まどろみ天使

X (JAPAN)、プラトン、現象学、コーヒー、バッハ、ラヴェル、ミステリを愛する東京…

まどろみ天使

X (JAPAN)、プラトン、現象学、コーヒー、バッハ、ラヴェル、ミステリを愛する東京と沖縄のハーフ。大学院まで古代ギリシア哲学。16から様々な精神的な病気と闘う。セクシュアル・マイノリティ(ややこしくて分類不可能)。個人で行政書士の事務所→体調不良で閉所→甥っ子の家庭教師。

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  • 自作の詩まとめ

    16歳から30代前半までに書いた詩をまとめたものに、2023年から再び書き始めた詩を混ぜて発表しています。先入観なく読んでいただきたいため、一切の説明を省くようにしました。記事のカテゴリの中では一番マジメです。

  • テツガクの小部屋

    西洋哲学史の概略を、私見を交えずに、淡々と追うシリーズ。引用に用いる文献のサブタイトルはー理性の運命と可能性ー。哲学は時にとんでもないコトを大真面目に考えたりします。あなたもテツガクしてみませんか。

  • エッセイ・感想文

    自身のエッセイ(モドキ)、読書感想文・コンサート感想文などをまとめました。

  • マガジン追加・コングラボード等お礼のまとめ

    他noterさんがマガジンに追加してくださった記事へのお礼投稿や、コングラボードのまとめです。

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最近の記事

【詩】葉と生贄

沈鬱に煌めく枯れ葉たちは 生贄の記憶をさまよいの壁に打ち付け 足早に去り行く 新緑は朗らかに 常しえの鎮魂歌を彼の脳天へ呪縛し ついに気のふれた紅葉は 死を仄めかす不可解な踊りを 彼の前で軽やかに舞ってみせた 葉脈の陰影は 方々に宙の揺曳を生み出し 揺曳は旋律の海となる 生贄は長年 この海から抜け出せるのか悩み続けた それはひとえに 彼の頭の後ろ辺りが禿げているためだけではない 彼には旋律の色が見えたのだ その色は絶えず流転し 同じ色調の仄かを地上に移調する 生贄は葉を偏

    • 【テツガクの小部屋 番外編】アリストテレス 形相と質料について 補足

      形相(希 eidos, morphe, idea 英 form)例えば、材木が家という存在の質料あるいは素材とすると、「家」の概念にかなった構造上の形や機能はその形相である。このような意味の形相は、例えば家を家以外のものから区別する、家本来の特色であり、大工が家を建てるにあたって心に思い浮かべる模範でもあり、同時に建築という行為が達成すべき目的でもあるから、形相は本質(ウーシア)などの言葉と同義に用いられる。 質料(希 hyle 英 matter)上の例でいう、素材に当たる

      • テツガクの小部屋24 アリストテレス②

        ・形相論 イデア論批判は、普遍が個物から離れて存在すると想定することの不合理なることを示している。それゆえアリストテレスは、普遍すなわち形相は個物に内在することによってはじめて存在できると考えた。普遍の存在は個物の存在によってささえられねばならないのである。ところで個物とは、アリストテレスによれば、形相と質料の結合体である。それゆえ形相も質料もそれ単独では存在しえず、結合体、すなわち具体的な個物となってはじめて存在しうるのである。個物が独立して存在する唯一の存在である。それゆ

        • 【エッセイ】独白⑤~終章~

          (過去作) 私がこれからどうするのかって? それは誰にも分からないさ。 自殺を考える時、まさに実行しようとする直前、私はひどくもがき苦しむ。考えることは、自殺しても良いか否か、である。こんなことを自殺直前の人間が、哲学を引き合いに出して必死に考えようとするのである。死んでしまったら思考することは不可能である。だから生きているうちに思考するのである。それ故思考は専ら、死を否定しようと試みる。生を肯定する余裕はないのである。生の肯定と、死の否定は、決して同一ではない。私はこれ

        【詩】葉と生贄

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          【お礼】マガジン追加と、マガジンフォローありがとうございます!第7弾

          (一部修正しまして再投稿です。)9月8日からいただいた分をまとめました。今回は8人のステキなnoterさまたちより、4つのマガジンのフォローと、4つの記事のマガジン追加をしていただきました!ありがとうございます。 ①9月8日に、私の記事「【感想文】三大交響曲@芸術劇場8.18(後半)」が、山門文治(やまかどぶんじ)|コトバテラスさまのマガジン「予告:あなたのnote記事のビューとフォロー増えます」に追加されました。ありがとうございます! 追加してくださったマガジンはこちら👇

          【お礼】マガジン追加と、マガジンフォローありがとうございます!第7弾

          【お礼】コングラボードまとめ第6弾(2024.9.9の続き~)

          ① 9月9日にいただきました👇② 9月9日にいただきました👇③9月16日にいただきました👇①~③の対象になった記事はこちら👇 ④ 9月16日にいただきました👇⑤ 9月16日にいただきました👇④・⑤の対象になった記事はこちら👇 ⑥ 9月23日にいただきました👇

          【お礼】コングラボードまとめ第6弾(2024.9.9の続き~)

          【ほぼつぶやき】ロンドン・フィルと 辻井伸行さんの共演@サントリーホール9.11(一応後半)

          1曲目 : ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73《皇帝》」  ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 辻井伸行(ピアノ) 今回のライナーノートは、前半と後半が逆になると書いたが、この「一応後半」の方は、だから、2曲演奏された方の、1曲目になる。だが、そもそも、ライナーノートにすらなっていない、感想文にすらもしかしたらなっていない。私の「つぶやき」である。 そもそもの動機はマーラーの交響曲第5番の第4楽章を聴きたかった、それだけであったが、やはり、ロンドン・

          【ほぼつぶやき】ロンドン・フィルと 辻井伸行さんの共演@サントリーホール9.11(一応後半)

          【感想文】ロンドン・フィルと辻井伸行さんの共演@サントリーホール9.11(一応前半・今回は前半と後半の内容が逆です)

          「芸術に触れよう2024」今回はベートーヴェン「皇帝」とマーラー「交響曲第5番」である。チケットを取るきっかけは毎回違い、目的が演奏者だったり、指揮者だったり、楽団だったり、曲だったりするが、今回はおそらく今年の中では一番はっきりしていただろう。マーラーの第5番(第5楽章まである)の中の第4楽章を聴きたかったのだ。それがまずありきで、ロンドン・フィルと辻井さんは後付けだった、ハズなのだが……。 今回は1曲目がベートーヴェン、2曲目がマーラーだったが、2曲目を先に書こうと思う。

          【感想文】ロンドン・フィルと辻井伸行さんの共演@サントリーホール9.11(一応前半・今回は前半と後半の内容が逆です)

          【お礼】コングラボードまとめ第5弾(2024.8.18~)

          ~みなさまの一つ一つの「スキ」に、感謝申し上げます~ ① 8月18日にいただきました👇 ② 8月19日にいただきました👇 対象となった記事はこちら👇 紹介してくださったnoterさまの記事はこちら👇 ③ 8月19日にいただきました👇対象となった記事は②と同じです。 ④ 8月26日にいただきました👇対象となった記事はこちら👇 ⑤ 9月2日にいただきました👇

          【お礼】コングラボードまとめ第5弾(2024.8.18~)

          【エッセイ】小説家ではないけれど

          私はまだ若い頃、今のSNSの先駆け的なものに1つ、2つ登録していたが、そのプロフィールに「自称日本一のその日暮らし女」なんて書いていた記憶がある。少しばかり(いや、だいぶ)YOSHIKIさんの生き方についてのエッセイ本などに影響されている感がなくもないが、意味は、賢い読者のみなさまならお分かりのことと思う。 本題に入る前に、YOSHIKIさんの生き方について少し書いておこう。 ファンになり始めた16歳以降、しばらくの間は、エッセイ本からファンクラブ会報のバックナンバー、昔の

          【エッセイ】小説家ではないけれど

          テツガクの小部屋23 アリストテレス①

          ・イデア論批判 アリストテレスは、普遍が個物から離れて存在するのは不可能であると考えた。命題の形で表現すれば、個物が主語であり、普遍はその述語たるべきものであるが、プラトンのように考えれば、述語がそれだけで存立しておらねばならないことになるからである。このことはソクラテス、カリアス、クリティアスといった個々の人間(主語)が全く存在していなくても「人間」(述語)はあるという、それ自体奇妙な思想であるが、それに加えて、もし述語がこのように独立した存在と考えられるなら、否定的な述語

          テツガクの小部屋23 アリストテレス①

          【お礼】マガジン追加と、マガジンフォロー・紹介ありがとうございます!第6弾

          8月12日からいただいた分をまとめました。今回は6人のステキなnoterさまたちより、6つのマガジンのフォローと、2つの記事のマガジン追加、1つの記事の紹介をしていただきました!ありがとうございます。 ①8月12日に、一人俳句ときどき短歌さまより、私のマガジン「テツガクの小部屋」をフォローしていただきました。ありがとうございます! フォローされた私のマガジンはこちら👇 マガジンフォローしてくださったnoterさまのページはこちら👇 ②8月13日に、私の記事「【詩】覚醒の

          【お礼】マガジン追加と、マガジンフォロー・紹介ありがとうございます!第6弾

          【エッセイ】独白④~狂人日記~  

          (過去作) 「つまり、私はこのように思うんです。  既に気のふれた人間が、要するに、彼の主張するところの彼の理性をもってして、狂人とは何であるかを定義し得るのか、ということです。 学と名のつくものは、問いに対する解を追究するものですね。そしておよそ学と名のつく限り、それは理論的に他者に教えられうるものと考えます。哲学の問いとは、例えば、いかに生きるべきか、時間はいつ始まったか、誰が芸術家と呼ばれるか云々、howだのwhenだのwhoだのと形は違えども、それらは全てwhat

          【エッセイ】独白④~狂人日記~  

          【詩】月を殺す

          窓辺には 男が切り取った月の欠片たちが 寂し気な輝きを放ちつつ 整然と並べられていた 彼は冷徹な瞳で月を刺し殺し その刃は月を切り取りながら冷たく笑う 男はしかし 欠片たちを決して売ることはない ただ窓辺に立つことが 彼の生の証 満月の夜も 新月の夜も 男は月を刺す そして彼は肥え 生きるのだ だがついにある夜 彼は月殺しのかどで 捕えられた 月を殺して生きるということは 男が予期できぬ未来の憐憫の中で 立ち往生しているという 厳しい現実 彼は自分を取り巻くその

          【詩】月を殺す

          【感想文】三大交響曲@芸術劇場8.18(後半)

          2曲目はベートーヴェンの「交響曲第5番ハ短調作品67〈運命〉」。この名称もまた、ベートーヴェン自身による正式なものではない。さらに通称の由来(もしくは冒頭の4つの音)についても大きく2つの説があるようだが、措いておく。この曲は絶対音楽であるので、逸話に関しては私はあまり興味はない。 冒頭の4つの音、これをどうやって指揮するか、よく子どもの頃に父に試された。(父はいまだに趣味で吹奏楽団とオケでトロンボーンを吹いているが、東京の音大の指揮科を受けて合格したものの、沖縄の貧しい実

          【感想文】三大交響曲@芸術劇場8.18(後半)

          【感想文】三大交響曲@芸術劇場8.18(前半)

          2024の「芸術に触れよう」4回目は、初めて友人を誘って行った。その友人はクラシックのコンサートは初めてだという。だがそんな友人には今回の曲目はベタすぎるゆえにちょうどよかったらしい。「未完成」「運命」「新世界より」というラインナップだ。 池袋の芸術劇場、読売日本交響楽団、指揮は出口大地氏。 シューベルト「交響曲第7番ロ短調D759〈未完成〉」。この曲はもともとシューベルトが意図して第2楽章までで終わらせたいわゆる標題音楽ではないようだが、形式的にみても、交響曲として典型的

          【感想文】三大交響曲@芸術劇場8.18(前半)