記事一覧
卒論という山の上から見える景色
卒論が山場。毎年のことではあるが、ここ2年ほどは授業外での指導(添削含め)は、教員のワークライフバランスを考えた結果、ほぼしていない。とはいえ、うちのゼミではサブゼミ的に個人指導を別時間とってやっているので、他のクラスの倍はやっていることになるのだけれど。
卒論指導では結局、時間切れになるまでに「どこの部分」まで指導を受けられたかが、作品の質と、作者の学びに関係するといつも思う。ちゃんと調査結果
『面白くて刺激的な論文のためのリサーチ・クエスチョンの作り方と育て方』はこう読めてしまう。
この本、相当示唆に富む。他の研究者や院生の方と読書会をしたい。
概要をまとめると、この本では社会科学(主に心理学・社会学・経営学・教育学)において、英文トップ・ジャーナルに掲載された論文が「つまらない」ものばかりなのはなぜか?という問題を論じている。それらの分野の論文を分析した上で理由を探っているのですが、以下内容を超簡単に要約すると‥
結論から言えば、先行研究の重箱の隅をつつく「ギャップ・ス
『違国日記』から考えた他者理解の方法:槙生と朝の気になる"謎"
注意!ネタバレ含みます!!!
『違国日記』が完結した。いや、もうだいぶに完結していて、最終巻も出版されていたのだけれど、大好きなマンガだったので終わってしまったのがあまりのショックで、読むことができずにいた。しかしなんとか思い切って最近、第1巻から読み返し、通しで最終巻まで読んだ。あーそういうラストかーと、しみじみ読み終えることができました。
作者のヤマシタトモコ氏は、本作がもっていたテーマに
社会人で大学院入学を希望される方へ(再掲)
はじめに
ここでは、社会人で社会科学系の大学院に行きたい人向けのガイド、というよりも「注意書き」をまとめています。これまでに大学院進学をご希望される方とお話しする中で、たまに、ご期待と提供できるものの間にずれがあって、入学されてから期待外れになってしまっては申し訳ないな、と思うことがありました。そんなときは誤魔化さずに率直にお伝えするのですが、そうしたことの中で、共通的な事柄をまとめています。
大学は沼にハマるための場所
(写真は帰り道に見つけた「大雪渓酒造」のお酒。なかなかお目にかかれないので即買いでした。初夏向きの低アルで酸味の効いた、香り高いお酒。とてもおいしかったです。)
大学の業務の一環で、学生からインタビューを受けた。
「今読んでいる本は?」と聞かれたので、オーディオブックだけれど、と前置きした上で、『ボタニカ』と『本好きの下剋上』、あとマンガたくさん、と答えた。学生があまりよい顔をしていなかったの
幸せな職場はどこにある? 〜「グローバル就業実態・成長意識調査」結果から考える〜
はじめに:「グローバル就業実態・成長意識調査」の概要「グローバル就業実態・成長意識調査 -はたらくWell-beingの国際比較」という、とても興味深い調査結果を発表されています。
この調査は「世界18ヵ国・地域の主要都市の人々のはたらくWell-beingの実態やその要因について明らかにすることを通じて、日本のはたらくWell-beingがなぜ低いのかを考察する」(上記サイトから引用)という目