テツガクの小部屋16 小ソクラテス学派②
アリスティッポスはソクラテスの「よく生きよ」を「快く生きよ」という意味に解し、そこからこともあろうに極端な快楽主義を唱えた。ソクラテスの「よく生きる」は「善く生きる」こと、すなわち有徳に生きることを意味すると同時に「快く生きる」こと、すなわち幸福に生きることも意味している。アンティステネスは前者の面をとり、ソクラテスの命題をその方向において極端化し、徳を人生唯一の目的として快を捨てたが、アリスティッポスは後者の面を捉えて、ソクラテスの命題をアンティステネスとはちょうど逆の方向