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「座禅」と「損得」? 悩まないための工夫とは

「悩まないためには座禅の整えと真理のモノサシが大切ということか」

みなさん、仕事にプライベートに、日々いろんな問題に直面しながら、それらを少しずつ解決して生活されていると思います。私もそうです。毎日健康に生きていくためにはなるべく「悩まない」ことが大切です。

そのための決断力について先日記事を書きました。そこからさらに決断力を培う工夫について新しいインプットを得ました。それは「座禅」です。

悩まずに生きていくための工夫について整理します。

「悩まない」とは「すぐに決める」ということ

「悩む」とはそもそもどういう意味でしょうか。辞書にはこう記されています。

【悩む】
1 決めかねたり解決の方法が見いだせなかったりして、心を痛める。思いわずらう。
2 対応や処理がむずかしくて苦しむ。困る。
3 からだの痛みなどに苦しむ。また、病気になる。
4 とやかく言う。非難する。
5 その動作が思うようにはかどらない意を表す。

普通「悩む」と言うと主に1や2の意味、つまり解決法が見つからずに苦しんだり困っている状況のことを指しますね。「進むべき道が定まらずに次のアクションに進めない状態」とも言い換えられるのではないでしょうか。

悩まない生活の理想は「進むべき道をすぐに決められる」生活ということ。先日、下記のような記事を書きました。

この記事の中で、決めるための工夫として4つのポイントをご紹介しました。改めておさらいすると以下の通り。

1.仕方のないことで悩まない
2.マルチよりもシングル
3.損得勘定よりも自分の直観
4.決めた後も引きずらずに変化を受け入れる

詳しくは記事をご覧いただければと思いますが、こうした行動ベースの要点を意識することに加えて、合わせて持っておきたいマインドセットが「常に目的を明確にする」というスタンスです。

これらは意識づけやマインドセットで、いわば心構えです。心構え次第で行動は変わりますので、非常に重要ではありますが、一方で具体的に何をすべきかが見えにくいです。悩まないためのもっと具体的なアクションがないかと探索する中で、一冊の本にそのヒントを見つけました。

決断力を培う「座禅」

悩まないための具体的なアクションについてヒントとなったのが枡野俊明さんの著書「悩まない禅の作法」です。とても読みやすく悩まないコツを教えてくれる素敵な本です。文庫なのでさらっと読めるのも良いですね。オススメです。

この書籍によると一流の政治家や経営者に、座禅の愛好家が多いとのこと。こうしたトップマネジメントに近い方々は分刻みのスケジュールの毎日を過ごしていますが、そんな中でも時間を捻出して座禅を組むとのこと。

そうまでして座禅を組む理由は、座禅を組むことで心身のコンディションが整い、より的確な決断ができるようになるから。座禅により、静かな時間を持ち、自分を見つめなおすことができます。そしてその結果、洞察力や判断力が磨かれ、心の安定が得られるそうです。

座禅はお釈迦様のように姿勢を正し、静かに座って自分自身と向き合うことで煩悩を払い、真理の道を歩むもの。仕事や家事に忙殺され、自分を見失い、右か左か進むべき道に悩みがちな現代人にこそ必要と枡野さんは説きます。

座禅の時間は慌ただしい日常から降りた「エアポケット」のような時間。普段は見過ごしがちな自分の心に目を向ける時間でもあります。

どんなに悩んでも、ただ悶々と思いを巡らすだけでは何も解決には近づけません。妄想が妄想を呼び、不安が大きくなるなど、自分をより苦しめてしまう事もあります。そんな時におすすめするのが座禅です。

・座る
・姿勢を整える
・呼吸を整える
・自分の内面に意識を向ける


こうすることで、迷いや悩みから解き放たれ、霧が晴れるかのように心が澄み渡ります。ガチガチに固まった体がゆるみ、本来の自分を取り戻せます。正しいやり方で行えば、たった5分でも心に静けさが宿り、自分のコンディションを整えることができます。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

「初発心事 便成正覚(しょほつしんじ べんじょうしょうがく)」

これは「やってみたい」と思った時には、すでにことは成っている、という意味の言葉です。少しでも興味が沸いたならぜひ生活に取り入れてみることをおすすめします。

寝ながら行う「仰臥禅」

先日、記事で「グラウンディング」という手法を取り上げました。精神を集中させるとても有効なメソッドです。

これに近しい考え方で、枡野さんの著書にも寝ながらできる座禅として「仰臥禅(ぎょうがぜん)」という手法が紹介されています。やり方をご紹介します。

1.布団やマットの上に仰向けに寝る
2.足を少し広げる
3.体の力を抜いて、両手をへその下あたりにあてる
4.下腹をへこませながら息を吐きだす
5.下腹を膨らませながら息を吸い、ゆっくり呼吸する
6.呼吸に意識をむけながらしばらく呼吸を続ける

先に紹介した記事のグラウンディングの手法と似ていて、1点に意識を向けるのは同じですね。こうすることで副交感神経が優位になり、緊張した体が次第にリラックスしていきます。

私もグラウンディングを続けておりますが、その最大のメリットはマルチタスクからシングルタスクにシフトチェンジできることです。忙しくされているみなさんは日々同時にいろんなことを処理して毎日を過ごしていると思います。〇〇しなが▢▢をする。これは短時間で複数のタスクをこなせるので一見効率が良いように見えますが、本当に大切なのはシングルタスクです。

企業のトップマネジメントの方々は、忙しいスケジュールの中で次々と意思決定をこなしていきます。それは目の前の案件に集中しているからできるのです。その案件が終われば、頭を切り替えて次の案件に集中する。この「常に一つのことに集中する」という仕事の仕方の方が、マルチタスクと比べてより効果が高いアウトプットが出せます。こうした日々を過ごすことで、結果的に効率よく仕事を進めることができます。この「1点に集中する」という習慣づくりにグラウンディングや今回ご紹介した座禅、仰臥禅は役立ちます。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

悩まないための心(「損得」を捨てる)

枡野さんは著書の中で「悩まないための心」を12個取り上げて丁寧に解説されています。どれも参考になるものばかりで、是非本書を手に取ってお読みいただきたいのですが、その12個の中で最初に書かれている心をご紹介します。

損か得かを考えない

悩まない人生を生きるために、真っ先に手放してほしいモノサシが「損得」のモノサシだそうです。損得勘定で人とお付き合いしたり、損得で仕事を選んだり、お得だからという理由でさほどほしくない服を買ったり。こうした損得のモノサシを使っている限り、悩みが消えることはないと枡野さんは断言します。損得を基準に行動している間は心が休まる暇がないとのこと。

では、何かを選択する時に「損得」ではなくどんなモノサシを使うのがよいのでしょうか。それは「真理」のモノサシです。

禅の世界で言う「真理」とは、時代や立場が変わっても、変わらないもの。誰もが受け入れられる不動の事実です。ちょっと難しく聞こえますね。でも実際はシンプルなモノサシです。例えばこんなものです。

・人に親切にする
・嘘を言わない
・自然を大切にする
・人のモノを盗まない

これらは当たり前のことばかりですがいずれも「真理」です。実はとても簡単なのですが、ここに「損得」のフィルターが入ると、この真理がゆがみ、おかしな意思決定をしてしまいます。

例えば営業活動で自分の商品を売りたかったとします。自分が得するために、安い製品を高く売りたいと考えてしまいます。しかしこれでは相手が損をしてしまいます。「真理」のモノサシを使うと、自分が納得できるものを適正な価格で売ります。相手に「買ってよかった」と思ってもらうためです。

真理のモノサシに従って、自分も相手も喜べる、そんな選択をしていくことが大切です。こうした行動の先には、結果的に自分に得が回ってくるのだと思います。

まとめ

日々、健康に毎日を生きていくためには、なるべく悩まない暮らしをおくっていきたいものです。悩むとは決められない状態のことであり、悩まない暮らしというのは、どんどん自分で決断していく暮らしとも言い換えられます。

その決断力を養うのに有効な方法が座禅です。座禅を組むことで心身のコンディションが整い、より的確な決断ができるようになります。その瞬間その瞬間で、最もベターな決断をしていくためには目の前のことに集中しなければなりません。そのために自分の精神を整える上で座禅や呼吸に意識を向けることは非常に有効です。

また、悩まないために持つべき心として「損得」のモノサシを捨て、「真理」のモノサシで判断するのが良いです。誰にとっても正しい当たり前の事を当たり前のように選択していく。本当は簡単なことです。しかしそれを難しくしているのが損得というフィルターです。自分だけが利するように動けば、そのしわ寄せは誰かにいきます。それは巡り巡って自分に帰ってくることもあります。

禅の工夫を取り入れながら、自分を適度に整え、真理のモノサシを使って自分も相手も喜べる、そんな選択をしていけたらいいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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