まどろみ天使

X (JAPAN)、プラトン、現象学、コーヒー、バッハ、ラヴェル、ミステリを愛する東京…

まどろみ天使

X (JAPAN)、プラトン、現象学、コーヒー、バッハ、ラヴェル、ミステリを愛する東京と沖縄のハーフ。大学院まで古代ギリシア哲学。16から様々な精神的な病気と闘う。セクシュアル・マイノリティ(ややこしくて分類不可能)。個人で行政書士の事務所→体調不良で閉所→甥っ子の家庭教師。

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  • エッセイ・感想文

    自身のエッセイ(モドキ)、読書感想文・コンサート感想文などをまとめました。

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    他noterさんがマガジンに追加してくださった記事へのお礼投稿や、コングラボードのまとめです。

  • テツガクの小部屋

    西洋哲学史の概略を、私見を交えずに、淡々と追うシリーズ。引用に用いる文献のサブタイトルはー理性の運命と可能性ー。哲学は時にとんでもないコトを大真面目に考えたりします。あなたもテツガクしてみませんか。

  • 自作の詩まとめ

    16歳から30代前半までに書いた詩をまとめたものに、2023年から再び書き始めた詩を混ぜて発表しています。先入観なく読んでいただきたいため、一切の説明を省くようにしました。記事のカテゴリの中では一番マジメです。

最近の記事

【エッセイ】独白①~序章に代えて~

(過去作) 「何処にゆけば苦しみを愛せる」*1 本当の意味で終わりのない終末への旅立ちだった。 死のうと思い始めたのは、しかし、この一節に出会った後からだったと思う。 そして今も、死のうと思っている。 小学生の頃、随筆家になりたいと思っていた。 受験勉強でかなりの量の随筆を読んだ。しかし「これ位なら今の私にも書ける」と常に思っていた。 そのうち小説家になりたいと思った。だがどうしても書けなかった。私は描写が下手であり、最も致命的なことには、物語が作れないのだ。 不登校に

    • 【お礼】コングラボード、これまでのまとめ(~2024.6.10)

      初心者たる私は、最初のうち、その儚さゆえに何度も逃してしまった、コングラボード。そのうち、とりあえずスクリーンショットをするようになるも、みなさんどうやって記事に貼り付けているのかわからず、暫く放置しておりました。 noteを始めてから全てのボードは集められませんでしたが、撮って放置していたものたちを、このたび何とか頑張ってまとめてみました。 みなさまの一つ一つの「スキ」に、改めて感謝申し上げます。

      • テツガクの小部屋19 プラトン③

        ・想起説 ・プラトンの知識論・想起説 プラトンは知識(エピステーメ)はイデアに関してのみ可能であり、現象の可視的世界に関しては臆見(ドクサ)があるにすぎないとした。 それゆえ知識は感覚によっては獲得されないとプラトンは主張する。感覚が提示するものは常にこの人間、この三角形、この机といった個物であり、人間一般、三角形一般、机一般といった普遍ではないからである。 知識はしかし、概念的、普遍的性格を有している。例えば三角形の知識は全ての三角形にかかわる普遍でなければならず、この三

        • 【お礼】マガジンに追加していただきました!

          これまでいくつかの記事を他の投稿者さまのマガジンに追加していただきましたが、始めたばかりで自分の記事にてご報告する方法が分からず、大変申し訳ありませんでした。 このたび6月12日から6月16日までに追加していただいた記事をまとめることができましたのでご報告いたします。 まだできていないのは、私自身の(最初からある)マガジンをフォローして下さった方ヘのお礼リアクション設定と、他の投稿者さまのマガジンに追加していただいた過去の分を見つけられないことです(通知メールはもう消去して

        【エッセイ】独白①~序章に代えて~

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        記事

          【詩】隣人とわたし

          かすかな振動が ほほえみのふるえが 隣人を目覚めさせた わたしは白い陽の中に 堕ちた 隣人のつまびらかな密告によって 誤りに満ちた新月に復讐を宣言する それでも新月はうたう 白い陽を反転させながら うたは近づき やがてわたしの戸を叩く 激しい焦燥の嚥下をしくじり 嘔吐する わたしのまなこは虚空をさまよい 青いくちびるが冷徹に陳述した —こころで見たかっただけなのです— 新月のうたが戸を開けたとき 白目をむいて倒れたわたしを 隣人がどこかへ運び出そうとしていた

          【詩】隣人とわたし

          眠り姫になってしまう稀な症状〜周期性傾眠症とは〜

          5月28日は渋谷のお医者さん(心療内科)へ。二つ聞きたいことがあったし、血液検査もそろそろやってもらわないと、と思い、処方箋もらうだけでなく、診察にした。そういえば、心療内科というのも、比較的最近の呼び方なのか。ひと昔前は「精神科」だった。今でも大学病院などではそう呼ぶのか。ちなみに私が20代の頃入院した大学病院では「精神・神経科」というくくりだった(歌手のコッコさんが同じ時期に入院していた)。 さて一つ目は、眠っているときにたまに体がかゆくて掻いてしまうが、赤くはならない

          眠り姫になってしまう稀な症状〜周期性傾眠症とは〜

          【エッセイ】~impressとexpress~苦しみを愛せるか~

          4月30日投稿「感受性を殺してでも生きるべきか」の続きである。 私が10代後半から30代前半まで苦しかったのは、単純にストレスなどによる抑うつ状態だったからではない。 私は空や雲や風、音楽などの芸術作品、総じて主に美しいものに触れると、味覚を除く五感がめいいっぱい開き、それを自己の中に留めておきたくて、でもそれができずに、体中から、感覚で受け取ったものがあふれ出して、抱えきれないことによって、ずっと苦しんできた。 周りの大人たちは、日記を書け、詩を書け、油絵を描け、と言

          【エッセイ】~impressとexpress~苦しみを愛せるか~

          カップめんのチャルメラ味噌ラーメンを食べました。汁は全部は飲まないし、ナルトがダメなので残します。流しに生ごみが捨ててありました。そこに残りの汁を流してしまいました。にこにこしているたくさんのおじさんの笑顔を、捨ててしまいました。チャルメラおじさんがかわいそうだと思いました。

          カップめんのチャルメラ味噌ラーメンを食べました。汁は全部は飲まないし、ナルトがダメなので残します。流しに生ごみが捨ててありました。そこに残りの汁を流してしまいました。にこにこしているたくさんのおじさんの笑顔を、捨ててしまいました。チャルメラおじさんがかわいそうだと思いました。

          テツガクの小部屋18 プラトン②

          ・イデア論後半 かくしてプラトンにとっては、イデアの世界(英知界)と個物の現象する世界(可視的世界)が相対峙することとなった。プラトンはイデア界を存在とし、現象界を非存在とする。 存在といわれる限り永遠に不変でなければならないと考え、生成消滅するものを非存在とするギリシア人の通念はわれわれに多少奇異な印象を与えるが、彼らが存在というとき、たいていは本質的存在(「…である」)の意味で語られており、現実的存在(「…がある」)の意味で語られているのはむしろ稀であることに留意すると

          テツガクの小部屋18 プラトン②

          【詩】夢のあとさき

          ひとしずくの中に 果てなき夢を見る まどろみに堕ちてゆく 儚く暗き夢の底で 自ら鳴らす鐘の音が 永遠の涙をわたしに保証した ざわめきに溶けゆく煙と 黒白の奏に戯れて わたしはしばし 悪魔的な動揺や 虚飾の暗算から解き放たれ 甘美な嘆息の中で 安堵の上に曖昧なほおづえをついていた 夢のあとさきに漂う このひとしずくとわたしは 美しい合目的性によって結ばれ その固き絆が ほんの少しわたしを救ってくれる

          【詩】夢のあとさき

          【感想文】ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチ@上野東京文化会館5.3(後半)

          休憩を挟んで、2曲目は、ショスタコーヴィチの交響曲第5番ニ短調。芸術劇場の時はラヴェル「ラ・ヴァルス」が主目的だったが、この日はこの曲が目的だったと言ってもいい。特に、有名な第四楽章。しかし、有名だからというよりは、小さい頃から数えきれないほど聞かされてきたから、というのが本当のところだ。私が小学生当時、父はまだオケに入っておらず(もちろん趣味で、だが)、吹奏楽団に所属していたが、胎教からしてクラシックのみだったらしい私はずいぶん聞かされて育った(ちなみに母はロック、妹もクラ

          【感想文】ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチ@上野東京文化会館5.3(後半)

          【感想文】ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチ@上野東京文化会館5.3(前半)

          今回は上野の東京文化会館、大ホール。N響、指揮は坂入健司郎氏。 芸術劇場とはまた全く違う座席構成・座席数。私は一階席の中央から少し後ろあたりに落ち着いた。 芸術劇場の時はだいぶ空席も見えたが、この日は満員御礼だったのではないか。しかも5階席まであり、隣のご婦人方も話していたが、席と席の、前後左右の間隔が狭い。こんな状態も手伝ってか、音響は良いと聞いていたこのホールだが、私にはあまり良好とは感じられなかった。これだけ密で超満員だと、響きが良くない。私の座席の位置にも関係している

          【感想文】ハチャトゥリアンとショスタコーヴィチ@上野東京文化会館5.3(前半)

          テツガクの小部屋17 プラトン①

          ・イデア論前半 既述のように、善・正義・勇気・美の定義は、その本性上、善それ自体、正義それ自体などを目指さずにはいない性格を有している。 プラトンもまたこういった自体的存在を想定し、それをイデアないしは形相と呼んだ。しかも彼は善・正義、美といった倫理的概念のみにそれを限定しないで、あらゆる存在・概念に関してその自体的存在、すなわちイデアを想定した。したがってプラトンによれば、善のイデア、美のイデア、人間のイデア、馬のイデア、ベッドのイデア、三角形のイデア、等しさのイデアなど、

          テツガクの小部屋17 プラトン①

          【エッセイ】感受性を殺してでも生きるべきか 

          日課で新聞を取りに行く。冷たい風に当たり、私は過去に引き戻された。 抑うつなどの症状が出たのは16の時だ。原因は「記憶があふれる」。今のこの空気は1年前の何月何日、何をしている時、3年前の…4年前の…7年前の…といった具合だ。空気に限らない。音、におい、見るものなど感覚に訴えてくるものはみな対象だ。記憶は毎日積み重なってゆくから、当然、年を重ねるごと、苦しくなってくる。学校に行くにも、とにかく道を歩くだけで辛いのだから、家と最寄り駅の間を泣きながら行ったり来たりして、駅まで

          【エッセイ】感受性を殺してでも生きるべきか 

          【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(後半)         

          三曲目はサン=サーンスの「ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調作品61」。1881年の作品。 独奏ヴァイオリンが上手だったので感動した。ヴァイオリン協奏曲というと、シベリウスのヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47も有名だが、こちらの演奏を聴きに行った際、独奏ヴァイオリンの高音が耳をつんざくようで、しばらく独奏ヴァイオリンを聴くのが嫌になったことがあるのだ。 ドビュッシーの曲(演奏)に比べると、良い意味で堅苦しい。カチッとしている。型にはまっている。他の曲でもそうだが、サン=サーンス

          【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(後半)         

          【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(前半)

          先日、久しぶりに、一人でクラシック・コンサートに行ってきた。大学生の頃あたりは、かなり頻繁に様々な芸術に触れていたものだが、大学院に進んだ頃から、勉強で忙しくなり、いつの間にか遠のいてしまった。クラシック音楽だけでなく、クラシックバレエ、現代バレエ、絵画展、彫刻展、演劇など、古典・前衛問わず、場所も、色々な所に行った。 最近、またクラシック音楽を聴きに行きたくなり、詳しい友達から情報を得て、一人で行ってきた。2024年の目標の一つが「芸術に触れること」であり、その一つが再び詩

          【感想文】ドビュッシーとラヴェル@芸術劇場4.13(前半)