#日記
2024年上半期ベスト映画 トップ10
映画館に見に行く本数は減ってしまったけれども、配信などで食らいつくことができたと思う。結論をすぐ出さない、"揺らぎ"のある映画たちを10本。
10位 アメリカン・フィクション
本年のアカデミー賞作品賞ノミネート作。海外の作品を見始めたのはここ数年だけど、“真っ当”なものとして見てきた傑作にもこのコメディが刺そうしている目線があるのでは?と思わせるような毒と説得力があった。戯画化された正しげな配
2023年ベスト映画 トップ10
劇場公開から配信までの間隔がどんどん狭まって、年末には9月公開くらいの映画ならば(特にU-NEXT)配信で観れちゃうようにはなってるのだけどこうして振り返ると劇場鑑賞のインパクトはやっぱ強い。来年は恐らくここまで映画館には行けなくなるはずなので、このトップ10を大事に噛み締めます。
10位 正欲
欲望が共有されない寄る辺なさ、欲望を共有することで生まれる信頼、という点でとても根源的な問いにまつ
2023年上半期ベスト映画 10
10位 フレーミングホット!チートス物語
あまり観ない伝記モノだが知られたお菓子という題材に釣られて観たらとても面白かった。自分はこのぐらいのモン、と社会や時代に思わされてしまう境遇においても、ユーモアとアイデアの輝きはきっとずっとそこにあることを実直に描いていた。こういうニッチなヒストリードラマ、もっと観たい。
9位 フェイブルマンズ
スピルバーグの巨匠への道筋をなぞる映画だと思いきやその
Podcast『海月の人々(((通信)))』#15.「THE FIRST SLAM DUNK」「このテープ持ってないですか?」/#16.柄本佑「ippo」安藤サクラ「ブラッシュアップ・ライフ」
夫婦ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』、第15回はいつもを趣向を変えまして、どちらか1人しか観てないものについてお互いが語りかける回。なまずのさんは「THE FIRST SLAM DUNK」、月の人は「このテープ持ってないですか?」です。各々の好みの方向性が浮き彫りになりました。
第16回は、最近観た映画と夢中になっているドラマの話。柄本佑が監督した短編3本をまとめた映画『ippo』の
2022年ベスト映画 トップ10
2022年の映画で良かった作品を10本選んでランキング化。今年も大充実。下半期は特にやや好みの範囲外にも足を伸ばし、思いがけぬ名作を見つけられたと思う。やっぱり、確実な傑作よりも小さな名作を抱きしめていきたい。
10位 そばかす
三浦透子の単独初主演作。同年代最上級の演技とともに彼女の良い“走り“が観れる映画だった。立ち向かうでも逃げるでもなく、ただシンプルに自分として走ることの難しさと気高さ
揺さぶられる人間の味~「窓辺にて」
今泉力哉監督、稲垣吾郎主演による映画「窓辺にて」を観てからというものの、何度となく考えている。人間味とは何かということを、だ。愛嬌とかクールさとか、そういうキャッチーなものじゃなく誰しもが自分で知らないうちに抱えているような人間の味。それは自分で把握している部分もあるだろうが、他の人からしか知りえないものも沢山ありそうで。そんなことを考えれば考えるほど、他者と生きることの面白さと不思議さが押し寄せ
もっとみるポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』#9.SFは一軒の家から〜『四畳半タイムマシンブルース』『アフター・ヤン』
第9回は映画感想回。原作:森見登美彦、脚本:上田誠、監督:夏目慎吾の「四畳半タイムマシンブルース」と監督:コゴナダ、主演:コリン・ファレルの「アフター・ヤン」について。どちらも1軒の家を中心にしたSF作品。一方はタイムトラベル、一方はAIロボットということでジャンルは違うのだけど、どちらも“今”を描く作品になっているのが最高だった。
トークトピックスは以下。
SFのイメージ
ROTH BART
ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』#4.映画「さかなのこ」「LOVE LIFE」~"なんだコイツ"の果てに
第4回は映画感想語り合い回。前半約30分は沖田修一監督/のん主演「さかなのこ」、後半約30分は深田晃司監督/木村文乃主演の「LOVE LIFE」について語りました。「さかなのこ」はほっこりとした伝記コメディ、「LOVE LIFE」は息詰まるヒューマンサスペンスと両極端な2本ですが、この2作に通ずる"なんだコイツ"という感覚を軸に喋りまくりました。
トークトピックスは以下の通り。
お茶の間の人
ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』#2.「NOPE/ノープ」は"見せないという怖さ"の映画だ
なまずのおばけさんとの夫婦ポッドキャスト『海月の人々(((通信)))』、第2回は映画感想語り合い回。「NOPE/ノープ」を興奮気味に語りました。ジョーダン・ピール、今1番推してる海外の作家かも。15分、30分あたりでちょっとずつネタバレの階層が深まっていくのでご注意を!!
トークトピックスはこちら。
大作を観てこなかった
ピクチャインピクチャで観てもしょうがない
”突然泣く“と”声ガラガラ“
2012 to 2022〜映画『桐島、部活やめるってよ』公開10周年に寄せて+偏愛映画5選
『桐島、部活やめるってよ』10周年今日、2022年8月11日は「桐島、部活やめるってよ」の公開からちょうど10年の日だ。10年前、大学1年生の夏に映画館で観てこれは凄いものを観たな、という気持ちになったことを覚えている。当時は大作を理由もなく毛嫌いしてたので同じ時期に公開されていた「アベンジャーズ」のキャッチフレーズである"日本よ、これが映画だ"を舐めとるなぁと思っていたし、言うなれば「桐島~」は
もっとみる2022年7月に観た映画(こちらあみ子/ベイビー・ブローカー/呪詛/スパイダーヘッド)
こちらあみ子
下半期、いきなり頭ぶん殴られるような1作。ヘタに衝撃作とか謳うより遥かに大きな衝撃。自由奔放に生きて周囲を振り回す主人公あみ子。小学6年生から中学1年生へのステップの中、彼女の振る舞いへの目線は徐々に変わっていく、というあらすじ。純粋さと無邪気さと図々しさ、しかしその可愛げが可愛げでないタイミングが訪れ、取り巻く環境はドミノ倒しのように変化していく。変わるはずのないあみ子とそびえ立
2022年上半期ベスト映画 10
2022年の映画で良かった作品を10本選んでランキング化。今年もなかなか良い感じ。最近は、約束された成功作よりも博打を打ちたい気持ちも高まっているので下半期もそんな基準で映画を観たい。自ら予想の外へと行きたい。
10位 PLAN75
早川千絵監督による長編映画デビュー作。75歳以上の高齢者に対して自らの生死の権利を保障する架空の制度を描く。体裁を整えてはあるけど要するに自殺を選択できる世界の是
2022年4月の色々(やがて海へと届く/DYGL×ミツメ/浪漫革命×MONO NO AWARE/#ケープロ名古屋)
やがて海へと届く
先行上映会で観た。誰かの全てを思い知ることなんてできないけれど、それでも、それでも、と思いを馳せることの愛しさを募らせる映画だった。あの日の言葉の続きや、いつか見ようとしてた景色も、全てはどこかで繋がって、きっとまた会えるはず。喪失の受容と再生、その先を美しく描き切っていた。
浜辺美波の浮世離れ感は見事だったし、相反するようでよく似た主人公を岸井ゆきのが演じる完璧なキャスティ