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卒論という山の上から見える景色
卒論が山場。毎年のことではあるが、ここ2年ほどは授業外での指導(添削含め)は、教員のワークライフバランスを考えた結果、ほぼしていない。とはいえ、うちのゼミではサブゼミ的に個人指導を別時間とってやっているので、他のクラスの倍はやっていることになるのだけれど。
卒論指導では結局、時間切れになるまでに「どこの部分」まで指導を受けられたかが、作品の質と、作者の学びに関係するといつも思う。ちゃんと調査結果
『面白くて刺激的な論文のためのリサーチ・クエスチョンの作り方と育て方』はこう読めてしまう。
この本、相当示唆に富む。他の研究者や院生の方と読書会をしたい。
概要をまとめると、この本では社会科学(主に心理学・社会学・経営学・教育学)において、英文トップ・ジャーナルに掲載された論文が「つまらない」ものばかりなのはなぜか?という問題を論じている。それらの分野の論文を分析した上で理由を探っているのですが、以下内容を超簡単に要約すると‥
結論から言えば、先行研究の重箱の隅をつつく「ギャップ・ス
オンライン授業こんな感じでやりました
もうこのネタは書かなくても、世の先生方が山ほど書いているので、別にいいかな、と思っていたのですが。学生に聞いてみると、あまり私のような授業方法をとったのは他の授業ではなかったらしく、誰かの参考になればと、記録を残しておきます。
2020年4月〜7月の、大学全体での授業実施方針
本学では4月から7月までが一つの授業実施期間なのですが(春学期と呼んでいます)、新型コロナウイルス感染拡大による4月の緊
おすすめ新書3冊と、新書のジェンダー問題
ツイッターで #専門家が選ぶ新書3冊 というタグがあって、これが面白い。
専門の先生たちが初学者向けに厳選した3冊は、ぜひ読んでみたいものばかり。中にはタグに便乗してよく分からない人が選ぶ、ただのミーハーなだけの3冊もあったりするのだが、それはご愛嬌かな。
ツイッター、表アカは消してしまったので、こちらで自分も選んでみたものを開陳。問題は、3冊に収まらないのと、自分が何の専門家か分からないこと
個性を生かすための「型」習得〜あるいは、学校生活を生き延びるための術〜
「最近ドラマといえば、テレ東系のばっかり見てるよ。アマプラで。」と私。
「テレ東のドラマはゴールデンタイムでも30分なんですよ。予算も少ないらしくて。」と学生。彼は将来、ドラマ制作に携わりたいと考えている。
「確かに俳優も有名な人は少ないよね。でもそういう制限が面白い番組を作っているんだと思うよ。制限があった方が、創作は独創性が発揮されるってことがある。テレ東系のドラマはすっごいこだわりが感じ
年末年始は卒論添削でした
(トップは美味しそうなお雑煮の写真をお借りしました。ありがとうございます。年始に行った温泉で、朝食に出たお雑煮がこんな感じでした)
なんだか年末年始の記憶がない。というのも、大学の授業が終わった12/24からずっと、学会の仕事をして、卒論添削をしていたから。一応、大学は6日から授業始まったけど3連休入って、それでも引き続き2回生・3回生のレポート添削をしている。添削マシーンとして過ごしたこの2週
『ワンダーウォール』に大学の来し方行く末を見た話
京都大学 吉田寮の建替問題を題材とした短編映画『ワンダーウォール』が、Amazon Primeで見れるようになっていた。 前から気になっていた映画だったのでさっそく視聴。
(Amazon DVD版およびAmazon primeはこちら)
あらすじは以下の通り。
導入はエモい…このまま、エモく終わるのだろうか。若者の儚い大人への反抗。夢の終わり。僕らの◯日間戦争、みたいな感じに…と思いきや、な
世論調査、大学の研究倫理審査で考えたこと…研究倫理を研究者の自己責任にするな
世論調査の電話、知らない下請け会社からかかってくるから、どこのマスコミがやっているのかわからない。おまけに自動音声で個人情報も聞く内容。これ、大学の研究倫理審査にかけたら今どきは一発アウト案件ですよ。こんなこといまだに平気で続けさせていいのかな。
何が問題かと言いますと、主にはインフォームドコンセントの問題ですね。くわしく列挙すると…
・個人情報の取り扱いだけでなく、データそのものの取り扱いが
AIに負けないレポート課題の出し方
はじめに:オープンAIが与えている衝撃は大学教員にもChatGPTというオープンAIによるチャットが、尋ねたことに対して人間顔負けの回答をしてくるということで、話題になっています。
私も試しに、物価高騰対策について尋ねてみました。
どうも「複雑」とか「複数」とか返してくるのが定番みたいですね…大学生が「いろいろあります」とかレポートなどに書いてくるのと、似ています…。
それはさておき、ここま