書いていきたい。

まずは参加前の個人的な気持ち。
先の記事でも書いている通り、昨年9月に出産した。妊娠中は講談も落語も平気で聴きに出掛けていたが、産後となるとそうもいかない。まして6日連続なんて……。

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