GHOST/ただの「嫌がらせ」


GHOST

一昨日はおじさんの命日でした。
おばあちゃん(=おじさんの母)が一緒にお墓参りに行こうと私の母(=おじさんの姉)を誘いましたが母は仕事に行くために出るところだったので、私が代わりに行きました。

命日がその日だということを私は覚えていませんでしたが、5年前その場に居合わせたのは私でした。

事故でしたが、救急ヘリが到着するも間に合わず、という感じでした。

震える手で泣きながらいろんな人に連絡したことを思い出します。5年間経ったといえど、未だ信じられず、という感じです。

最近攻殻機動隊の新作が出たこともあって、過去作からずーっと全部観てます。好きなので。それでふと、

「もし、おじさんの脳核を義体につんで、生き返らせることができるとしたら、どうする?」

やっぱりみんな、生き返ってほしいと思うのだろうか。私からしたら「おじさん」だけど、おばさんからしたら「旦那さん」で、私の母からしたら「弟」で、おばあちゃんからしたら「息子」だ。


矢野君が死んだ時の、タチコマとサイトーのセリフ。

タチコマ「記憶を電脳に入れ替えてみたらどうかな?矢野君再生しない?」

サイトー「ゴーストが複製出来ない様に、記憶をコピーしてもゴーストは宿らない。」

ゴーストとはすごく簡単に言うと「心」ってことらしいんだけど、信念って私はなんとなく訳したい。

例え記憶をコピーしてもゴーストは宿らない。
それは極限までおじさんの格好をした偽物のおじさんだと私は思う。なぜか私たちのことを知っている、すごく見た目がおじさんの、ロボット。みたいな。

それはすごく怖いなと思う。
ゴーストが宿っていないんじゃ結局生き返らせても無駄だ。それは「本物」とは言えない。どこまでいったって偽物だ。

私だったらどうだろう。大事な人をなくしたら生き返らせようとするだろうか。まあ、自分がちゃんと冷静でいられれば、そんなことはしないと思うけど。

ということは、人間にとって一番大事なものは「ゴースト」だということになるんじゃないか?そう思った。生身の人間として生きているにもかかわらず、自分のゴーストの囁きが聞こえないのは死んでいるのと同じだ。

私は最近ようやく自分の声が聞こえるようになってきた気がする。

よって人生は一度きりでいいということに気がついた。自分のゴーストは大事にしないといけない。



ただの「嫌がらせ」


私は3歳から22歳まで延々とピアノを習った。
大学は教職の音楽に行こうとしていた。
そのためには、
聴音(クセの強いメロディをその場で聴いてその場で楽譜におこす)、視唱(クセの強いメロディをその場で見てその場で歌う)、小学校の音楽の教科書に載っているような有名な曲の歌唱など、いろいろなことができなければならなかった。試験に課せられるのだ。

ピアノが弾ければいいと思っていた私の考えは甘々だったが、私のピアノの先生は
早くから習っても仕方ない。まだ習わなくていい」と私の母(先生と職場が一緒の先輩後輩)に言っていたそうだ。

よってピアノ演奏以外の上記のようなことは試験の3ヶ月前くらいからやり始めた。

私はバカなので、そういうものなのだと思った。だけど、全然できなくて、必死にやった。


3ヶ月で仕上げたといえば出来たほうだと自分では思ったが、推薦入試は不合格。

一般入試はセンターがボロボロで落ちて
後期試験は震災のせいでなくなった。

私は滑り止め三流私大に入った。

そのあとも同じ先生に習い続けた。

22歳の時、卒業する年の発表会で
私のピアノ人生がようやく終わる。

正直辛かったけど、
なんとか卒業演奏会で弾きたかった曲が弾けた。


別に国立大に落ちたことは
仕方ないとは思ってる。
私の実力不足に決まってるし
だいたいにしてセンターが悪すぎた。


だけど。
私のピアノの先生は私の母のことを敵視していた。
私の母は技量こそ及ばないものの、後輩から好かれ、生徒の親にも信頼され、生徒にも好かれていたから。

私も母も鈍感だったために、
そんなことは今まで思いもしなかったが、

もし、あの一連の流れが
「ただの嫌がらせ」だったとしたら。
自分と同じようにピアノの先生になると言ってくれない、ウザいあいつの娘だから。言うことを聞かないから。だから、落ちればいいやって。

普通、入試に備えての準備なんか何年も前からやるものだ。今冷静に考えればそう思う。なのになぜ、あのとき先生は止めたのか。


恨むとかそういうのはない。
ただ、もしそうだったとしたら。
すげえ引くわ。
そうやって嫌がらせに使われた私の人生って
なんだろうか。

元々ピアノってのは
社会的に評価されない。

どうして甲子園に行ったとか
全国大会に行ったとか言うと推薦受かるのに
ピアノはダメなんだろう。
運動じゃないから?
え?運動に近いよ?

吹奏楽は評価されるのに
ピアノはなぜされない?

個人だから?

頑張ってないから?

部活じゃないから、か?

でも部活じゃないスポーツしてる人も
評価されるのに。

あ、スポーツじゃないから?

でも吹奏楽はいいんだよな…。


私は中学生の時高校入試の推薦で落とされて
逆ギレした。
私より成績がいくら低くたって
学校の設備をぶち壊してるような奴でも
推薦で受かっていた。

私は部活での成績が
美術部でポスター入賞くらいだった。
ピアノのことをどれだけ書いても
「評価されない」ことだった。

ピアノはしんどい。
サッカーやバスケのように
ゴールに入れれば点が入って
点の多さで勝ち負けが決まればよかった。
ピアノはそうじゃない。

審査員ありきで。
いつも孤独に戦わなければならない。
自前のラケットを使えるわけじゃない。
そこにある、初めましてのピアノで
演奏しなければならない。
いつも極限の状態で戦ってきた。

正解のない音楽の世界で
人生の9割を費やした。

だけどそこには長年にわたる嫌がらせと
社会には評価されない努力だけがあった。

私の人生を振り返ると
空白しかないように見えた。

社会に認められるには
社会に認められる努力をしなければならない。

もっと早くに気づけばよかったか。


ピアノが弾けるとか、
ピアノを弾くとか習うとか、
軽く扱われるフシがある。

悔しいなと思う。

けど、仕方ない。


私は社会に迎合するつもりは微塵もない。
社会に評価されることはとうの昔に諦めた。
無駄だ。

結局私は推薦で落とされた高校に入学しているし
大学ではいい友達に出会えた。

音楽は今でも好きだし
今は自由気ままな生活をしている。

やはり独立攻勢でなければ。


それがただの嫌がらせだったとしても。

私はこれからも強く
私でいようと思う。






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