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村の人々

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バルセロナ郊外の小さな村の家具修復工房に訪れる村人たち。おかしな人から最高に素敵なお客様、ベテラン同業者からアーティスト仲間まで いろんな人をご紹介
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記事一覧

籐を編み続けてみたら

籐を編み続けてみたら

ひと通り籐の編み工程を学んだので、さっそく仕上げた2脚の椅子を店頭に並べました。
こういう家具も扱ってますよってことで。
ビフォーアフターを表示して分かりやすくね。
まだまだ学び中なので、そこんとこご理解頂いた上で30%オフキャンペーンスタートです。

すると
その日の午後、1人のおばあちゃんが立ち止まって、
猛烈に血圧あがっちゃった!って言う顔でこっちをみていました。
目がキラキラしてました。

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セネガル行くか?

セネガル行くか?

今週日曜日、
魂の友(笑)である近所の絵描きさん、マネルがコロンビアに長期旅行に出かけます。

マネルとのナレソメはこちら↓

毎日、孫の保育園送り迎えやその日のお昼に食べるお豆を買いに行く道すがら
工房に立ち寄って少しおしゃべりします。

しばらく会わなくなるのでここ数日は語りが深い。笑

彼とはアートのことも、
スピリチュアルなことも
社会的なことも
どんなことでも大体似たような価値観で話がで

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「グッと地球便」に乗りました。ちょっと裏話編 

「グッと地球便」に乗りました。ちょっと裏話編 

思わぬ展開でテレビ番組に取り上げて頂きました。
いきさつと真面目な体験談はこちら↓

今日はちょっと裏話的な面白かった体験を綴っておきます。

カメラの回る時間

取材体験で一番ワクワクしたのは隠しマイク。
刑事ドラマの潜入捜査みたいでカッコいい。
上着の裏側に実はマイクを貼っつけてあってカメラが回っていると録音されていくのかな?
なんかそんな感じらしい。
ちっちゃいウエストポーチみたいのが付いて

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テレビ大阪「グッと地球便」に乗りました  真面目に解説編

テレビ大阪「グッと地球便」に乗りました 真面目に解説編

今日はちょっと番外編的な。
テレビに出ちゃったよっていうお話。

突然のお話

先週日曜日、関西地区で放送された「グッと地球便」に出演いたしました。

時間をさかのぼること、あれは夏前くらいだったかなあ。
番組スタッフの方からメールを頂き
海外在住の日本人候補としてお話したいと言われました。
電話でなんとなくどんな生活をしてるか、とか仕事の内容を話しましたが、なんかめちゃマニアックな木の話とかして

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警察のお買い物 スペイン警察についての小話もちょいと。

警察のお買い物 スペイン警察についての小話もちょいと。

最近、警察関係の話が続きます。
前回の盗難届とは打って変わって平穏な話なのでご心配なく。

いつものように工房で作業をしていると制服の警察官が2人入ってきた。
何も悪いことはしてないんだけどちょっとドキドキしてしまうのは
前回警察官が工房に来た時は、
オープン直後でまだガレージの駐車禁止マークがついたままで
もう車両出入りはないんだから駐車禁止マークを外しなさいと言われた時だったので。

ガレージ

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停電したシャッター

停電したシャッター

久しぶりに工房日記らしい話です。

クリスマス休暇が始まった初日。
工房へ行くと
仕事熱心な角の肉屋のおっちゃんが外でタバコ吸ってる。
手前のカフェもなんか変。
バイク屋のチャビィが
「電気ないよ」って

ええぇ!?

停電!?

工房の前まで行くと隣のカーテン屋のおじさんがトウセンボして
「通行料金いただきます」
とか、また古典芸能なギャグをかましてきた。
「停電してるの?」って聞くと
「停電、

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90歳のアヴァンギャルド

90歳のアヴァンギャルド

夏のバケーション前のお話。
おばあちゃんのお客様が入ってきて
「あら、お国に帰るんじゃなかったの?」
そういえばこのおばあちゃん、数週間前にテーブル修復の依頼で訪ねて来てくれた人。
日本へしばらく帰るから依頼については休み明けに戻って来たら連絡するね、
と言っていた向かいのマンションのおばあちゃんでした。

「今週末出発だよ」って言ったら
「掃除のおばさんがね、壁の絵の額を落として壊れちゃったのよ

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チャビにハグを

チャビにハグを

今月は、休み前に入ったお仕事がたっぷりあって忙しく楽しい。
朝からさっさと作業に入りサクサクと進めていく感じが妙に楽しい。

そんな楽しい朝、作業してると誰かが工房に入ってきた。
「hola〜、今忙しい?ちょっと時間ある?」
と、(珍しく)控えめに入って来たのは近所のバイク屋チャビィ。

いつもはいきなりガラスをバシバシ叩いたり
ドアを開けて「バァー!」って言ってピンポンダッシュみたいに去って行っ

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60個のボタンに込めた姉妹愛

60個のボタンに込めた姉妹愛

ウベコ工房が気に入ってるアイデアの中に、縮緬端切れで作ったくるみボタンがあります。

チェスター風に椅子を張ったりする時のボタンにしようと思いつき、デニム地にこの色華やかなくるみボタンを合わせてみたりしてます。

ちりめんくるみボタンでデニム張ったチェアのエピソードはこちら↓

その時に余った素材で小さな額を作り、サンプル感覚で店に飾ってあります。

ある日、それを見たお客様が飛び込んできて、

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おばあちゃん集会でロッキングチェア

おばあちゃん集会でロッキングチェア

嬉しい再会がありました。
かわいい憧れのおばあちゃん・ウルスラがまた工房に来てくれました。

ジブリ実写版なおばあちゃんとの出会いはこちら⤵︎

今回は
ロッキングチェアを探していると言う問い合わせ。

この仕事をしていると時々こんなことが起こるんですが、
実はこの日の午前中、
要らなくなったので家具の引き取り手を探していると言う男性が来たところで、
その家具の中にロッキングチェアがあったのです!

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ロルカを殺した男

ロルカを殺した男

今日はまだ不調から完全に復旧してないので
しっかりゆっくり休憩と言うことで
工房の机に座ってこの日記を書きながらボカタ食べてました。
すると画家のモイセがやってきて
娘さんが秋に日本へ行くことになったから
来週、彼女を連れて来るよって。
言いに来ました。

モイセはグラナダ出身の画家で
芸術、歴史、宗教などについて物凄い知識を持っています。
来るたびに何か教えてくれるので話は長くなるけどユーモアも

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グラナダ生まれの絵描きさん・モイセ

グラナダ生まれの絵描きさん・モイセ

工房をオープンして素敵だったことの一つが、たくさんのアーティストさんに出会えたことです。
工房の内装はとてもシンプル。
白壁に一本だけある柱をちょっと控えめな赤で塗って
少し日本の国旗を思わせるようにしたけれど
あとは着物や家具が彩ってくれるので、心掛けているのは色のバランスだけです。
外から色とりどりの着物がガラス越しに見えて
着物に少ないグリーンを植物で補充して
着物に使われるトーンや家具の温

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ウクライナ語は分かりません

ウクライナ語は分かりません

夏場はドアを開けっぱなしにしているので
誰か来てもドアに付けてる鈴が鳴らず
顔を上げたらお客さんいてびっくり
なんてことがよくあります。

今日もまた、作業しててふと顔をあげたら、ぷくっとした可愛らしい顔のおばちゃんが嬉しそうに立っていました。

「わたしウクライナ人なの。ここはナントカナントカ(ウクライナ語らしい)ナントカなアンティークかしら?」

聞こえた言葉をキャッチして
「そうそう、アンテ

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ジブリなおばあちゃん実写版!!

ジブリなおばあちゃん実写版!!

ある日、工房に
アリエッティに出てきそうなおばあちゃんがいらっしゃいました。
小柄で華奢で小綺麗で、アリエッティの歳ではないですけど、
ふとあの小人物語を連想してしまいました。

「家にある鏡が要らなくなったので売りたいんだけれど、誰か鏡欲しい人知らない?」
って言うお話でした。
こう言う場合は一応写真を送ってもらって、欲しい人が現れたら繋げる、
なんてこともします。

おばあちゃんは歩行器を押し

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