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#読書

【読書ノート】『新編 人生あはれなり 紫式部日記』

【読書ノート】『新編 人生あはれなり 紫式部日記』

『新編 人生あはれなり 紫式部日記』
小迎裕美子 紫式部

紫式部日記をわかりやすく解説した本。華やかな日常を過ごしていと思いきや日々、将来の不安や人目を気にするストレス、目立ちたくないという願望など、現代の女性にも共感できる人間関係や仕事、嫉妬などが描かれている。

『源氏物語』の登場人物も取り上げていて、人物像を知る上で役にたつ。

平安中期の三大才女(紫式部・清少納言・和泉式部)の微妙な関係

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【読書ノート】『福沢諭吉が見た150年前の世界』『西洋旅案内』初の現代語訳

【読書ノート】『福沢諭吉が見た150年前の世界』『西洋旅案内』初の現代語訳

『福沢諭吉が見た150年前の世界』『西洋旅案内』初の現代語訳
福沢諭吉著
武田知弘訳

福沢諭吉が書いた『西洋旅行案内』の現代語訳兼解説本。

明治維新前後の混乱期にアメリカやヨーロッパ訪問使節団に潜り込み、当時の西洋社会の様子が詳細に記されている。

福沢諭吉が、どういう人物だったのか知ることができる大変興味深い内容。

黒船来航、ペリー来日で、蒸気船を見よう見まねで、造られた咸臨丸に乗って太平

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【読書ノート】『人間とは何か』

【読書ノート】『人間とは何か』

『人間とは何か』
マーク・トウェイン著

1835年にハレー彗星が、地球に接近した直後に生まれ、1910年のハレー彗星接近の翌日に死ぬ。
「自分はハレー彗星と一緒に地球にやってきたので、ハレー彗星と一緒に去っていく」と言いふらしたのだけど、本当に、そうなったようだ。

亡くなる直前に書かれた書物で、自己啓発的な内容。

人間は何か?という問いに対して、「人間は機械だ」という。一見何を言っているのか

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『寒山拾得』

『寒山拾得』

『寒山拾得』
森鴎外著

唐の貞観の時代というのは、西洋では7世紀の初めのころ、台州の知事の閭丘胤(りょきゅういん)は、頭痛に悩まされていた。そこに、乞食僧、豊干(ほうかん)が現れ、あるまじないを唱えられて、閭丘胤の頭痛が解消する。

豊干は閭に、天台山の国清寺に住む二人の聖人、寒山と拾得に面会することを推奨したのたまった。豊干によれば、これらの聖人はそれぞれ文殊菩薩(智慧や学問の象徴)と普賢菩薩

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『小僧の神様』

『小僧の神様』

『小僧の神様』
志賀直哉著

小僧の仙吉に貴族議員Bが、奢ってあげるという話。

たまたま貴族だから、金持ちのBは、
同情することが偽善ではないか?金持ちが社会に還元することが偽善とみられてしまうのではないか?ということに、葛藤を感じているということなのだけど。

日本人は、お金持ちが、社会に還元しようとすると反感を感じさせてしまう。昔からそうだったのだろうね。zozoの前澤氏がお金をばら撒いた時

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『髙田明と読む世阿弥』

『髙田明と読む世阿弥』

『髙田明と読む世阿弥』
髙田明著
著者は、ジャパネットたかた創業者、V・ファーレン長崎社長
A and Live代表。1948年長崎県生まれ。大阪経済大学卒業後、阪村機械製作所に入社。勤続2年目から欧州に駐在し、機械営業の通訳に従事。74年、故郷に戻り、父親が経営するカメラ店で働く。86年、37歳で独立し、「たかた」(現ジャパネットたかた)を設立。

世阿弥は中世の能楽師のことをいう。「風姿花伝」

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『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』

『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』

『先読み!IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』
古川渉⼀ 著

会話できるAI ChatGPTがもたらす未来を知る!

『ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』は、人間と会話できるように訓練された最新のAI技術。その「対話型AI」についての全体像が、見えてくる。

ChatGPTは、OpenAIという非営利団体が開発した対話型AIの一種で、人間が入力した質問に答えるだ

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「行動経済学」人生相談室 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

「行動経済学」人生相談室 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

「行動経済学」人生相談室 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ダン・アリエリー 著
著者は、2008年にイグ・ノーベル賞を受賞したことでも有名な行動経済学の専門家。行動経済学とは、経済学に心理学の要素をプラスした学問で、人間の行動や意思決定に影響を与える心理的な要因やバイアスを研究している。

本書では、アリエリー教授が、読者から寄せられた日常生活におけるさまざまな悩みや疑問に答えるという形式を

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『キレる!(小学館新書)』

『キレる!(小学館新書)』

『キレる!(小学館新書)』
中野信子著

以前書いたものの修正加筆版

著者は、「ホンマでっか」でもお馴染みの脳科学者。

印象に残ったこと

①年をとると、自分の考えに固執するというより、人の話を聞く機能が衰えてしまう。

②日本人は、相手が自分に不当なことをしていると感じると自分の時間やお金などコストをかけても、相手を懲らしめたい報復したいと思ってしまう傾向がある。

③日本の学校では、話し言

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『20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)』

『20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)』

『20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)』原稿

古賀史健著

著者はフリーランスライター
1973年福岡県生まれ。かねて映画監督を夢見るも、大学の卒業制作(自主映画)で集団作業におけるキャプテンシーの致命的欠如を痛感し、挫折。ひとりで創作可能な文章の道を選ぶ。出版社勤務を経て24歳でフリーに。30歳からは書籍のライティングを専門とする。

「話すこと」と「書くこと」は

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『スタートライン』

『スタートライン』

『スタートライン』
喜多川泰著

『あなたが見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい』

『明日死んでしまうかのように生きなさい。そして永遠に生き続けるかのように学びなさい』

「向かい風が強いいうことは、前向いて走ってる証拠や。」

物語の冒頭に三連発の名言で始まる。

物語は大きくは五部構成で、主な登場人物は伊福大祐、長森真苗の二人。

第一部は、高校生18才の伊福大祐の目線で同級生の長森真

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『ローマ人の物語 28』

『ローマ人の物語 28』

「ローマ人の物語 28」

塩野七生著

「ローマによる平和」を人々が享受できた背景には、社会基盤の充実があった。本書では、インフラのなかでも、水道、医療、教育が取り上げられている。

印象に残ったこと

①水道、浴場
ローマの水道は、流し放しだった。そのため、塩素などの消毒をしなくても、水質は良好だったらしい。

公衆浴場は、男女混浴だった。(ハドリアヌス帝が、男女別浴に変えてしまったが。)

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『漫画方丈記 日本最古の災害文学』

『漫画方丈記 日本最古の災害文学』

『漫画方丈記 日本最古の災害文学』
鴨長明著

漫画なのですが、解説は、養老孟司さんが書かれていて、面白い。解説を読んだ後、方丈記のオリジナルが添付されていて、けっこう古典を味わえて良いと思った。

約1000年前、平安時代から鎌倉時代に移り変わる時期の話。
大地震があって、大火災があったり、遷都があったり、世の中の不安定な状況が、今に通じるものをかんじた。

「行く河の流れはたえずして〜」

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『山椒魚』

『山椒魚』

『山椒魚』
井伏鱒二著

 山椒魚と岩屋って、知らずに選択してしまった人生ってことなのかなあと思った。

岩屋は〝壊れない〟し〝出ることができない〟それが、日常になる。

群れに縛られるメダカをバカにする。その点、山椒魚は、確かに自由だ。しかも、山椒魚には身の危険が無い。ただ、孤独なのだ。

そこに蛙が迷い込む。

最後に山椒魚が、死にゆく蛙に対して、「お前はどういうことを考えているのか?」と問う

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