マガジンのカバー画像

『#ノートの切れはし』

193
学生時代、授業中に回ってきた「ノートの切れはし」。そこには、なんてことない言葉が書かれていました。そんな手紙のような「ノートの切れはし」を、このnoteで再現していきます。特にテ…
運営しているクリエイター

#ライター

平日4日間部屋に籠り切って仕事をしていた眠い生活のなかで、減失したもの以上に、気づけば何かが充足していた。

平日4日間部屋に籠り切って仕事をしていた眠い生活のなかで、減失したもの以上に、気づけば何かが充足していた。

いま多くの企業でリモートワークが推奨されている。学校は自宅学習や休校が相次いでいる。

オンライン会議や、ウェビナー授業、メールやチャットでの宿題提出。中国の学校では、各家庭からビデオを録画して試験を実施しているところもあるらしい。

すべてが遠隔で対応されている。逆に言えば、それで事足りる時代になっているはずなのに、自分たちは何をしていたんだろうと気づかされる時が来ている。不謹慎かもしれないけれ

もっとみる
能動的に好きになるチカラのすすめ

能動的に好きになるチカラのすすめ

こうしてライターとして仕事をしていると、メディアなどから「依頼を受けて」取材することが多々ある。

依頼を受けたとき、取材対象者が有名人だったり、何かしらのつながりがあったりして、もともと知っている場合もあれば、逆に、ぼくの知らない人だったり、そもそも興味や専門の範囲外なんていうこともよくある。

そんなとき、ぼくは取材対象者に全力でハマりにいく。

多くの場合、「ハマる」ことは受動的だけど、ぼく

もっとみる
男性性と女性性の狭間でギャル性を追究する

男性性と女性性の狭間でギャル性を追究する

先日、メイクをする機会があった。

それは僕の所属する箕輪編集室の雑誌制作の企画の一環。「ギャル」特集の1コーナーに、メンバーが実際にギャルになってみるという企画があったからだ。(なんだか「だ・である」調でこれを書いていると、ばかみたいに思えてくるので、適当に読み流してもらいたい。)

2月某日、ギャル風にメイクをして街なかで撮影をするべく、雑誌制作メンバーの一部で渋谷に集まった。

ギャルメイク

もっとみる
「才能を伝え遺したい」出張取材企画の意図

「才能を伝え遺したい」出張取材企画の意図

ライターの金藤です。

ぼくは今年から、「あなたの身近なスゴイ人、取材します」という企画をしています。

これは、世の中には「取材してほしい」というニーズが意外と多くあるんじゃないか、という気づきから始めた企画。「自分を取材してほしい」でもいいし、尊敬する人、信頼されている人、人知れず結果を出している人などを「より多くの人に知ってほしい」という要望に応え、全国を移動して取材をし、記事化して発信する

もっとみる
つかみどころのない世界の解像度を上げるために

つかみどころのない世界の解像度を上げるために

ぼくは幼い頃から、「言葉は不便だなあ」と感じてきた。「人間はどうやったら言葉を使わずに、テレパシー的なもので感覚をそのまま共有できるようになるんだろう」なんてことをよく思っていた。(「言葉」というと広義になるけど、ここでは、いわゆる日常的にぼくらが使っている言語のことを言っている。)

ぼくたちは自覚的にも無自覚的にも、五感・六感を使ってあらゆることを感じている。映画を見たり、音楽を聴いたり、香り

もっとみる
「お前はよくわからない世界へ行ってしまった」

「お前はよくわからない世界へ行ってしまった」

僕はフリーランスになってからというもの、会社に所属して仕事をする人たちから、なんだか距離を置かれてしまったように感じる。

昨日、その感覚はある意味で正しかったのだとわかった。近しい人から次のような言葉を言われたから。

「お前はよくわからない世界へ行ってしまった」

僕は今フリーランスでライターをしている。自分で仕事を得て、失敗を重ねて生きている。

「よくわからない世界」とはなんだろう。僕はど

もっとみる
取材の目線

取材の目線

取材にはいくつかの工程がある。

僕は主に人物に対するインタビューを行なっているのだけど、準備から当日のなかで、いつもどのようなことを考えて進めているのか。それを、①取材準備と、②取材当日の2つに分けて、僕自身のために整理しながら考えたいので、まとめてみる。(当たり前のことばかりですが、あしからず)

①取材準備

まずはとにかく取材対象者を知る。

取材対象者の著書、Webに上がっている情報など

もっとみる
記者とライターと制約

記者とライターと制約

昨夜、多くのジャーナリストたちと話をした。刺激的な出会いがあった。それぞれに得意とするジャンルがあり、言語があり、そして誰の言葉の奥にもジャーナリストとしての矜持のようなものが見えた。

僕はこれまでライターとして仕事をしてきた。これからもそれは継続しつつ、そこに記者・ジャーナリストとしての要素も加えていく。その違いはなんだろうか。

ライターと記者
ライターとは、いわば翻訳者だ。誰かの言葉をどう

もっとみる
あなたの身近なスゴイ人、取材します。

あなたの身近なスゴイ人、取材します。

個人や企業から「この人を取材してほしい」という依頼を受けて取材を行い、記事を執筆する取り組みを行っています。

それがこの「あなたの身近なスゴイ人、取材します。」という取り組み。長いですね。単純に、「出張取材」と言えばいいかもしれません。

あなたが個人的に尊敬している人、周囲では信頼があるのにあまり知られていない、だからもっと多くの人に知ってほしい思う人に、お話を伺い、記事を書きます。

「あの

もっとみる
歩き始めて今日まで。2019年より少し前から、僕はライターとしての歩みを始めていたらしかった。

歩き始めて今日まで。2019年より少し前から、僕はライターとしての歩みを始めていたらしかった。

今年は、長かった。

2019年を振り返っていると、ふと、僕のライターとしての活動の始まりが、実は2017年にあることを思い出した。

物流マンとして仕事をしながら、ライターになろうと思った僕の心境の変化、行動の変化について、当時を思い出しながら、つらつらと書いてみる。

書いて伝える仕事で生きていきたい。

物流企業で現場管理をしていた僕の頭にそんなぼんやりとした気持ちが湧いていた。実をいうと、

もっとみる
幼きぼくは「書きたい」と思った

幼きぼくは「書きたい」と思った

ぼくが「書きたい」と思うようになったのは、小学校低学年のころに書き始めた日記が最初だったんじゃないかと思う。

ぼくには、書きたい理由があった。

それは、忘れることを恐れていたから。

その日、その時間は、過ぎ去れば跡形も残らず消えてしまう。残るのは記憶のなかだけで、それも時間とともに薄らいで、あとから思い出そうとしても思い出せなくなる。

幼心ながら、ぼくにはその日を失う恐怖感があった。それが

もっとみる
僕がライターとして仕事ができるようになったきっかけを思い出した

僕がライターとして仕事ができるようになったきっかけを思い出した

先週の記事「思えば1年が経った。僕が会社を辞めてからを徒然なるままに書き綴ってみる」の続きです。

4月、突然、新R25編集部の宮内さんという方からDMが来た。新R25でライターとして仕事をしないかという依頼だった。僕の記事を読んでDMをくださったという。「まさか」と思った。

というのも、僕はオンラインサロンに「えいや」と入会したあと、個人的に取材をして記事を書いていたのだ。

*     * 

もっとみる
思えば1年が経った。僕が会社を辞めてからを徒然なるままに書き綴ってみる

思えば1年が経った。僕が会社を辞めてからを徒然なるままに書き綴ってみる

思えば1年が経った。僕が会社を辞めてからだ。

僕は、いまでこそライターをしているが、もともとは新卒で佐川の物流企業に入社した。そこから3年半、物流現場でのオペレーションを経験した。

毎日100名前後のパートさんと相対しての指示出し、生産性や進捗の管理をしたり、新規立ち上げの現場の応援に行ったり、新たなシステムの運用をしたり。

体力的にはキツイと思ったことはなかった。厳しい上司のもとで仕事をし

もっとみる
これからの「価値」の形はどう変わるか

これからの「価値」の形はどう変わるか

これからの新しい資本主義の形はどう変わっていくのか。

学生時代、経済学部だった僕は人々の価値観に興味を持ち、開発経済学、貿易論、行動経済学や神経経済学を学んでいた。

ゼミでの研究テーマは「新しい資本主義経済の形」といったものだった。“お金の次” を求めて途方もない研究の成果を出そうと励んでいたものの、そもそも「お金とは何か」「価値とは何か」さえも、これだという明確な定義ができなかった。未だ誰も

もっとみる