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【感想文】ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチ@上野東京文化会館5.3(後半)
休憩を挟んで、2曲目は、ショスタコーヴィチの交響曲第5番ニ短調。芸術劇場の時はラヴェル「ラ・ヴァルス」が主目的だったが、この日はこの曲が目的だったと言ってもいい。特に、有名な第四楽章。しかし、有名だからというよりは、小さい頃から数えきれないほど聞かされてきたから、というのが本当のところだ。私が小学生当時、父はまだオケに入っておらず(もちろん趣味で、だが)、吹奏楽団に所属していたが、胎教からしてクラ
もっとみる【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(後半)
三曲目はサン=サーンスの「ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調作品61」。1881年の作品。
独奏ヴァイオリンが上手だったので感動した。ヴァイオリン協奏曲というと、シベリウスのヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47も有名だが、こちらの演奏を聴きに行った際、独奏ヴァイオリンの高音が耳をつんざくようで、しばらく独奏ヴァイオリンを聴くのが嫌になったことがあるのだ。
ドビュッシーの曲(演奏)に比べると、良い意味で
【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(前半)
先日、久しぶりに、一人でクラシック・コンサートに行ってきた。大学生の頃あたりは、かなり頻繁に様々な芸術に触れていたものだが、大学院に進んだ頃から、勉強で忙しくなり、いつの間にか遠のいてしまった。クラシック音楽だけでなく、クラシックバレエ、現代バレエ、絵画展、彫刻展、演劇など、古典・前衛問わず、場所も、色々な所に行った。
最近、またクラシック音楽を聴きに行きたくなり、詳しい友達から情報を得て、一人で
【エッセイ】忘れられない味~渡せなかった手紙~
おばちゃんへ
信州屋の暖簾初めてくぐってから、もう17年になるね。蕎麦屋みたいな名前で、実は中華料理屋。信州味噌を使った味噌ラーメンが売りだったね。私は、同じく売りの餃子が特に好きだった。それはよく知ってるよね。
私が精神的に弱くてお医者さん通ってて、人づきあいが下手だから、おばちゃんは私の唯一の友達だった。根っからの江戸っ子のおばちゃんはいつもしゃきっとしてて、小柄で早口で、どんな時も笑顔で
【エッセイ】夢の中のひと
あなたが戻ってきた。
私たちは毎日会って、会うたびに何度もキスをして、会うたびに何度も抱き合った。
そうして6年間、私たちは狂ったように愛し合った。
別れは突然だった。
なぜだったのか分からない。
愛しているまま、別れた。
あなたは昔と変わらず、面白くて、とびきり優しかった。
二人で、海を見ていた。
あなたが帰らなければならない時、私が目覚めるのだと思った。これが夢だと分かっている夢を見た