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子育て論

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2人の子供の育児について
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今、育児本として『宇宙兄弟』を読み返す

今、育児本として『宇宙兄弟』を読み返す

※若干の作品のネタバレを含みます

自慢ではないだが、私は年間1000冊は漫画を読んでいる。

それだけ読んでいると「どれがおすすめ?」と訊かれることも多いのだが、今のところベスト3は「キングダム・宇宙兄弟・ピアノの森」と答えている。

ベタである。

しかし、面白くて売れているからベタなのである。
特に宇宙兄弟は最終章に入ったのもあり、今私の中でエモさ抜群。
何度も何度も読み返したが、何度読んで

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ロジックとエモーションの狭間で

ロジックとエモーションの狭間で

15年くらい前だろうか。
父とそれなりに小洒落たレストランで、それなりに派手にケンカをしたことがある。
(大変迷惑な客である)

内容はもう忘れてしまったのだが、最後に父に伝えた一言は未だにたまに思い出す。

「お父さんはね、正しいかもしれない。でも正しいことが常に良いことではないんだよ」

今日もご飯が食べれない父は昔から「正しい」人だった。
正義感が強くて、曲がったことが大嫌い。

人目も気に

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whyを辞めたら夫に優しくできた話

whyを辞めたら夫に優しくできた話

夫は謎である。

日常の家事は大得意で、料理や掃除、洗濯全て手際良くやってくれる。
シンクのゴミ袋を新しくしたり、ペットボトルのラベルを剥がして仕分けしたり…と、いわゆる「名もなき家事」もお手の物。

家事が好きでも得意でもない私は、夫氏最高!!!と毎日感謝の気持ちいっぱいで生きているのだが、そんな一見マメに見える彼は、なぜだか人から依頼されているタスクは一切無事に完了できない。

逆にどうやった

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30年引きずった、ある女の子への嫉妬

30年引きずった、ある女の子への嫉妬

通勤路ですれ違う、色とりどりのランドセルを背負う子どもたちを見ながら、私はNちゃんのことを思い出していた。

Nちゃんは、私が小学6年生の頃の同級生だ。

当時は今みたいにランドセルのセレクションが豊富ではなく、女子は赤・男子は黒一択という時代。

そのつまらなさからかわからないが、高学年にもなると「ランドセルなんて背負ってるやつはダサい」という暗黙の空気があり、自然と皆市販のリュックサック風バッ

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家は綺麗にするな!

家は綺麗にするな!

「シンプルに暮らす」がトレンドである。

断捨離、ミニマリスト…令和の現在、幸せの価値観が、モノからコトへと変わったことは明らかな事実である。

それ自体はとても良いことだなと思う。
必要あるものだけを生産して、使っていくというのはSDGs的な観点からも推奨されるべきだし、合理性を高めていくのは様々なところで良い効果がでることは、自分自身も体感済みである。

だがしかし、ブームとなった「モノトーン

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「働く母親」に初めて罪悪感を感じた日

「働く母親」に初めて罪悪感を感じた日

長男が産まれてまもなく4年が経とうとしている。
そのうち次男の出産育児で1年ほどは仕事を休んでいたわけだが、妊娠中も含め、その他3年は鬼のように働き続けた。

妊娠中なのにそんなに働いて大丈夫?
乳児育ててるのに、よくそんなに仕事するね

時には賞賛や驚き、時には心配や同情のニュアンスでそんなこともたくさん言われた。

どんなに泣かれてもまだ歩けもしない子どもを保育園に預け、働きだす私のことを「酷

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「パパえらいですね」なんて、私たちは言われたくない

「パパえらいですね」なんて、私たちは言われたくない

この記事を読んで、私は首がもげるほど頷いていた。

長男が産まれてまもなく4年。
我が家も同じような思いを、幾度となく経験したからだ。

「パパ、えらいですね」は侮蔑的うちの夫は、幼児教育の世界に10年ほど身を置いていた。いわゆる「ネイティブの英語の先生」という立ち位置ではあるが、おむつ替えや食事の補助、着替えや寝かしつけなども行なっており、長男が産まれた直後は、私よりも格段に育児スキルが高かった

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オムツも、おしゃぶり卒業もできなかった3歳の息子からの学び

オムツも、おしゃぶり卒業もできなかった3歳の息子からの学び

私は子育てが大の苦手である。

合理的に生きていくことを信条としているのに、1歳8ヶ月の次男はおろか、3歳8ヶ月の長男にすら論理も正論も通じず、打ちのめされることが多いからだ。

生まれて初めて「正しいことを言ってもうまくいくわけじゃない」という事態に直面し、中々に日々精神を削られている。

わかっているのに、ついカッとなって怒ったり。
溜息をついてしまったり。
反省しきりの毎日で、もっと徳を積ま

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ワーママが転職後、全力で働くために有休消化中にやったこと・やめたこと

ワーママが転職後、全力で働くために有休消化中にやったこと・やめたこと

昨年末に転職活動をし、無事に第1希望の会社に内定をいただいた私。
本日の入社日までに、実に丸々1ヶ月もの有休を消化させていただいた。

人生の夏休み〜!(いや、冬休みか)と浮かれたいのは山々なのだが、元来心配性で小心者の私は「1月から本当に子育てしながらやっていけるかな…」「軽く毎月三途の川を渡りかけるかも…」と押し寄せる不安に耐えきれず、有休に入る際に綿密なプランを立てた。

テーマは「転職後、

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高卒の私が子どもに望む「学歴」

高卒の私が子どもに望む「学歴」

あけましておめでとうございます。
新年1発目の投稿は何故かこんな題目。
年の瀬にこの中々重めなテーマの記事を読み、考えさせられたからだ。

非富裕層の子が進学を断念するのは経済的な理由だけでなく、親の学歴に対する意識(=低学歴でいい)だという主張である。

何で皆大学に行くんだろう?「学歴」は私にとっても人生の大きなテーマだった。というより、自分が意図しなくても様々な場面で強制的に意識をして生きざ

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子どもは親の望んだ子になるんじゃない。「親みたいになる」という話

子どもは親の望んだ子になるんじゃない。「親みたいになる」という話

いつもダラダラと長文になるので、今日は短くサクッと書きます(笑)

現在3歳4ヶ月の我が家の長男は、野性味溢れる行動派なのだが、一方でものすごく優しい性格の持ち主である。
1歳の弟に苦労して作り上げたLEGOの家を秒でぶっ壊されたり、ハンマートイのハンマー(木製)で思いっきりぶん殴られたりしてキレることはあれど、全く根に持たず、ふと私が気づくと弟を抱きしめてはキスの嵐を降らせたりしている。

「弟

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保育のプロの夫が「親になるのは怖い」と言った時

保育のプロの夫が「親になるのは怖い」と言った時

夫がフリーランスから正社員になり4ヶ月。私も育休から復帰し、家計はぐんと安定したが、一方で私には人生最大の試練が訪れている。

それは恐怖の「フルタイム勤務×ワンオペ育児」である。

長男が生まれた時も私はフルタイムで働いており、育児の過酷さは感じていたが、当時は夫が仕事の時間をコントロールしやすかったこともあり、育児の負担は夫8割:私2割くらいの生活だった。

あの時、夫の優しさにおんぶに抱っこ

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バズり中の「起業家慶應生」と「コンプレックスを抱える少女」の記事を読んで傷ついたアラフォーの話

バズり中の「起業家慶應生」と「コンプレックスを抱える少女」の記事を読んで傷ついたアラフォーの話

今、話題になっている2つの記事がある。
慶應大学に在籍しながら、「TimeLeap」の代表取締役を務める仁禮彩香さんへの取材記事と

「この割れ切った世界の片隅で」というタイトルとさびれた団地のサムネイルが強い印象を放つ、鈴さんという高校生が書いたnoteでのエントリである。

私はこの2つの記事をほぼ同時期に読んで、いろんな気持ちにおそわれていた。感動、憧れ、共感、尊敬、悲しみ…一括りにできない

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鬼軍曹に育てられた私が語る「厳しい子育て」の弊害と効果

鬼軍曹に育てられた私が語る「厳しい子育て」の弊害と効果

Netflixで「Anne with an E」つまり「赤毛のアン」の物語を観ている(とても素晴らしいので是非に)

孤児であったアンを引き取り父母のように彼女を育てたマシューとマリラ。
マリラは心根はとても優しいが厳格で、いわゆる"カタブツ"タイプの女性。奔放なアンを頭ごなしにガツンと叱るシーンも少なくない。

だがそれはアンを心から愛するからこそのこと。心配のあまり過保護になったり過干渉になる

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